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【日本のロックバンドを熱く語ろう】RADWIMPS#1

RADWIMPSはアニメ映画でも有名になった、日本のロックバンドだ。

ギターヴォーカルの野田洋次郎氏の才能に脱帽するような、高い音楽センスと深い歌詞が特徴のロックバンドである。

楽曲は恋愛の歌が多いが、恋と愛を明確に使い分けており、わたしの見解では主に男性の愛と女性の恋を描いているように感じる。
特に、登場する女の子を褒め称えるような歌詞が、とても洋次郎さんらしい。
わたしは野田洋次郎さんのファンで、あんなにも優しい歌詞を作れるミュージシャンはそうそういないと思っている。

わたしはRADWIMPSについては僅か数曲しか知らず、語れるほどの知識はないかもしれないが、知る曲については数えきれないくらい聴いてきており、それぞれとても思い入れがある。
だから、今回敢えて知る曲だけでこのロックバンドを熱く語ってみることにしようと思っている。

【ふたりごと】
この曲だけで記事が一つ終わるかもと危惧するほど、わたしにとってこのふたりごとは意義深い曲になった。感情が乱れて途中で辞めてしまいそうだ。
しかし、この熱く語るシリーズはわたしの情熱の結晶。出来る限りありのままを書いてみたいと思う。

この歌詞は、わたしの生い立ちと全く同じだ。
初めて聴いたとき、なぜ?と、冷や汗が出た。
なぜこの人はわたしの生い立ちを知ってるの?
その疑問は、わたしの前でこの曲を歌った当時の彼に向けられたものだった。

そんなお前の父ちゃんと母ちゃんの 心と心くっつきそうなほど
近くにいた二つの想いと想いが ちっぽけな時間なんてもののせいにしては
いつしか 目と目も合わさず もう二度と聞こえない「ただいま」
そんな二人お前見つめる ウルっとした瞳でこう呟く

「私の命は二人の愛の証 そこには一つだって嘘はない そうでしょう?
そうだと言ってよ」
「二人に愛はもうないと言うなら私の命はすべて嘘にかわり…
「時」に嘘をつかせないで」

あの日二人交わした約束を今につなぎとめる光が 今の君なの
「父よ、母よ」と震う声も 二人を見て流るるその涙も 半分コずつもらったのに

君がこの世に生まれた 奇跡を信じれないという
君と僕とが出会えた 奇跡を信じれないという

わたしが目にしてきた光景や密かに思ってきたことを、この人はそのまま歌っている。
わたしは産まれてはいけない子だったと、ずっと思い続けて生きてきた。
愛のない両親の子供が欲しいという理由だけで産まれてきてしまった。
わたしが見た二人には、憎しみしかなかった。
わたしは憎しみから産まれたのかもしれない。

ふたりごとは、わたしごとだった。

洋次郎さんは、丁寧に女の子の心の傷や不信感を癒してゆく。
女の子は曲の最後の方までずっと彼のことすら疑い続ける。

君と書いて「恋」と読んで
僕と書いて「愛」と読もう
そうすりゃ離れそうもないでしょう?
いつかそんな歌作るよ

惜しみない優しさを彼女に与え続ける彼は、彼女のあらゆる疑念を突破し続け、最後にはようやく彼女の傷ついた心を元に戻す。
そして、このときのフレーズは、今のわたしをも支えてくれているのかもしれない。

当時この曲を歌ってくれたのは、何も知らない彼だった。

君と僕とが出会えた 奇跡を信じてみたいんだ
君と僕が出会えたことが
奇跡だろうとなんだろうと

ただありがとう

「ただありがとう」
言葉にすると何か違うから…

ふたりごとは、その後彼とわたしの間で延々と続いていった。
わたしにはずっと、男性を愛することがまるで出来なかった。
家庭環境からなのか、男性から愛されても気がつかないまま。

そんなわたしに、彼氏さんはこう言った。
「まいこ、ふたりごと、始めよう」
「じゃあ、あっちゃんはまいこの洋次郎だね!」
彼はわたしが本当に自分を愛してくれるまで、ふたりごとという形で愛を教えていったのだ。

長い時間をかけて、なんだかきょとんとしてばかりのわたしに彼はこう話しかける。

「あのね。俺は君を愛していて、君を守りたいと思ってるんだ。」
「何から守るの?」
「何から、ではなく、ただ愛する人を守りたいと思う気持ちが、男の人が持つ愛の一つの形なんだ。」
「気持ちが大事。」
「そう。気持ちが大事。」
「愛の形ってたくさんあるの?」
「うーん。あまり難しい話をすると君はまたきょとんとしちゃうから、この話はまたいつか、ね。」

彼はとても優しい人だったから、出来の悪い生徒に対しても気分を害したり疲れたような素振りは見せなかった。わたしは、ただ楽しかっただけだった。

後から知ったが、相手から愛されている間、わたしは悪びれることなく、恋をし続けていたそうだ。
それは、相手には片想いに近い寂しさを伴うことだった。
だけど、過去の彼氏さんたちはみんな耐えてくれていた。
わたしはそのことにずっと気付かないで生きてきたのだ。

【第二回に続く】


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