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フリーランスから正社員転職希望が増えているものの、難航傾向

エンジニアバブルが収束し、エンジニアの数を追う組織作りをする企業が減ってきました。年が明け、案件が決まらないこともあって正社員も見ている方によくお会いするようになりました。

正社員になること自体は良いと思うのですが、面接に際しての突っ込みどころが多いので今回取り上げていきたいと思います。望ましい回答をここで実施してしまうと完コピされてしまうので避けますが、是非ご一読の上、ご一考ください。フリーランスに限らず、これまで接してこられた情報によっては下記のような面接をしてしまっている方は居られますので、そちらの場合もぜひお読みください。

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2021年と2024年 正社員転職の比較

2021年にも下記の記事を書いたのですが、どちらかというと案件が不足してなっていたというよりは、労働条件がスタートアップを中心に良好で、採用ハードルも低かったために起きた減少でした。

2024年現在は案件不足をトリガにしたようなキャリアチェンジが見られるため、やや事情は変わっています。

伝統的な業務委託では、自社の給与制度に収まり切らないが自社に貢献したいスペシャリストを指していました。

それがエンジニア採用難を経てキャズム超えし、フリーランスブームと合間って社会に拡がって行きました。エンジニアバブル下ではジュニア層であっても短期であれば入場可能でした。また、企業としても解雇しにくい日本の法律にあって、開発コストの調整弁としてポジティブに活用してきた背景があります。

これらの結果、現在のフリーランスは下図を合わせるための傭兵のような側面が出来上がりました。スペシャリストの人も居ますが、非正規雇用のようなマインドの方も多く見られるようになりました。

フリーランスから正社員を目指す方の、面接アンチパターン

フリーランスであるが故に、陥りがちな面接でのアンチパターンについてお話していきます。

事業貢献に興味がなく、利己的な観点しか持ち合わせていない

フリーランスの方々にとって長らく案件を受注し、確保工数ベースで精算を続けると、何を何のために取り組むかではなく、割に合う案件を追い求めるようになります。美味しい案件は早々存在しないため、単価の良い案件を求めることからスキルアップしたいとなります。

正社員面接の場でも、転職軸が「スキルアップしたい」となりがちです。これは利己的な意見として捉えられます。そしてその利己性が最も現れるものが次のものになります。

将来のキャリアイメージが「再度独立」

程なくして居なくなる前提で転職活動をされています。

日本の法律では解雇しにくいため、良心のある企業ではいかに長く働いて貰うかということを前提に採用します。特に採用コストが高まっている現状では1年おきに転職しているジョブホッパーや、面接での言動、および各社のこれまでの経験から短期離職するであろう人材は採用コスト分だけマイナスになるため避けられる傾向にあります。

「会社は学校じゃない」という話が数年前に炎上しました。主に社員の学びや、 リスキリング文脈で学びの場を提供しない企業のスタンスが問題だという文脈で非難されていました。

ただ、ジュニア層面接を繰り返していると見えてくることとしては「将来のコア人材であれば教育は惜しまないが、卒業という名の転職を前提として学びの場を求めているフリーライダーは確かに存在しており、そうした人達には『会社は学校じゃない』とお伝えしたい」と感じます。

タスク分解してかみ砕いた状態でないと動けない

手がけて来られたサービスが大きかろうと小さかろうと、噛み砕かれた状態でないと行動に移せない方が経験年数を問わずみられます。当該業務に特化しているというと聞こえは良いのですが、顧客ヒアリングや発注者とのディスカッションがないという点では生成AIへのリプレイスリスクが高いです。

育成観点から年齢が若い層であれば受けいられますが、フリーランス単価をベースに希望給与を出すと相場以上に高いことも多いです。高額な希望給与的にはマネージメント経験を求めたいところですが、経験がメンバー層に留まっているため内定からは遠い印象です。

地方移住もあり、出社することについてネガティブ

コロナ禍では新しい働き方として拡がったリモートワーク。下記の日経新聞にもありますが「世界的に金余りの状態になった」ために投資が進みました。そのお金の循環の過程でエンジニア確保にもお金が回り、一時的にバブル状態になったと解釈しています。

エンジニアを確保するために各社が譲歩していった結果、ウィルスの状況も踏まえてフルリモートが導入されました。フリーランスの観点では、フルリモートによって掛け持ちが容易となった(複業)他、ライフコストの低い地方移住も進んだようです。現在では募集をかけるとまず来ないだろうなと思われるような遠方や、「1時間以内なら出社可」と書いてあるものの住所が地方(しかし応募は都内企業であるため、暗に出社は絶対しないと言っている)というパターンもあります。オフライン出社への回帰が進む中、不利な展開と言わざるを得ません。

東京都 産業労働局雇用就業部労働環境課
テレワーク実施率調査結果 11月

エージェントも介在価値としてマインドセットしたらどうだろうか?

こうしたフリーランスから正社員へのキャリアチェンジを模索されている方の多くは、人材紹介免許も持っているフリーランスエージェントで動いていることが多いです。

人材紹介フィーは相場並みに取っているので、介在価値として正社員向けマインドセットもした方が良いと考えて居ます。上部だけの面接練習ではなく、マインドセットであることが重要です。

こんな世界に誰がした?

これまでこのnoteでも多く取り上げてきましたが、プログラミングスクール、情報商材の類が発信源と思われます。正社員エンジニアとしての転職は内定をもらう必要があるため保証しかねることから、開業届を出せばよい誰でもなれるフリーランスを推奨しつつ、「自由な働き方ができる」として美化していきました。

噂には聞いていましたが、先日お会いした方は「新卒フリーランス」(学校卒業後、即時フリーランス)という方でした。これが情報系の学生で、在学中からフリーランスをしているような方であれば、スモビジの一種なので自己責任で良いと思いますし、昔から居ました。しかしここで問題となるのはフリーランスになるためのスクールに在学中から通い、新卒カードを捨てて未経験からフリーランスになる世界でした。そのスクールは何社も正社員転職されたりCTOをされたり顧問をされた方が監修されており、何をどうした着地なのかなと疑問に思うばかりです。何度でもお伝えしますが、他人のキャリアで遊ばないで頂きたい。

進んでお金を払ってまでフリーターのようなフリーランスになるのであれば、正社員として社会人教育を受けたほうがベースは整います。第二新卒は「社会人経験」がプラス要素です。未経験からフリーターのようなフリーランスをするより、生涯賃金は手堅い方が多いでしょう。

景気的に明るい話が少ないため、ジュニア層界隈の動きは注視しています。手堅いキャリアを戦略的に歩める方が一人でも増えることを願うばかりです。


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