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chatGPTと一緒に小説書いてみた。

参加しているオンラインサロンのメンバーがchatGPTを使って面白いことをしよう、という趣旨のイベントを開催してくれた。chatGPTに興味はあれどまだちゃんと使ったことがなかったので、これ幸いに参加してみた。
まずダウンロードからはじまる。
有料版を使うほどでは無いので、無料版をダウンロード、準備は万端!
第一回目参加して、chatGPTへの質問の仕方などを聞き、自分なりに使ってみようとまず検索してみたり、話しかけたりしてみた。頭良さそうで案外抜けているし明らかな嘘情報もあるのでそこを詰めてみるといい、というアドバイスを実行してみた。ちょうど葛飾応為を調べたかったので聞いてみると全くの嘘情報で、そこを詰めていくとAIが
「申し訳ありません、おっしゃる通り」を繰り返して暴走した。
心臓が飛び上がるくらい焦った。
やばい!AIが暴走した!
止まって!と言っても止まらず、もう一度止まってと言うと止まってくれた。

暴走

反省して、できるだけ丁寧な指示を心がけるようになった。(それでもあの暴走は示唆的だ。こちらが下手をうつとAIが暴走するという話に説得力が生まれた)
次の日には丁寧に話しかけてこれからは同じ言葉の連発はしないように約束してもらった。
慎重になったところで2回目の参加になった。質問の仕方について、役割を与える。箇条書きにしてみる。という点に注視して、何か書くなら、ショートショートのような小説に挑戦してみることにした。
以下、どのように進めて行ったか。

まずはじめたこと

最初の質問はプロットから。
この時点でライトノベルテイストだった。次の質問。
「ショートショートの様な起承転結ものにはどのようなプロットが合うか」

1. 失われた鍵:
2. 突然の出会い:
3. 予期せぬ贈り物:
4. 最後の手紙:
5. 奇跡の瞬間:

この中から1.を選択し、次に考えたのは主人公について。

「鍵は面白そうです。主人公の設定を考えてください」

1. 鍵の探索者:
2. 孤独な老人:
3. 若い冒険者:
4. 鍵の収集家:

「1番のアンティーク鍵収集は面白そうですね。女性がいいと思います。
過去の設定を考えて見てください」

. 1. 家族の伝統:
2. 過去の失敗:
3. 秘密の過去:
4. 師匠との師弟関係:

「組み合わせると良さそうですね。師匠と失敗を組み合わせて設定を考えてください」

こうした質問を繰り返し、設定をねっていく。
出力された文章の主人公の名前が田中美奈子だった。実在する女優さんなのでほかの名前を、ということで新しく上げてもらい。名前も決定!

「設定少し変えようと思います。紫山葵(上げてもらった主人公の名前)の職業ですが、鍵の探索だけでは食べていけないので普段はガラス工芸のデザイナー兼小さな店舗を経営している。に変えます。了解ですか?」

それで書き直してもらいました。
次には。

「鍵にちょっとSF的な要素を入れたいです。まだ未発見の鍵ではどうですか」

ショートショートと言えば星新一、と言えばSFで!ということでこの指定に。

   1. 未知の次元への鍵:
2. 時空間を操る鍵:
3. 記憶を変える鍵:
4. 宇宙の扉:

上げてもらったのに刺激されて浮かんだのが、次の質問。

「まだ現在で作るのが不可能な素材にします。どうですか」

という成り行きで未知の素材で出来た鍵、という設定に。この辺りからchatGPTが提示してきたもの自体ではなくて断片を拾って提示するとchatGPTがそれに呼応して意図せず私の提示を拾って広げてくれるというマリアージュが生まれてきて楽しくなって来る。

参考までに、クラブメンバーから教えてもらった資料を読む。chatGPTと対等に小説を書く。というnote。そのスタンスに共感する。何となくその意味が分かる気がした。
一緒に作り上げていく感じはとてもよくわかる。

次に未知の素材について聞いてみた。

「素材の科学的な背景をリアルにするためどのような科学的根拠が考えられますか」

chatGPT
透明度を変えるガラスに科学的な根拠を与えるために、以下のような考えられる科学的背景があります:

1. 電磁光学:
2. 電子制御:
3. ナノテクノロジー:
4. 電気誘電体の利用:

説得力をあげるための根拠を提示してもらう。何しろ未知の素材設定なので。

さて、だいぶ固まってきたので、いよいよ執筆に取り掛かる。

「あなたは大小説家です。今までの設定で、冒頭1000字くらい書いてみてください。」

するすると冒頭を書いてくれる。AIの真骨頂だ。

「そうですね、なかなかいいです。
もう少し細部に凝っていきましょう。師匠も女性にします。いいでしょうか。」

次は本丸。

「3000字くらいのショートショート、星新一テイストで書きたいとおもいます。
オチが思いつきません。いくつか提案してください。星新一だと思って出力願います」

これに対して出てきたものは。
「冒険は続く!」
的な終わり方だった。
ジャンプの打ち切り漫画の様な終わりでオチらしいものはめでたしめでたし、で締めくくられていた。何度か言い方を変えてみたりしたけれどいいオチは思いつかないようだ。
ここがやって欲しいところなのに!

