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10 - 別の星・1

思いもかけないチョコの乱入により、私たちは浮き足立っていました。今日は、つゆみおばちゃんの疑問が解けるだけで大満足、というはずだったのに、とんでもないことになったぞと、ワクワクしていました。


それと同時に、繰り広げられる話があまりに突拍子もないために、私はうまく消化できていない状態でもありました。でも、理屈や道理では通らない、摩訶不思議なことが実際に起きている、ということは、まだ止まらない涙でわかっていました。


初めて会う犬に、自分の過去生だけでなく、今生の使命や、幸せになる方法を教えてもらうなんて、一体誰が想像できたでしょうか。チョコは、私に関する大切なことは、まるでなんでも知っているかのようでした。


私は、言われたことのひとつひとつを反芻しながら、頭を整理するために聞いてみました。


「伝えるって。。。宇宙の仲間へのレポートっていうのは、どうしたらいいんでしょうね?」


すると、優しく千華さんが答えてくれました。


「訪ねた場所で真由さんが見て感じたことを、文章でも写真でもイラストでもいいので、形にしてネットで紹介して下さい。地球人に向けてじゃなくて、それだけで宇宙にいる仲間にレポートすることになりますから。」


もう少し具体的に知りたくて、私はさらに聞いてみました。
「今年の夏に、北海道へ旅行をしたんです。そんな風に、あちこちへ旅に出て、写真を撮って、時々ブログに上げているのですけど、そういうことでいいのかな?」


「はい、そうです。とにかく楽しみながら『共有する』ことが、真由さんの使命だって言ってますから、チョコちゃんは。」


使命とは、千華さんやチョコの言葉を借りると、今生に生まれてくる前に、自分が自分に約束してきた、一生をかけて成し遂げること、のようです。


確かに、私は子供の頃からあちこちへ出かける機会に恵まれていました。大人になってからも、各地を訪れては、美味しいものを食べたり、美しい景色を眺めては、写真に収めるのが大好きでした。


その放浪癖を知っているつゆみおばちゃんとメグは、チョコの言葉を聞くなり、「だからなのね。。。真由ちゃんが昔からあちこちへ行くのは、必然だったのね。」と頷きながら、感心していました。


そんな風に興奮冷めやらぬまま話をしていると、またしてもチョコがウォンウォンと千華さんに走り寄りました。


「またぁ、チョコ!今度はなんなの?」


おばちゃんは半ば呆れてチョコをたしなめようとしますが、チョコは負けじと一生懸命に声を張り上げて鳴いています。


ウォンウォンという声に、千華さんが静かに耳を傾けながら、じっと真っ直ぐにチョコの目を覗き込んでいました。


暫くすると言いたいことを伝え終えて気が済んだのか、チョコはウォフと小さく呟いて、その場に座り込みました。


すると、ちょっとして千華さんはチョコを見つめながら口を開きました。


つづく。

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