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【詩】終わらない詩

このぼくのなかに
自分以外の海がある
この寂しいぼくのなかに
自分以外の女がいる
このぼくの他に
寂しい自分自身がいるものか

ぼくは
いつの日か孤独死する
その日には
ぼくがそれまでに通り抜けてきた
すべての季節がそこにいてほしい

振り返るときに
ただ遠くに行くほど若くなる
ぼくがいつか幼かった日々が
恥ずかしくないように
自分との約束を守れるように
ただひとりで横たわり
目を閉じるときに

いつか
誰かにやさしく抱きしめてほしかった
でもこの世界にはぼくを
抱きしめられるひとがいない

この世界には鳴り響く音がない
ぼくのための歌がない
ぼくのための海がない
ぼくのための女がいない
そのすべてが
ぼくのなかで
いつまでも
終わらない詩になって
いつかの時間の
消えない傷跡になればいい

永遠
人間に考えつくことのすべてに刻まれた印が
もう一度生き直すことを
望まずにはいられなかった

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