【研修医・専攻医向け】オンラインで医学が学べるサイトの紹介

こんにちは!内科専攻医をしております、わんと申します。

研修医や専攻医のうちは分からないことだらけで、日々勉強が必要かと思います。教科書を使って勉強することが多いと思いますが、医師になってからの勉強において教科書を読むことは必ずしも効率の良い方法ではありません。例えば、CT画像の勉強は教科書上の切り抜き写真1枚を見るよりも、実際に何百枚もの画像が繋がった、実際のCT画像を見れるサイトで勉強した方がより身につきます。
また、深く学ぶには良い教科書もありますが、活字をずっと読んでいても集中力が続かなかったり、頭に入りにくいことがありあます。その時はネット上のビデオ講座等を活用した方が効率的かもしれません。また医学書は高く、教科書代はかなりの金額になりますし、買ってみて微妙な内容だったら最悪です。一方オンラインのコンテンツは無料だったり、書籍よりは安価な傾向にあるので、書籍よりは経済的です🙆

そこで、この記事では教科書を買わずに、オンラインで勉強するためのサイトを紹介していきます。
(とはいえ、教科書の方が優れている分野や教科書と組み合わせた方が良いコンテンツもあるので、教科書も紹介します笑)

まずはおすすめのツールの一覧です
【1位】 Espresso 救急画像診断 (画像読影)
【2位】 IDATEN (感染症 メルマガ)
【3位】Antaa (スライド共有サイト)
【4位】CareNetTV(動画サイト)


【1位】 Espresso 救急画像診断(画像読影)

こちらは私が研修医時代最も勉強したサイト、『Espresso救急画像診断』です。
このサイトの強みは何といっても、病院の電子カルテのようにスクロールできるCT画像、MRI画像、MRA画像等で勉強できる点です。そして解説が死ぬほど丁寧😭
画像系の教科書は多数ありますが、どれも1症例につき3〜4枚程度の画像が載ってるに過ぎません。実臨床では1症例につき300枚程度のスライスの中から病変となる部位、臓器を探さなければいけないので、書籍での練習では不十分です。こちらのサイトで実践的なCT、MRI等の読影力をつけましょう!

メインのコンテンツは頭部、顔面、胸部、等と分かれており、3日に1度メルマガ形式で問題が送られてきて、回答すると解説が読めるスタイルです。予備校のように受講期間が決まっており、決まった期間に回答しなければいけないので、先延ばしにしてしまいがちな人も続けやすいのがgoodです👍
問題が本当に秀逸な問題ばかりで、特に腹部画像は急外で見る頻度の高い疾患が多く、本当に実践的です。私の研修医時代のCT読影の恩師はこのサイトと言っても過言ではありません。
こちらの救急画像診断は有料ですが、下記の無料講座もあります。

腹部画像診断、MRA解剖講座、こそレン(レントゲン正常解剖)の3つです。こちらも全て魅力的なコンテンツになっており、腹部画像は少しヘビーですが研修医レベルでは知らない人も多いような差がつく知識が多く学べます。MRA解剖講座をやれば、脳血管の構造は完璧に理解できます。こそレンは全ての研修医1年目に学んで欲しい基本的なレントゲンの知識で、レントゲンに対する苦手意識が消えます。

医学系の学習サイトでこんなに魅力的なサイトは無いんじゃないかと思います。かなりボリュームもあり、全てやりとげるのは大変ですが、本当に実力が伸びるサイトなので是非やってみてください!

また、『Espresso救急画像診断』はかなり実践的な反面、いきなりやると少し高度な内容も多いので、参考書で最低限の基本的な知識をつけてからの方が身につくかもしれません。

個人的には『胸部X線・CTの読み方やさしくやさしく教えます!』と『CT読影レポート、この画像どう書く?〜解剖・所見の基礎知識と、よくみる疾患のレポート記載例』がサクッと読める割に詳しい内容まで書いてあり非常に役立ちました。『Espresso救急画像診断』と並行して読み進めるのもアリだと思います。

他にも『レジデントのための腹部画像教室』、『やさしイイ胸部画像教室』等も本当に分かりやすく人気の参考書で是非読んで欲しいですが、こちらはそこそこヘビーで読むのも時間がかかります。筆者はこういった詳しい参考書を読むよりも、『Espresso救急画像診断』で実際のCTやMRIを読んだ方が早く実力がつくと思ってます。

【2位】 IDATEN (感染症 メルマガ)

こちらは日本感染症教育研究会のメルマガを中心とした教育コンテンツです。
利用法としてはまず、メルマガに加入すると様々な感染症の勉強会やレクチャーの情報が入ってくるので、そちらで興味があるコンテンツを利用できます。
そして最もおすすめなのが、『オンデマンドレクチャー』です

