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第460話 ぷち意識高い系は、殴られたような目のオバチャンの出現で、どこかに行ってしまった(書き直し集-その20)


※2020年5月に書いた記事の書き直しです


マコなり社長が自身のことを、「意識高い系の日本代表」と言っていました。
その伝で言うなら僕は、「意識高い系東海地区代表」に選抜されてもおかしくないと自覚しております。

そして、なんと⁈
近頃のゆかりちゃんは、ちょいちょい「意識高い系」を発動します。

今日も、いくつかの【意識の高い系】を発動し、僕はそれを見逃がしませんでした。


◆意識高い系 by ゆかりちゃん(その1)

コインランドリーへ一緒に出かける直前、ゆかりちゃんは僕に、こう言いました。

「じょーじはマスク嫌いだけど、今日はして行ってね」
「今は、いろんなお店で『マスクのご使用をお願いします』っていう張り紙が出ているからね」


これまで僕は、「それほどの予防効果は、マスクにはない」というウンチクを、散々、ゆかりちゃんに語ってきました。

ゆかりちゃんは、そんな僕を諭すように、

「近ごろはね、マスクについての【意味】が変わったの」
「自覚はなくても、わたしも、じょーじも、【感染者】かもしれないの」
「つまり【感染しないための予防】ではなく【感染させないためのマナー】に変わったのよ」
「周りの人を、不安や不快にさせないため、でもあるのよ」

と、言いました。

僕がヘソを曲げないように言葉を選んで、かつ、論理的にマスクをする必要性を説いたのです。

意識高い系です。

もちろん、僕は、ゆかりちゃんのアドバイスに従いました。


◆意識高い系 by ゆかりちゃん(その2)

コインランドリーの真向かいにある、地元で人気店のケーキ屋さんに、行列ができていました。
小雨が降る中、お店の外に10メートルくらいの行列が発生しています。

「じょーじ! ほら、見て!」
「一人ひとりの間隔を空けるから、だから行列が長くなるのね~」

見ると確かに、誰もが間隔を空けて並んでいます。

ケーキ屋さんの狭い駐車場は満車になっていました。
あとから来た車は、駐車できずに、2台が空くのを待っています。

「外に出かけられないから、『せめて自宅でスイーツを』と・・・」
「そういうことで、【持ち帰り】に行列ができるんだねぇ~」

と、まるで、ゆかりちゃんはTVのコメンテーターみたいです。
これも、意識高い系です。


ちょうどそのタイミングで、駐車場に最初から入ろうともせずに、路上駐車し平然と行列に並ぶイカツイ中年男性を、僕たちは目撃しました。

「路上駐車はダメよ!」
「ああいうの見ると、イラつく~!」

ゆかりちゃんの、間髪入れない正義感ゆえのコメントが、僕たちの車中に響きました。

またまた発動した意識高い系です。


◆コインランドリーの駐車場

僕たちの用事はコインランドリーです。
洗濯好きのゆかりちゃんが、雨だから乾燥機を使いたくて、洗ったシーツなどを持ってきたのです。

僕たちより、ホンの少し早く駐車場に入った車がありました。
その車は、駐車場のラインを跨いで、しかもナナメに車を停めたのです。

車から降りたのは、中年のオバさんでした。

「派手な格好のオバチャン!  車! 、、停めるの下手すぎ!」

ゆかりちゃんが車中でボヤキます。
ここでも、なかなかな意識高い系です。


そのオバさんのアイシャドウは紫色で、遠目からでもハッキリと見てとれます。
アイシャドウを塗りすぎ?
いつも?
アクシデント?

パンダのような範囲が、紫色なのです。

車から降りて、僕は、ゆかりちゃんに近づき小声で囁きました。

「目、誰かに殴られたみたい・・・」

すると、ゆかりちゃんは大爆笑!
そのオバさんが振り向くほどの、大爆笑でした。

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僕は・・・、

(意識高い系のゆかりちゃんもカッコイイけど、不謹慎なジョークに大爆笑するゆかりちゃんの方が、面白くてカワイイなぁ)

と、内心思いました。


◆イチゴ

このあと僕たちは、ゆかりちゃんの大好物のイチゴを買うために、スーパーへと向かいました。
今日はあえて、普段行くことのない、少しお値段お高めのスーパーです。

イチゴ大好きのゆかりちゃんは、購入するイチゴの【パック】を決定するために、各パックの(イチゴの)匂いを嗅ぎます。

これは、「あまおう」「とちおとめ」「紅ほっぺ」「あきひめ」などの、
どの品種にするか? という意味ではありません。

ゆかりちゃんは、品種は、考えて決定します。
「この時期ならとか○○かなぁ」とか、「前回△△を食べたから今回は…」などと色々と考えて、大体はスーパーに行く前から品種は決まっているのです。


スーパーのイチゴ売り場という現場で行なわれる、嗅覚を使っての選定は、例えば「紅ほっぺ」なら「紅ほっぺ」の中で、

どのパックを購入するか!

という、「これ!」という1パックを見つけるための行為、なのです。

その匂いで、美味しいかどうかが「分かる」と、ゆかりちゃんは言うのです。


ゆかりちゃんが、4つ目のパックを手に取ったところで、僕は、

「お客様。匂いを嗅げるのは、お一人さま3パックまでとなっております」

と、店員風に言ってたしなめた。

ユーモアもあり、かつ、常識をふまえた、とても素晴らしい注意喚起です。


しかし、大好物のイチゴを目の前にして理性を失ったゆかりちゃんには、僕僕の注意喚起など届きません。

結局ゆかりちゃんは、合計6パックの匂いを嗅ぎまくりました。

6パックそれぞれの匂いを「クンクン」嗅いで、でも、購入するのは1パックだけです。

これはイケません。

お魚をツンツンするオバチャンと、完全に同類です。


誰かに殴られたような目のオバチャンを見て、大爆笑してから、
ゆかりちゃんの中の【意識高い系】が、どこかに行っちゃったようです。


◆〆

いつもよりお値段高目のスーパーで買ったイチゴ。
生産者の名前も書かれていたイチゴ。
6パックの匂いを吟味して選んだ、選りすぐりのイチゴ1パック。
1パックに12個のイチゴ。

僕たちは、2人で、そのイチゴをいただきました。

僕が2個。
ゆかりちゃんが10個。

僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのです。




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