yukari furuta

ファッションブランドfurutaのデザイナー。  【web & shop】ht…

yukari furuta

ファッションブランドfurutaのデザイナー。  【web & shop】https://maisonfuruta.com/

最近の記事

宝石と絶望。無条件の愛。

The Happy Prince. 童話 「幸福な王子」 をテーマに “今” を生きる貴方へ。 と題して展開された23-24 A/Wのfurutaのラインナップ。 一度は読んだことがあるかもしれない童話「幸福な王子」 その物語の大ファンだったり、その逆で大嫌いだったり 微かにしか覚えていなかったり、親となり改めて知ったり... 多くのこども達に親しまれる物語には、その数分の十人十色の記憶や感想があるものです。 【Wikipedia 引用】 苦労や悲しみの中にある人々の

    • 四季の始まり

      2023春夏のfurutaのテーマは「ΠΕΡΣΕΦΟΝΗ(ペルセポネ)」 ギリシャ神話の女神の一人です。 画家ロセッティの描いた『プロセルピナ』にはソネットが記されており、そこには下のように書かれているようです。 (プロセルピナはローマ神話に登場する女神でありギリシャ神話ペルセポネと同一人物) 『彼女は、致命的な果実を手にして、うすぐらい宮殿の回廊に描かれている。 彼女が通りかかると、彼女の背後で、とつぜん開いた何かの入口から微光が壁に当たって、ちょっとの間、人間世界(U

      • ドレスを日常に。

        furutaは「ドレスを日常に。」というテーマで女性性と服との関わり方を研究しています。 ドレスを日常に。はそのままに全ての女性性(肉体は男女問わず心)に向けてプリンセスであって欲しいという意味も含みますが 簡単に言えばドレスは日常には着れなので、着れるようにすればいい。 という発想から始まっています。 現代の生活様式に逸脱しないドレスを日常に着るというあり方。 ポケットの重要性。足さばきによる1日の疲れ具合の違い。などなど リアルユーザーとして視点でファッションを捉える

        • グロリオサという花

          グロリオサという花。 お花屋さんでよく見かけるお花のひとつですよね。 お花屋さんと話をしていて お祝いのお花としてもよく用いられる種類なんだそうです。 ユリ系のお花は結構大人になってから良さを知ったといいますか どちらかというと格式高く難しい。とか。 バラ科に比べてすらっとした鋭いデザインに恐い印象を抱いていたのか 私にとって、なかなか手が出しにくいタイプの種類だったんです。 しかし最近は 蘭もそうなんですけど、“選ばれし者”や“TPO”ではなく もっとフラットに、決ま

        宝石と絶望。無条件の愛。

          ぼくの記憶

          どうして 独りになっちゃったんだろう。 ぼくは 肉球を怪我して 右目や右鼻も なんだか良くなくて 2日続く雨の中 雨ざらしの駐車場の隅で 独りぼっちだった。 どっちに行って良いのかもわからないから いっぱいおっきな声で鳴いて 鳴いて鳴いて 泣き叫んだ。 そしたら 知らない人間のお母さんが ぼくを濡れない場所に連れていったんだ。 そこにはお母さんとお父さんと ぼくよりちょっと大きい男の子と 細いお姉さんと トラ柄の大きなお姉さんが2匹いて ぼくは急に大家族

          ぼくの記憶

          「ファッション」を通して今出来ること。

          furutaをデザインするデザイナー古田として 「ファッション」を通して今できること。 自分にできることは とてもとても小さなことかもしれませんが ファッションを通して今できることを模索してきました。 たくさんの洋服を生んだ後 色々な条件でどうしても残ってしまう生地が存在します。 まずはコレクションを作る上で欠かす事の出来ない そんな生地達の行く末から。 廃棄せず大切に取っておいたその生地達で ヘアバンドをご提案しようと思います。 マスクが日常になって まだもう少しの

          「ファッション」を通して今出来ること。

          “ table ” 食卓を囲む その距離感。

          食卓を囲む間柄 例えば家族、パートナー、友人やペット。 私たちは食卓を囲む“その距離感”を知っています。 机の上には、いつだか気に入って買い集めた統一感のない食器や その辺に咲いていた野花を摘んで 食べたいものを作って、持ち寄って飾ります。 そこは豊かさの象徴のようです。 食卓を囲むくらいの距離感の間には 他愛のない会話や、味と匂い、もちろん視覚と 五感をたっぷりと堪能する小さな 小さな幸せの時間が流れています。 コロナによって私たちは新しいステージと向き合い 今ま

          “ table ” 食卓を囲む その距離感。

          いのち

          実家で飼っていた白い犬は 雑種で耳だけがベージュの短毛で鼻は梅干しのように赤く ぱっと見スピッツ風のわりには顔はシュッとはしておらず ずんぐりむっくりでキャラクター系お化けみたいなシルエット。 ぼっそぼそでとても可愛かった。 あまりにも小さかった自分の記憶は薄らぼんやりしていたが 何匹かの中にいた真っ白の犬をもらいに行った記憶は残っている。 そして 私も含め兄弟全員の青春時代を共にし 15年後、私が上京するほんの少し前に寿命で亡くなった。 私はちょうど短大の卒業式もバイト

