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覚悟を決めた覚えはない

覚悟を決めた覚えはない。

走っていった先で、出会えた人たちに、
喜びや、やりがいをもらったら、
欲が出たんだ。
執着したくなったんだ。
人に気づかせてもらって、覚えた気持ちが、今を超える力になった。

『自分には何ができるか』
『私のやりたいことってなんなんだろう』

そんな途方もない答えは、
ある日、ある時、突然降って湧くように、
これが私のやるべきことか!と
使命感に満ちた神々しい光のように、
目の前に現れて、はっきり分かるものではない。

そして、
やり始めたことを、何度も迷いながら、
時に、辞めたいとも、辞めたくないとも思いながら、
それでも続ける過程で、これかな?というぼんやりした手応えとして、見出していくものだ。


(突然分かる人も居るかもしれない、全然迷わない人も居るかもしれない、断定してごめんね。
わたしの場合はそうだったと言う話)笑


藍染のお師匠さんのところで、藍建を習っていた時、
奥さまが、

『ここの講習生、ひとり、ひとりが、3人のファンをつくって行ったら、正藍染は全国に広がるねー!』

と期待を込めた笑顔で、仰っていた。


私はその言葉を胸に、もうすぐ習って3年になる正藍染に取り組んできた。
ファンを3人つくりたい、どんなに時間が掛かっても、そんな未来が見たいと、
その想いで、地道で、気長で、美しい、この伝統工芸を志してきた。
奥さんの言葉は今まで何十回だって繰り返して、唱えた。

覚悟なんて、はじめっからない。
私は自他ともに認める飽き性だし、意志薄弱な軟弱女。
あったのは、今の今まで、辞めなかった、諦めなかったってことだけ。

志や思い描く理想はあれど、まずは向き合うのは、目の前のひとりだし、また繋がれたひとりだ。

行きつ戻りつだし、面白くない時だってある。
いつだってワクワクしてるわけじゃないし、
イライラして、途方に暮れる日もある。


会った人が、私にくれるものが、"覚悟"なのかもしれない。

自分という人間が、目の前の人に差し出したものを、ありがとうと、受け取ってくれる現実に、
私が、何かを悟り、知るのだ。


生半可だなぁと、いつだって思いながら
人前に、世の中に、出している

自分でミシンで縫ったマスクも
板締めで染めたハンカチも
見様見真似のかご染めの布も
買ってくださることに、私が一番震えてます。

こうします、とさも物知り顔で教えながら
知らないことでいっぱいです。


そんな感じです。


大したことないんだ、私ってば。

もやのかかった覚悟らしきその大枠を胸に
大袈裟でなく、地味にじんわり。


#私の仕事
#覚悟
#私はこう思う




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