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”平山病”奮闘記【10万人1人の難病】1/4

皆さんは“平山病“という病気をご存知ですか?
初めて聞く方も多いのではないでしょうか。

平山病(ひらやまびょう)、これは10万人に1人の極めて低い確率で発症する病気で、未だに医学的な治療法が見つかっていない難病の1つです。

実は夫がこの病気を患っています。

皆さんは10万人に1人の確立で発症する病名の告知をされたら、どうしますか?

まず不安になって病気のことを色々と調べるでしょう。
夫も私もそうでした。

でも、この情報化社会の中、有用な情報が全く得られなかったのです。
不安で不安でたまらなかった。

きっと、こんな思いをしている人が他にもたくさんいる、同じような不安を抱えている皆さんにこれまで体験してきたことを伝えたい、という夫の想いを私がこの場を借りてお伝えする運びとなりました。
(夫は文章を書くのが苦手なので私がヒアリングしてまとめています)

これから4回に分けて“平山病”についてお伝えしていきたいと思います。
皆さんどうぞお付き合いいただけますと幸いです。

”平山病”発症

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高校1年生の時、右手に違和感を感じるようになってきた。

小学生の頃からずっと野球一筋だった夫。
野球をしているとき、何だか右手に力が入らない感じで、スムーズにボールを握ることができなくなった。

最初はあまり気にしていなかったが、寒い時期になったら手が硬直するようになり、次第に右腕に少し痛みを感じるようになってきた。


不安になって両親に相談すると、
“気のせいじゃないのか?“
と、軽くあしらわれた

普段から自分の想いを伝えるのが苦手だった。
このことを相談するにもかなりの勇気がいったのに軽くあしらわれたのだ。

この時期は、父も母も仕事がとても忙しく、かまっていられないという雰囲気だった。

“真剣に相談しているのに心配してくれないんだ…”
と、とても悲しい気持ちになり、初めて両親と本気の喧嘩をした。

その結果、念のため病院に行ってみよう、ということになった。

近くの整形外科に行き、検査入院。
色々と調べたが、原因がわからなかった

紹介状をもらい、沖縄県で唯一の大学病院である琉球大学病院を受診。

琉大病院でも最初は原因が分からなくて何度か病院に通った。

そしてやっと
”平山病”だと告知された。

なにその病気??

平山病(ひらやまびょう)
別名、若年性一側上肢筋萎縮症(じゃくねんせいいっそくじょうしきんいしゅくしょう)ともいい、首を前屈させることによって首の骨により脊髄が圧迫され、主に尺骨神経の支配する筋線維の破壊をしながら次第に筋萎縮と筋力低下が進行していく病気である。発症年齢は16歳くらいが多く、20歳程度で進行は止まることが多い。

ようは、筋力が次第に衰えていく病気だ。
色々調べてみると症状は様々だが、発症から少しずつ筋力が衰え、ひどい方だと握力が0まで落ちる。
筋力がどこまで落ちるのかは正直分からないそうだ。

手術するかどうかの判断を迫られる

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先生からは、
手術しても現時点では治療法が見つかっていないため、治すことはできない。
よって、正常の人のような筋力に戻ることはない。
(※脊椎の手術のため、手術はそれなりのリスクを伴う。)

平山病は若年性の病気の為、16歳~20歳で進行が止まることが多く、進行が止まった時点での筋力はキープされるようだ。
そのため、現状の筋力があれば日常生活は問題ない。

”良くもならなければ、悪くもならない”

と言われた。

出した答えは、
「手術をしない」という選択。

両親は自分自身で決めなさい、と言った。
この時高校1年生。
もう両親と喧嘩するのも嫌、あまり深く考えず、安易な決断を下した。

“治らないのであれば別に手術をする必要はない、今の筋力位あれば生きていける。”

だが、平山病は少しずつ進行していた。

20代 平穏な日々

手術をしないのであれば、通院しなければいけなかった。
けれど、大学でも野球はできていたし、日常生活も特に問題もなく過ごせていたので自然と通院しなくなっていった。

寒い時には書き物ができなかったり、筋トレしてもやはり右腕には筋肉が付かなかった。
このころから右と左の筋力の差が見て分かるようになってきた。

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左より右の手の方が細いのが分かる。
※この状態で進行はストップしている。

そして右の手は指が硬直した状態から元に戻らないため、真っすぐに伸ばすことができない。

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これが平山病の特徴だ。
先にも述べた通り、進行状況によっては急激に筋力が衰え、握力が0になることもあるようだ。夫はまだましな方なのだ。

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それでも日常生活は問題なく送ることができていたので、平山病のことはもうあまり考えたことがなかった。


まさかこの時“平山病”の手術をすることになるとは全く想像もしていなかった…

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今日はここまでです。
長文お読みいただきありがとうございます。

***追記***
今、夫はLINEグループを作り、平山病と闘う皆さんと日々やりとりをしています。

・10代の頃に手術をした方
・30歳を過ぎてから手術をした方(前方手術、後方手術)
・これから手術を予定している方

皆さん様々です。
手術後の状態、術式の違いや日々の痛みとの付き合い方など、様々な情報交換をしているようです。
お気軽にご連絡ください。

夫へのコンタクトはこちらのLINEからお願いします。

平良 淳(たいら じゅん)
https://line.me/ti/p/uay9tB8HWg

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