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クラシックコンサート、右から見るか? 左から見るか?

みなさん、こんにちは。真木彩花の「あこがれ⭐︎クラシック」本日はツイッターからnoteに出張です。

本日のテーマは、クラシック初心者の誰もが行き当たる問題、「結局どの座席が一番良い席なのか?」についてお送りしたいと思います。

グーグルで記事を検索すると、「音のバランスが良い真ん中の席が良いでしょう」「2階席の下は音が響かないので避けた方が良いでしょう」などのアドバイスが並んでいます。

確かに、満遍なく舞台を見渡せるのはホールの真ん中の席だと思います。では、運悪く端っこの席しか取れなかった場合、「同じS(A)席なのに損した!」ということになるのでしょうか?

結論から言うと「そんな事はない」というのが私の意見です。
恐らくですが、クラシックコンサートの良席は
「演目と、何を見たいかによって決まる」
のではないかと思うのです。

たとえばこの私、真木彩花は、オーケストラ演奏の中でもヴァイオリンソロが大の大好物なので、首席ヴァイオリニストが見える席が私にとっての良席となります。

客席右から見た場合

先日観に行った、兵庫芸術文化センター管弦楽団第140回定期演奏会ではこの席でした。交響詩「ツァラストゥトラはかく語りき」では、アントン・バラコフスキーさんのヴァイオリンソロが至近距離で見られて最高でした。ドヴォルザーク「チェロ協奏曲」では、指揮者の左側で演奏するチェロのソリスト、カミーユ・トマさんの表情も、指揮者の準・メルクルさんの勇姿もバッチリ見えて、本当にいい席が取れたものだと大満足でした。

しかし! 前の方の席だったので、演奏者の足元が私の頭くらいの位置になり、ヴィオラ奏者の後ろにいる木管・金管奏者がぜんぜん見えなかったのです。
「チェロ協奏曲」では木管とチェロの掛け合いが見どころなので、木管が見えなかったのは残念でした。

よって良席は、「演目と、どの奏者のどこを見たいのか」によって決まると言えるのではないでしょうか。
たとえば演目がピアノ協奏曲だったとすると、ピアニストは客席から見て右に向いて演奏するので、ピアニストの手元が見たい人は左上から、お顔が見たい人は右から見るのが良いということになります。

しかし、演目やソリストが多種多様だった場合、曲ごとにオーケストラの編成が変わりオケの皆さんの席替えがあります。つまり、見え方は同じ席でも曲ごとに変わるということになります。

そうなると、自分がとった席がいい席かどうかは、当日になってみないと分からないとも言えそうです。
実際、私の席はコントラバスの目の前だったのですが、「ツァラストゥトラはかく語りき」の冒頭や終盤で活躍していることが目で見て初めて分かりました。

よって、仮に当初のもくろみが外れたとしても、意外な出会いや発見がどの席にも用意されているのではないかと思うのです。

なので、どの席が良い席なのかを過度に気にする必要はなく、「とった席が良い席なのだ」というくらいの気持ちで構えている方が、よりコンサートを楽しめるのではないかと思った次第です。

#クラシック音楽

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