Luchino Visconti 「Ludwig」豪華絢爛、神の芸術と愛「狂王ルードヴィッヒ二世」の生涯

「ヴェニスに死す」以来、待望のヴィスコンティ鑑賞!なんでもいいから、どれでもいいから・・とにかくヴィスコンティ作品を観たかった。
 実は「家族の肖像」を先に鑑賞できたのだが、年代順に記録することにした。「ルードヴィヒ」は「ヴェニスに死す」の翌年1972年に公開された。「ドイツ三部作」と言われる作品の三番目。(なんと4時間近い大作なので、通しではなかなか鑑賞困難だった。お休みの日に家事の合間になんとか・・・。でもいつの間にか観てしまった。通しだったらきっと寝るわ・・(-_-)zzz

 ルードヴィッヒ二世と言えばノイシュバンシュタイン城!そしてワーグナー!皇妃エリーザベト!なんて感じで、有名なお方なので大まかなところは知っていた。映画はルードヴィッヒ二世の戴冠式の場面から始まる。
 若い時は美貌の王だったルードヴィッヒにヘルムート・バーガー。エリーザベトにはロミー・シュナイダー。イタリア映画だから当然だけど、ドイツはバイエルンのお話なのに、皆がイタリア語を話しているのはちょいと笑えた。やっぱりドイツ語でしょう。(調べたら英語版とドイツ語版もあるみたい)
 まあそんなこと思ったのは最初だけ。豪華絢爛な映像美には目が眩むよう!あっという間にヴィスコンティ・ワールドに入り込んでしまった。

 ヴィスコンティ監督は、イタリアでは由緒ある貴族の出身で、幼少時は14世紀に建てられた城で育ったそうだ。そういう育ちから、19世紀的で耽美的な作品が後期に多い。若い時は共産党員でネオレアリズムに傾倒していたそうだが・・・。(それについては、また別の機会に)

 ルキノ・ヴィスコンティ監督はバイ・セクシャルとして知られている。「ヴェニスに死す」では美少年に狂う老教授が描かれていたのを思い出す。この「ルードヴィッヒ」でもそうだ。
 ルードヴィッヒ二世もバイ・セクシャルだったらしい。どちらかというと、同性愛者に近い描き方だ。エリーザベトとの関係は血縁ということもあり、深い信頼と愛で結びついていた。
 美しい青年たちを取り巻きとし、退廃的な饗宴に溺れる様がかなり丁寧に描かれている。これはちょっとドギマギするけれど、ヴィスコンティ映画の魅力の一つかも。

 次にこの映画で印象的だったのはワーグナーの描き方だ。ルードヴィッヒ二世とワーグナーは切っても切れない関係で、大変有名なエピソードだ。この映画ではワーグナーがかなり自己中心的で浪費家で、人の妻を略奪するとんでもないやつと描かれている。実際はどうなのか分からないが、事実はそう違わなかったろう。天才的な芸術家とは欲しいものに貪欲なのではないかと思うから・・。でも、憎めないんだよねワーグナー。純粋に芸術を追求し、神々しい音楽を創造する天才。愛する妻(指揮者の妻を奪った)と子供たちには惜しみない愛を注ぎ、満面の笑みで抱きしめる。可愛いじいさんだよ♡

 ルードヴィッヒ二世は芸術の擁護者としては素晴らしかったが、実際的な政治には興味をもてず、統治能力もなかった。最後は自死・・・のような謎の死。

 19世紀の空気感、芸術と美を追求する生き方、豪華絢爛な建築物、美術品、至高の音楽、同性愛・・
まさにヴィスコンティ監督の世界だった。