いままでのこと⑤手術決定!

ひょんなことから発覚した肺がん。
進行も早い傾向にあるから、なるべく早く手術をしたほうがいいと、お医者さんから診断されました。

生命に関わる大きな病気。
当時のわたしは「怖い」という気持ちももちろんあったと思うんですが、それ以上に「絶対に大丈夫」という根拠のない自信をなぜか持っていました。
なんでそう思えたのかは、今思い返しても本当に謎です。

そんな根拠のない自信とともに、すごく強く思っていたことがありました。

「このまま死ぬわけにはいかない。だってわたし、まだなにもやっていない。元気になったらやりたいことやるんだから!」

そして手術の日程を決める際、先生にひとつだけ確認したことがありました。

「4月26日(手術予定日の1ヶ月ちょっと後)に、どうしても外せない仕事がありまして、、、身体動かさないといけなかったりもする仕事なのですが、手術後の身体の回復具合って間に合いますかね?」

先生に確認する手前、「どうしても外せない仕事」と言ったのですが、、、
実はこれ、当時すごく大好きだったバンド「FUNKIST」のワンマンライブの開催日。

「どうしても外せない仕事」≠「どうしても行きたいライブ」

とにかく、この日のライブにどうしても行きたかったんです。
椅子席ではなく、ちゃんと立ち見で、手拍子や飛び跳ねたりしてライブを楽しみたかったんです。

こうしてわたしの手術後、最初の目標は、FUNKISTのワンマンライブとなりました。

手術前の検査や体調管理などのため、手術の一週間前から入院していたのですが、一日だけ外泊許可をとってFUNKISTのライブを見に行きました。
いつもFUNKISTのライブを一緒に観に行っている友だちには病気のこと話していたので、その日は一緒に泊まって、楽しいことを語り明かしました。

そうして迎えた手術前夜。
流石にやっぱり、なかなか眠れませんでした。

手術してみないと、どこまでどう切除するかわからない。
どこまで切除するかによって、肺活量がどこまで戻るのかもわからないから、今まで通りの生活はできなくなってしまうかもしれない。
手術したからといって、治るとも限らない。

そんな不安も湧き出てきた一方、自分のなかの「がん細胞」に申し訳ないなぁという気持ちも湧いてきました。

わたしは基本、忙しく仕事するのが大好きで、でもそのぶん身体に相当ムリをさせ続けてきたんだよなぁ。。。
「がん細胞」って元々はわたしの中の正常な細胞だったのに、わたしが体を酷使しすぎちゃったせいで「がん細胞」に変えちゃったんだよなぁ。
そう考えると「がん細胞」は悪者なんかじゃなくて、ある意味被害者だよね。
本当にごめんね。
これからはちゃんと大切にするから、お願いだからちょっとでもいいから腫瘍小さくなっておくれー。

って、ベッドの中でひたすら思い続けていました。
そして、

今は死ぬわけには行かないんだ。
今死んじゃったら、わたしは何のために生きてきたのかわからない。
やりたいこと、なんにもやってない。
元気になったら、やりたいことをやる!
まずはとにかく、手術後のFUNKISTライブに行くんだ!!!

と思いながら、処方された睡眠導入剤が効いてきて、いつの間にか眠っていました。

つづく。


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