見出し画像

【詩】ゼリーの春

ふと振り返ると
忘れてしまった日々が
青い顔をして立っていた
手には透明な
花束が握られていて
いまも息をしているようだった

ぼくは彼を真珠色のピストルで撃ち殺した
新しい血が流れる
それからぼくはどこまでも続く
廊下を走って
逃げることになった
足音が響く

その廊下は
小学校の廊下のようだったけれども
中学校の廊下だったのだろうか?
ゼリーのようにヒンヤリとしていて
春に
音楽室では子どもたちが合唱している

やあ
あしたはきっと来るだろう
あしたはたぶん
太った猫を抱いている
あしたの手足は長くて白い
ぼくは恋愛の夢を見ている

サポートお願いします。