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きわめて私的な読書記録①「聖者のかけら」

 昨日、今日と久しぶりで読書の時間をとることができた。読んだのは「聖者のかけら」。言語学者の川添愛さんの著書で、歴史ミステリーだ。「薔薇の名前」を想起させるというTwitter仲間の方からの情報で即買いしたものの、何週間も読めない日々が続き、ようやく・・!
 「薔薇の名前」や「フーコーの振り子」と違って、とても平易で読みやすい文なので、すいすい読める。

 舞台は13世紀のイタリア、アッシジの街にある聖フランチェスコ教会から聖フランチェスコの遺体が行方不明になったという事件が起きる。その謎を解いていくベネディクト会派の修道士ベネディクトと仲間たち。

 イタリアを中心としたヨーロッパとキリスト教の歴史を復習しながら読み進める。フランチェスコ会派とドミニコ会派の対立。皇帝派と教皇派の対立等。こんなことを主イエスが望んだわけではないのに・・。どうしてこのようなことになってしまうのだろう。キリスト教に限らず、宗教が争いを生むなんて悲しいものだなぁ・・などと思いながら、謎解きの迷路に引き込まれていく。終盤で思わず涙が溢れる和解の場面があって、読んでよかったと思えた。これですよ、これ!
 世の中に争いは絶えないけれど、このように和解できればどんなによいだろうかと・・ため息とともに本を閉じたわたしだった。

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 他にも下書き数冊あるけれど、エネルギー切れにつき、今日はこれ一冊のみ。無理せずにnoteとお付き合いしたい(=^・^=)