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「たった一人の熱狂」を読んで奮い立った

「ずっと主観で生きているから、見城徹は丸くならない」
客観が正しくて、正論で人を殴り合う現代において、自分のポジションを、(ある意味で自己中心的な)態度を取れる人は強い。かっこいい。
君がなんとなく生きた今日は、昨日死んで行った人たちがどうしても生きたかった大切な明日だ
良い言葉だ

冒頭は私のXで書いている、「たった一人の熱狂」を読んだときの呟きだ。

見城徹は幻冬舎の創業者で、彼の755での質問の回答をまとめて書籍にしたものだ。2015年に発行され、その後いくつか章が足されて、増補完全版として2016年に文庫化された。編集者の箕輪厚介の初書籍編集した本でもある。最近、箕輪厚介の「死ぬこと以外かすり傷」を読んで、その興奮が冷めやまぬうちにこの本を読んだ。

少し話は逸れるが、最近箕輪厚介の「かすり傷も痛かった」が発刊され、まだ読んでいないがフォーマットは30代半ばで気付いたことを死ぬこと以外かすり傷の内容にペンで修正して、書いてある。本人も言っていたが、実に自分勝手だと言える。自分がノリノリでやっているときは焚きつけるような文章を書いていたくせに、いざ自分が文春やら、年代を経て、もっと謙虚に生きなくちゃなとなれば、それらを覆す内容を書く。自分の興味あることか、時代のあだ花となるような事柄でないと編集しない彼のスタイルからすれば当たり前なのだが、それらに煽られる読者はもっと考える必要がある。実際、2018年に発行された死ぬこと以外かすり傷は現在140万部を突破しており、去年発行されたかすり傷も痛かったは14万部発行されている。昨今の出版不況の中ですごい数字である。結論何が言いたかったのかというと、これは今回伝えたい話にもつながるが、成功者はつねにポジショントークをしていて、その話をありがたく聞いているうちは常に不利な立場にいることを自覚する必要があるということだ。

ついでにもう一つ逸れた話をすると、経緯は省くが、先日アメリカ在住でこれから日本に移住しようとしているイスラエル人と話す機会があった。そのときにイーロン・マスクの話になり、"how about him in the US?"と質問したところ"i dont like him. In the US, …"と、いろいろな話を聞かせてもらった。後から気付いたが、もし自分が同じ質問をされたら、自分の立場は話さず、日本のことだけ伝えていたと思う。立場をはっきりさせたのが、彼がイスラエル出身からなのか、アメリカ在住からなのか、英語を使うからなのか、理由は定かではないが自分の主張をはっきりさせることで議論がしやすくなったことは事実であり、会話が盛り上がった。

主題に戻るが、見城徹の生き方は情熱的であり、義理堅く、人情味がある。岡本太郎の「自分の中に毒を持て」と似たものを感じる。主観で生きる彼の前では、打算や論理的な根拠は意味をなさない。たった一人の熱狂は、その他大勢の客観を超えることができる。自分しか持てない主観を大事に、影響を与える側でありたい。

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