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“ table ” 食卓を囲む その距離感。

食卓を囲む間柄
例えば家族、パートナー、友人やペット。



私たちは食卓を囲む“その距離感”を知っています。




机の上には、いつだか気に入って買い集めた統一感のない食器や
その辺に咲いていた野花を摘んで
食べたいものを作って、持ち寄って飾ります。

そこは豊かさの象徴のようです。



食卓を囲むくらいの距離感の間には
他愛のない会話や、味と匂い、もちろん視覚と
五感をたっぷりと堪能する小さな 小さな幸せの時間が流れています。







コロナによって私たちは新しいステージと向き合い
今までにない生活様式や価値観が始まりました。

“ソーシャルディスタンス”という言葉が生まれ
人と人との距離感に対して
こんなにも意識した時代があったでしょうか。

リモートワークなどパソコンの画角で対面するという方法が増えたことによって、ファッションもその決められたサイズの中でそう見えるかということを意識せざるおえなくなったように思います。


会えない、触れられない、同じ空気を吸えない。
一緒にご飯も食べられない。。。

言葉にすると、とても悲しいイメージです。



しかし一方では“リモート飲み”やSNSで芸能人と一緒にご飯を食べようといった生配信が流行るように。



食卓を囲んでご飯を食べる視覚的、感覚的距離感は
実のところ、案外同じなのではないかと思ったりするのです。


単純に今まで主流でなかった様式が生まれただけであり
距離感の価値は今も昔もなんら変わりのないように思ったりします。


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食卓に並んだ食べ物や食器、布巾やちょっとした花
そんな机の上に散りばめられた『もの』からヒントを得て
ラインナップされた今回の2021春夏のfuruta(フルタ)







マスタード、マヨネーズ、玉子やバナナ、ズッキーニ の食用花
料理に欠かせないイエロー。
コロナ禍で沈んだ気持ちに世界的にも幸せを象徴する色で
少しでも暖かい気持ちになるように望んでいます。


食べ物のイエローは少しだけ白を含んたライトトーンで
私たちを優しく包みます。

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エディブルフラワー(食用花)と“スパイスの女王”と呼ばれるカルダモンを模した総刺繍は、遠目では一見ドット柄にも見えますが
机を囲むくらいの距離感ではしっかりと感じることができるでしょう。

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対面では、ボートネックの美しい刺繍の入った様相も
実はハッとするほど背中が大きく開いています。

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お仕事先の方も最近はスーツを着用されず普段着で仕事をしており
自宅勤務でジャケットを着用しなくなった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
おかげでボリューム袖もきっと楽しめるようになったんじゃないかと思うのです。






身近なものからヒントを紡げば
誰しもが違う人生の“幸せの記憶”と混じり合う瞬間があって
そっと寄り添っていられるような気がしています。




遠い昔、フランスの郊外で道に迷って
たまたま道を訪ねた方に
「今ちょうど食事を済ませてお茶をするところだから、
あなた達も時間があったらどう?」
と、お呼ばれしてもらってことがあります。

お庭に小さな机を2つ並べたようなものに
陽にやけてしまったテーブルクロスは敷いてあって
ミドルのカップルとトランスジェンダーらしきカップルが
おもてなしをしてくれました。
ボサボサの可愛い大きな犬2匹は、
足元でじゃれあっていたのを記憶しています。

正直、相手は何語で話していたのか
お茶の味もスイーツの味も今は覚えていませんが

昼下がりのカンカン照りの空の下
机を囲んだ思い出は今もなお優しい記憶として私の心には存在していて
その感覚は決して大それたものではなく
コロナによって新しいステージになった今、自分の住まいでも感じることのできる愛情や豊かさと変わりないように感じるのです。

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愛を込めてfuruta

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