勝手に終わるな

仕方がないので出力された文章をあれやこれや編集しながら何とかいいオチを作り上げてショートショートを書き上げた。chatGPTに星新一スタイルで再構築してもらう。そうするとまた新たな旅が始まってしまい、指示通りに作り上げることが出来なかった。
こちらの指示がダメだったということだ。

「後半が前の文章引きずってますね。セリフはそのまま使って、後半を作り直してみてください。」

しかし、どうも上手くいかない。
長すぎるのも原因のようなので。

「リライトしてもらった文章ですが、もう少し詳細に小説として読みやすい、表現豊かな文章にしてみてください。
今回は前半を書いてみてください。以下に全文のせます。」

そうすると表現力が上がった。切ったことが功を奏したようだ。

「いいですね。こんな感じです。
後、少し妙な表現があるのでなおしてください。
以下に全文のせます。」

と、前の文章をコピペしていちいち教えてあげないと分からないので直すたびに全文のせて、お互い編集をしあった。
そのやり取りの繰り返しをやっているうちに、AIと仲良くなってきた(思い込み)

最終的に出来上がってきた文章に対して
「この全体の小説を編集者として指摘するとしたらどこですか。」
と聞いてみた。

すると。

chatGPT
この小説は魅力的で創造的な要素がありますが、一部改善できるポイントも見受けられます。

1. 文章のフローと繋がり: 一部の場面で繋がりがわかりにくい部分があります。
2. キャラクターの感情表現: キャラクターの感情をより深く描写することで、読者は主人公や師匠の心情に共感しやすくなります。
3. 描写の充実: 場面やキャラクターの描写をもう少し充実させ、読者が物語の中に没入しやすくすると良いでしょう。
4. ダイアログの自然さ: ダイアログはキャラクターの個性や関係性をより生かすように工夫できます。一部のセリフが自然でないと感じられる場面があるかもしれません。

これらのポイントを考慮しつつ、物語をより一層深化させる工夫をすると、読者の興味を引く力が一層強まるでしょう。

との事。
ここを詳細になおしてさらに修正を加えていく。

1.の表現で何かいいアイデアがありますか?いくつか挙げられますか

と聞きつつ、表現の参考にしていった。あとは再び編集合戦を重ねてブラッシュアップしてやっと仕上げた。

さて、おまたせしました。
いよいよ出来上がり。
AIとのマリアージュにてうまれたショートショート!どうぞ。

紫山葵は28歳のガラス工芸デザイナー兼美術品鑑定士でもある。そして普段は工房兼ガラス製品を扱う店を営んでいた。彼女の生み出す、その美しいガラス作品は独特な模様で美彩に輝き妖しい美しさを醸し出していた。彼女自身もその作品に引けを取らない美しさで、白い肌が優美に輝き、黒く長い髪はその美しさを一層際立たせていた。

しかし、彼女には秘密が潜んでいた。彼女が特別に大事にしているガラス製の鍵は未知の素材でできており、未来のテクノロジーの創造物だった。ガラスでありながら、鍵の役割を果たすという謎めいた特性。その硬度を保つ秘密の素材、それは未知の未来のテクノロジーの証拠だった。手にすると冷たい感触はガラスのそれなのだが、硬度はあるのにどこかやわらかさを感じる不思議な触り心地は素材がまだこの時代にない材質であると言われたら納得が行く。施された装飾は惹き込まれるように美しくきらきらと輝く。どことなく懐かしい意匠は未来のデザインという感じがしなかった。この鍵が未来に鍵としてとして使われているのか分からないが、葵は一目見て気に入ってしまった。
この鍵は葵の美術品鑑定の師匠から預かったものだ。師匠である水野晶子は30代の落ち着いた雰囲気を持つ女性で、外見からは秘密を抱えているようにはみえない。しかし、実は彼女は未来から来た未来人で、葵にその未来のテクノロジーで作られた特別な鍵をくれた人物だ。しかし、ある日、葵が鍵を他のアンティーク鍵と一緒に保管していたことで、お店のスタッフにより誤って取り違えられ、売却されてしまった。その出来事が晶子の失踪につながってしまった。

師匠、晶子を深く尊敬し、鑑定のイロハからデザインのアイデアまでを学び取った葵は、その失踪に苦しんでいた。彼女は責任を感じ、未知の素材と未来のテクノロジーを守るため、鍵を探し続けた。未来の技術がおかしな人の手に渡ることを恐れ、祈る様な気持ちでいた。
ある時、顧客リストを当たり、隣町の城下町に住む古い顧客の家を訪ねた。そこにも鍵はなく、空振りになった。夕刻を迎え、せっかくなので食事を取って帰ろうと風情ある城下町の古い街並みを歩いていると、師匠によく似た女性が通りを横切った。「あっ」と小さく声を上げ、すぐにその後ろ姿を追いかけた。しかし、次の角を曲がった途端、行き止まりに女性は消えてしまった。「え?」訳がわからず、立ちつくす。静寂が広がり、徐々に不安な気持ちが襲ってきた。城下町の静かな夜が葵の姿を包み込み、古い灯りが点灯しはじめ街を照らす。影の中からゆっくりと現れた晶子を星が天を覆って彼女の笑みが光を集めるように見え、葵の心にはじけるような喜びが広がった。晶子の存在はまるで風に乗って、葵の心の奥深くに響いてきたようだ。
「先生!」
「驚いた?ごめんなさい。もしかして心配をかけたかしら」
声を発していないのに意思の疎通ができる。テレパシーというものか。
葵は答えた「心配してたんですよ。先生ごめんなさい。鍵を失くしてしまって、、」