こちらのレクチャーでは日本を代表する感染症科医の非常にハイクオリティなレクチャーを非常に低価格で受けられます。(2023年は3000円で3ヶ月間受講可能)
大学受験で言うならば、たった3000円で東進ゼミナールの授業が受け放題、といった感じでしょうか。とにかくお得すぎます。
そして内容は各感染症の専門家がそれぞれ担当しており、非常に詳しい内容まで短時間で解説してくれます。断言します、研修医〜内科専攻医レベルの感染症の勉強はIDATENのレクチャーのみで十分です。
一般的な肺炎、尿路感染、皮膚軟部組織…等といった内容だけでなく、小児感染症や抗酸菌、悪性腫瘍に関連する感染症等非常に面白いテーマのレクチャーが揃っており、かなり網羅されています。
研修医の2年間、このIDATENのレクチャーを見ましたが、その時に作ったメモだけで感染症の知識は今のところほとんどカバーできています。

特に今年度のオンデマンドレクチャーのチケット購入は12月24日までのようなので、購入を検討してみてください。

また、IDATENレクチャーはこれだけ魅力的ですが、何だかんだで感染症は参考書も読んだ方が実力がつくと思います笑
岡 秀昭先生の『感染症プラチナマニュアル』を医局に置いとけばある程度の問題は解決できますし、通して読むならまずは『絶対わかる抗菌薬はじめの一歩』で基礎を固め、次に岩田 健太郎先生の『抗菌薬の考え方, 使い方』を読めばだいぶ実力がつくので、IDATENセミナーと両方やれば鬼に金棒です👹

【3位】Antaa (スライド共有サイト)

こちらは言わずと知れた大手スライド共有サイトです。参考書を通して読むのは大変な時にAntaaでササっと知識を確認できると非常に効率よく仕事が進みます。

中でも私のおすすめのスライドは,
ERでの非専門医のためのけいれん・てんかん診療ストラテジー』『5分で学べる「リフィーディング症候群」』『健康診断で要精査 脂質異常症の対応方法』です。どれも非常に実践的な内容で明日からすぐ病棟で使えますし、簡潔ですぐに読めます。先週病棟でけいれんした患者さんがいた時もこちらのスライドを移動中に見て知識を確認してから診察したので、焦らずに対処できました。
ただし、注意点としてAntaaには質の低いスライドも多くあります。場合によっては内容が間違っていることもあるかもしれません。信頼できる専門家の医師の作ったスライドのみ見る、自分でも書いてある内容が正しいか確認するといった対策は必要かもしれません。

【4位】CareNetTV(動画サイト)

医療情報サイトCarenetが運営するビデオ講座のサイトで、月5000円という比較的安価な価格で利用できる研修医には必須のツールとなっています。
そしてものすごいのが、Carenetの株(2023年10月現在1単位83,000円)を買えば無料で利用できること。
以前書いたnoteでおすすめの動画等を記載したので是非見てみてください😊


その他おすすめ

ここまで書いた4つが【強く推奨するサイト】ですが、それ以外にもおすすめのサイト、youtube動画等があるので紹介していきます。

獨協医科大学総合診療科のyoutubeチャンネル

『即戦力カンファレンス』という獨協医科大学内の勉強会の動画を載せてくれているようです。掲載されている動画の数は多く無いですが以下の救急外来の実践ポイントの動画等、非常に勉強になるコンテンツがあります。もっと動画をたくさん載せて欲しいです…笑


急性腹症のCT演習問題

こちらはかなり有名ですが、腹部CTの問題がえぐい数載ってるサイトです。全部やればとんでもない実力がつくと思いますが、かなりヘビーです…

胸部単純写真読影トレーニング 新キナシ100

こちらはレントゲンの読影練習問題が大量に載ってるサイト。とにかく解説が丁寧で、正常画像も混じってるのがとても実践的でgoodです。

心電図マイスターチャンネル

おそらくyoutube上の心電図動画では最もポピュラーなチャンネル。とにかくコンテンツが大量にあるので、気になった分野だけでも見てみると良いと思います😊


最後に

色々と勉強に役立つサイトを紹介してみました。参考書、オンラインどちらにもそれぞれの強み、弱みがありますので、自分の好み、必要な情報に応じて使い分ければより実力がつくと思います。
きっと筆者が知らない魅力的なサイトも数多くあると思うので、皆さんのおすすめのサイトがあれば是非コメント欄でシェアしてもらえると嬉しいです😊


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