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君たちはどう生きるのかネタバレアリの感想です!


君たちはどう生きるのか

そろそろネタバレありの
感想を書いても良い頃かもしれないと思い、忘備録としてここにしたためます。

がっっっつりネタバレしますので、
見たくないという方は、
ここで回避してくださいね。

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では、はじめさせていただきます。
映画を簡単に説明すると、
少年版『不思議の国のアリス』。

時は太平洋戦争最中。
主人公の少年は、軍需工場を経営する父親を持つ、裕福な家の息子。
母を火事で亡くし、新しい母は、叔母(母の妹)だった。その継母はすでに父の子を妊娠している。

少年の一家は疎開で、田舎(母の実家?)を訪れる。そこは少し不気味な塔が庭にある古い豪邸だった。

複雑な心境である少年の元に、アオサギが現れ、
「おまえの母親は生きていて、あの塔にいる」
と伝える。
少年はそんなわけがないと突っぱねるも、叔母がふらふら塔の中に入っていく姿を見て、少年も塔の中に入る決意を固める────。

映画を観終わった後の最初の感想は「海王星的な映画だなぁ」でした。
おそらく、あの映画を観た占星術を学んでいる方は同じように感じたと思います。

海王星は、夢、曖昧、広がりなどを暗示しています。海王星が示す年齢域は、大体85歳から死ぬまで。人が老いて、意識が離れがちになり夢の世界に入ってしまうのは、まさに海王星の領域。

塔の中で少年は、美しく、おぞましく、設定のつかない不可解な体験をします。
そのことに対して明確な答えを出していないため、「なんじゃこりゃ?」と思った方が多いのも分かります。

ですが、私は受け入れられました。
別に監督の感性を理解している云々ではなくて、この説明のつかない世界を経験したことがあったからです。

──実は私、あまり公の場で語ったことはないのですが、(あやしい話なので笑) 臨死体験をしたことがあるのです。
長女を出産する時、なかなか生まれず、急遽帝王切開となりました。
臨死体験は、その際のことです。

お腹から子どもを取り出してくれて、
「はい、元気な女の子ですよ」
と看護士さんが赤ちゃんを見せてくれたのですが、その時私は大きな衝撃を受けました。
赤ちゃんの頭が宇宙人のように長かったんです。
長く骨盤に挟まっていたため、一時的にそうなったもので、珍しいことではないそうですが、そんなふうになると知らなかった私はショックを受けたまま、全身麻酔に切り替わったんです。

あまりに気になったんでしょう。
私の意識が体を離れて、病室の外に出ていました。
そこに夫や実母や弟妹がいて、看護士さんに赤ちゃんを見せてもらってました。
「なんか頭長くね?」
と言う弟に、
「こういうのよくあるのさ。時間が経てば普通になるんだよ」
母が笑って答えたのを聞いて、私はホッとしました。
(このやりとりは実際交わしていたそうです)
安堵と同時に、私は自分の体に戻ろうとしたんです。

しかし、私は別の場所にきていました。
そこは真っ白い壁の部屋で、いくつかドアがありました。
バレーボールくらいの大きさのピンクのゴムボールがポーンポーンと跳ねています。
なんとなく小さなドアを選んだ瞬間、私は火葬場の棺の中にいました。
まさにこれから燃やされるというところ。
慌てて他のドアを選ぶと、宇宙なのかなんなのか、夜空に渦巻きがたくさん浮かんでいる、まるでゴッホの「星月夜」をもっとカラフルにしたような、とても美しく、おぞましい景色を見ました。

その時、ふと自分は『細胞の中の景色を見ている』と思ったんです。

その時に、
「ああ、人は内側から生まれて、死ぬ時は自分の内側に還っていくんだな」
と、なんとなく悟りました。
そうして私の臨死体験は終わったのです。
(というか覚えているのはここまで)

君たちはどう生きるかを観た時、
24年前の不思議な体験が蘇ってきたんです。
正直忘れかけていたもので、あの臨死体験によく似ていました。
(最後に扉を選ぶところとかも)

また、インコが「おまえらは妊娠していないから食える」といったことを言うのですが、
以前、霊感の強い方の話を伺った時に「妊婦が取り憑かれることって滅多にないんです。少なくとも自分は遭遇したことないです。原因はよく分からないのですが、やはり特別な状態なんでしょうね」と仰っていたことや、

鳥はパラレルワールドを飛び越えていくという話を聞いたことがあり、
(この話はお祓い本舗や京洛アリスの中にもチラリと盛り込んでます)
この映画では、そんな不思議なルールも適用されているんだなと。

映画の序盤には、
とにかく罪悪感が漂っていました。

少年は、戦時中なのに自分たちは裕福であること、父を冷ややかな目で見ながら、そんな父を利用する小賢しさを持っていること。母を忘れられず、継母を受け入れられず、それでいて継母に『女』としての魅力を感じてしまっていること。

継母は、姉の夫と結ばれ、子を授かった喜びと、罪悪感。甥に対する愛情と嫌悪感。
それはぐにゃぐにゃとマーブル状に渦巻いていて、吐き気をもよおすような複雑な感情。

そこから逃げ出すように、塔の中に入り、美しくもおぞましい世界で説明のつかない冒険をして、自分の中で清算をし、元の世界に戻ってくる。

君たちはどう生きるか

死と隣合わせの夢から
生きて戻った今、
自分はどう生きるのか──

なんて、私はそんな勝手な解釈をしながら映画を堪能しました。

とても良かった。
観れて良かった映画でした。


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