          為に美しく

          2020-21AWのテーマは『woman』 “ホテルで待つ”をストーリーに 今回のラインナップは始まります。 女性は何の為に美しくありたいのでしょう。 誰の為に美しくありたいのでしょう。 社会の為でしょうか パートナーの為でしょうか それとも 自分自身の為... 何か、或るが故に 美しいとはなんぞや? という壮大なテーマに立ち向かうわけです。 女と男 男性から見た女性 女性の内面と外面 内面にある女性性と男性性 いろいろな角度や解釈の上で存在する二面性。 ホテルで

          為に美しく

          ファッションは自由であなたの味方

          世界との関わりが大変薄っぺらい私でさえ、 今のこの状況をヒリヒリと感じながら日々を過ごしています。 そんな時だからこそ 洋服というフィールドで最も伝えたいことは何かってことを 今一度根本的な部分で深く考えました。 やっぱり私は女性というものは男性に向こうを張ったり、 自分の本心を偽ったりせず、自由に女性であることを味わって生きて欲しい思うんです。 時に 私の洋服を作る上でのテーマの中には 女の肉体で生まれたからには女として生きていきましょう。 的な言い回しをコンセプトの中

          ファッションは自由であなたの味方

          2020SS、furutaのテーマは旅。 私たちは日々の生活に喜怒哀楽という感情を持って過ごしています。 それは当たり前のことですが、 社会の中ではどれだけの人が本能にのっとって 当たり前に感情を味わっているでしょうか。 震えるほど腹がたったり、涙が出るほど嬉しかったり それらを大人という名の都合で押し殺していませんか? まだ無垢だった少女時代 当たり前にしていたことはできていますか? その一人一人の目には見えない、 自分にしかわからない感覚は とても尊いことだと私

          スイングしなけりゃ意味がないね。

          新年あけましておめでとうございます。 本年も宜しくお願い申し上げます。 さて 今年はまめに音楽を聞こうかなと思います。 比較的無音の生活を好む方だ。 それは 雨や洗濯機の音が微かに聞こえることを愛している。 土の湿った音やコンクリートの冷たい音さえ聞こえてきそう。 そして バレエを習っていたおかげでなのか 爆音で音楽を聞くと身体を動かさないと! と、 まるで生理現象のような感覚が目覚め わなわなと心が揺れる。 そう  ミュージカルのよ

          スイングしなけりゃ意味がないね。

          sister

          ドリームズ・カム・トゥルー 4年に1度のグレイテスト・ヒッツライブ 「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND 2019」 が7/14本日よりスタートしました。 今回私は Backing Vocalの浦嶋りんこさんとYURIさんの衣装をデザインさせていただいてます。 この機会をくださいましたこと、 一緒に製作に携わってくださいました方々、 スタッフの皆様に感謝です。 ある友人の話。 その人には昔、 早くに空へ旅立っていった妹がい

          おどるということ

          踊る、躍る。 心が躍る。 肉体と精神 所作と気持ち。 そうとも置き換えられると 双方に使う美しき言葉。 1人でも、ペアでも、みんなでも 踊るは存在し、 それは、肉体を越えても または、生きものを越えて、 例えば 布や風に置き換えれるように、 それは 大胆にも、片鱗の先にも サイズも自由で、表現にも決まりはない。 愛おしき意味。

          おどるということ

          furuta 2018/19 FW②

          フルタの秋冬はmoonをテーマにドラマが展開してゆきます。 季節は随分と肌寒くなってきましたね。 季節柄コートのご紹介です。 ローデンコートは、オーストリアの貴族が着用していた伝統的なハンティング用の防寒コートです。 ※引用 実際のローデンクロスと言うのは 天然の羊毛脂を含んでいる為に防水性があり 目は密に織り上げ、風合いは粗く丈夫で重厚の見た目のわりに軽さのある素材です。 この素材自体はそれをイメージして作られたもの。 目の詰まった毛足のある軽い素材で、風合いは本気

          furuta 2018/19 FW②

          furuta 2018/19 FW①

          フルタの秋冬はmoonをテーマにドラマが展開してゆきます。 その中でちょっとアイテムをご紹介。 ナイロンチノを使ったトップスとアウターです。 チノといえば綿100%とおおもいかと思いますがこちらはナイロン100%の素材。 チノ独特の表面感はありつつ、ナイロンらしい軽さと張り感があって 暑さの残る秋口から使えるアイテムです。 冬にかけてレイヤードできるように少しゆったりしたサイズ感なのでいろんなコーディネートを楽しんでいただけたらなと思っています。 この軽さと張り感は

          furuta 2018/19 FW①