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【詩】雨に祈る

ただふざけているだけだった
人生が ほんとうはとてもかなしいし
虚しい生き方だったとおもう

毎日が 同じことの繰り返しで
誰も愛してくれるひとがいなかった
それはぼくが悪いのだろうか
でもそれは
ぼくがぼくであるという
ただそれだけのことだったのに

この世界には
愛よりもうつくしいものがあって
それは斜めに降る
静かな 雨だったのだけれど
誰も そんなことを
本気にするひとはいなかった

ぼくたちの夜は
不思議で
無意味な夢に彩られていた
ほんとうのことは誰にも
わからないのに
どんな感情も持たず
空のいちばん高いところから
低いところに向かって
降る

それだけが
うつくしいこと
ひとを愛することができなくても
苦しむ理由になるのだと信じていた


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