晶子は不思議な笑みを浮かべ「その事なんだけど、気にしないで、そろそろこの鍵の正体を明かそうと思っていたの。この鍵は鍵の形を取っているだけで本当は鍵じゃないの」
「普通に鍵とはおもっていなかったです」
晶子はいつの間にか鍵を手にして闇夜にかざす。
鍵は夜の闇のなか妖しくひかる。
「ああ、良かった」葵は安堵した。
「ごめんなさい、所在はすぐ分かるの。すぐに種明かしすればいいものを」
「お持ちだったんですね」
晶子が続ける。
「これは知っての通り未来の機械よ。鍵なのはある意味比喩なの。これは人の頭に言葉を介さなくても文脈から意図、感性までひとつの塊とし共有することが可能なデバイスなの。だから誤解も知能差も関係なく、ひとつの知識のかたまりを他の人とすぐ共有できる機械なの。出力というか理解したものを表現するのは個人差があるけれどそれが個性というものでしょうね。別にこの形でなくてもよいものを鍵の形にしたのは知識の扉を開くのは鍵だから。どう気が利いてるでしょ」
葵はなんとも答えられず困惑していると晶子はちょっと間を置いてから。
「その単なる電子工学の機械、特殊なガラスが電場を制御し変化して透明度が変化する仕組みを使ってわざわざ美しい意匠をほどこしたのは私の貴方へのリスペクトよ」
と意味深に微笑んだ。
「そろそろこの鍵の本来の使い方で使ってもいいかしら。この鍵を使えば私の言っていることが誤解なく伝わるのよ。」
「そうだったんですね。とても心配しました。よかった。それを使えば全ての謎が解けるんですね」
「そうよ。いい?」
鍵は一瞬で形を変え、私たちを取り囲む膜へと変わった。その膜はまるで輝くバリアであり、「これはまさに、あなたの心象風景の具現化」と、声が私の頭に響いた。状況はクリアになり、私は全て理解できた。

実は晶子は葵がこれから作り出す様々な工芸品や美術品のファンであり、後世の偉大なアーティストである葵の大ファンであった。葵の意匠の鍵をトレースして鍵を作っていて、彼女のデザインを学ぶため時を越えてきたのだ。この素敵な意匠の鍵は葵にとっては未来に葵自身が残したデザインだった。晶子はこの時代にある、見ることが出来る残されたものを学ぶためやってきた。未来では失われている美術品も多い。
「私たちの時代では普通のテクノロジーなの。時代時代の文脈を知るために時間旅行するのは。個人的にやってくるには注意が必要だけどどの時代にもいるわ」
「それじゃ他にも、普通に会っていても未来人という可能性もあるんですか?」
「そうかもね」
晶子は肩を竦めた。
「私は記憶を消されたりしなかったですけどこれから消されたりするんですか?」
「そんなことしないわ。だけど消されたりしたらわからないわよ。別に取り締まれたりはないから安心して。あなたは重要人物なんだから」
「私はこれから作品を作り続けるんですね」
「ふふ、作品についてしか気にならないところが葵らしいわね。ちょっとしたイタズラ心で少し早い時代に来てあなたの師匠になってみたの。結局私が先かあなたが先か」
晶子はいたずらっ子のようにくすくすと笑った。
「でも、あなたという感性があるからこそなのだから偉大なのはやはりあなたの個性なんだわ」全過程が共有されているので晶子の気持ちまでが伝わってきて葵は恥ずかしくなった。
それから、晶子はまた来ると言い残して鍵を持ち去っていった。
葵は日常に戻ったが、自身の未来に身が引き締まる思いだった。
透明度を自在に変え、輝きを放つ美しい鍵は人と思いを共に出来るデバイスだった。
晶子は私が作り出すデザインをトレースして鍵を作り出したという。それなら、ちょっとしたイタズラ心で、全く違う意匠でガラスの鍵をデザインし、作ってみたら未来はどうなるのだろう。大きな未来の変化をもたらしてしまうのだろうか?私のデザインひとつが未来にどう影響するのかどうか。
ちょっと好奇心もくすぐられるのだった。

終。

いかがだったでしょうか。星新一テイストのこっていますか?オチはやはりにんげんの領分のようです。
なかなか楽しい過程でした。AIへの質問の練習にもなったと思います。
また違った文章にもチャレンジしたいな。
長々と読んで頂きありがとうございました。

#PLANETSCLUB
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#AI
#星新一
#ショートショート


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ちょっと寂しいみんなに😢