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【毒舌な履歴書】2/4の短篇

人生で何度も書く人もいれば、一度も書くことがなく生涯を終える人がいる書類。
それを履歴書という。
私事ながら、今回これを初めて書くことになった。
一枚書き上げて一通り書類に目を通す。
見る人によって、この履歴書はかなりの毒舌ではないか。
毒舌と言っても、私の経歴なので「おたくの会社は商品力が弱いよね」とか「給料少なっ」等とは当然書かない。
そうではなく、学歴から職歴に至るまで、華々しい経歴。そんな私が今、転職したいと思っている業界には全く必要のないものたち。これは、見る人によっては、とんでもなく毒舌に見えるのではないかと思ったのだった。
コンサルタント歴。
華々しい経歴さえあれば、大抵の業界には転職できるだろう。
分析、改善提案、的確な指摘。
しかしもう他人の会社にとやかく言い続けることに疲れてしまった。

ようやく書けた履歴書を添付して応募フォームに添付しようと、再度応募条件を見る

「職人募集。履歴書不問。まずは職場見学に起こしください」

この先、書き上げた履歴書を提出する日は来るのだろうか。
言われた通りまずは応募フォームに入力してみる。