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路上寝ダメ、絶対。 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(22)

沖縄の社会問題のひとつに「路上寝」があります。聞きなれないと「は?」と思うかもしれません。これは、飲酒をしたあとに道端で寝てしまう習慣をいいます。……ちょっと何言ってるかわからない?  そうですよね。今日は観光客や移住組には縁のなさそうな「路上寝」の話です。

温暖な気候の沖縄では外で寝入って風邪を引く心配が少ないからか、タクシーや運転代行で帰るのを難儀がって(はっ、方言だ。難儀がる=面倒くさがる)、朝まで路上で寝明かす人があとをたたないのです。車道で寝入っていたところを車に轢かれるという痛ましい事故もしばしば報道されます。何も車道で……と思ってしまいますが。

知人のとある県人男性は「俺は流石に路上寝はしないけど、聞くところによると酒で火照った身体にコンクリートの冷たさが気持ちいいらしいよ」と話しており、なるほどねー、、、ってなるか! なんじゃそりゃ!

以下のURLはうるま市警察署の協議会議事録ですが、暴走行為や動物虐待の議案を差し置いて(?)、路上寝行為がメインの議題になっていることにたまげます。令和の、世ですよ。。。 

路上寝に対する警察の対応について、以下引用ですが、

先ず、路上で寝る者の身体の安全確認を行い、自力で起きられる場合は、帰宅を促している。しかし、泥酔して自ら帰宅できない者については、パトカーで自宅まで搬送し、家族等へ引き継ぐなどの 対応を行っている。また、路上で寝る者に対しては、警告書を交付している。

お巡りさん、めっちゃ仕事している……というか、もはや酔っ払いの介抱であって、仕事と言っていいのだろうか、これ?

石川でも路上寝を見かけたことがあります。飲み歩きの日は、基本シンデレラボーイを貫いて早めに帰宅するのは以前に書いた通りなのですが、一度土曜の夜にバーで飲み過ぎてしまい、深夜2時だか3時だかにお開きになって帰る夜がありました。

一緒に店を出た常連さんとタクシーを拾おうと通りを歩いていると、歩道の道端の陰に倒れている中年男性がいるではありませんか! 変な話、最初は「怪我? 死体?」などと勘違いしてギョッとしてしまい、一瞬で酔いが覚めました。

しかし一緒にいた常連さんは「あー路上寝だね。まあ車に轢かれるような場所じゃないから大丈夫なはずよ」と意に介さない様子。確かに恐る恐る近づくとグーグーいびきをかいているのが聞こえてきます。

飲み過ぎた頭で「え、ほっといていいの? てか財布とか取られないの? え?」と動揺する僕を先にタクシーに乗せ、常連さんは「お疲れーまた遊ぼうねー」と見送ってくれたのでした。


飲酒絡みで決して許されざる社会問題である飲酒運転についても、沖縄は都道府県別ワースト1位の常連組という不名誉な状態にあります。(交通事故に占める飲酒運転の比率は1990年から2016年まで27年連続で全国ワースト、2017、2018年にワーストを脱するも、2019年ワースト、2020年は脱ワースト)

飲酒運転に比べれば路上寝は、温暖な気候、温かくのどかな人々、沖縄の平和を象徴しているといえなくもない気もしますが、実際に目にして思ったのは、酒飲んで道端で寝るって、ただ迷惑行為だな……ということ。

なお、先ほど路上寝について語ってくれた知人男性は「俺は路上寝はしない。車の中で寝るから、車の後部座席で横になれるように整備して、髭剃りとかも車内に常備している」と得意気に語っていました。今思うに、コロナ禍で一部男性に流行る「車中泊」を先取りしているような未来に生きてるぜ感もあります。

ただし、これも飲酒量と睡眠時間によってはアルコールが抜け切れず、朝運転して帰ろうとすると酒気帯び運転や飲酒運転となる可能性があります。そのため基本的にはお酒を飲んだ日は、車を置いてタクシーで帰宅し翌日酒が抜けてから取りに行くか、運転代行を使うのが安全で望ましいです。

真面目か!!  これを読んでいる方には無縁そうな内容になってしまいましたが、沖縄でびっくりした文化・風習のひとつということで謎の啓蒙(誰に?)記事になりました。また次回。

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