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私は貴方の、鑑

ふと、ムーミンに鏡の世界に引き込まれるお話がある。
それが怖くてその夜は、全てが逆で反転の世界。母の、背中に一晩潜り込んでいた。

それがずっと心に残っている。どうして?と考えても答えは出ない。
それはなんとなく同じ世界のようで、実は違う。
その違和感がとてつもなくゾクゾクとする。

そのうちに忘れてしまうかなと思っても
それは蜃気楼のようにぼんやりと姿を現す。

「それはもう一人の自身のことだよ」
そうなのかな?そうなのかな?そういう簡単なものかな。

私は苦手な人がある。不遜で、傍若無人他者の心をぐしゃぐしゃにしていく。
その正義はどんなに不誠実であれ正義がある。

それは言い訳かもしれないし、とんでもかもしれない。

ふと私は気付いた。それは深い深い奥底で燻っていた歪んだ憧れではなかったか。
本当は残酷で人を人を踏みつける。
「貴方は私の鑑」
光と闇。交差する境界線。
それは、曲がりなりにも貴方自身。どんなに薄ら笑いを浮かべたもう一つの顔が
張り付いていても、私は祈りの光にいる。

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