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一夫多妻制の結婚生活のリアル【原住民女性編】


先日、原住民の婚活事情―男性編―がとても反響があったので、今日は結婚後、原住民の女性たちがどんな生活を送っているのかについて書いてみようと思います。

原住民の婚活


前の記事でも書いたように、原住民は男性の婚活がとても競争率が高いのです。
私が訪れたパプアニューギニアのジャングルでは、一夫多妻制が村の決まりなので、妻子を養うことができれば、何人でも妻をめとることができます。

ここジャングルでの旦那様選びのポイントは、強くて狩りがうまいこと。
日本ではお金がある男性が婚活には有利ですが、ジャングルにはスーパーマーケットも貨幣ありません。女性は獲物を捕まえられないので、子を守り、満足のいく食事を獲得し続けらえる能力がある男性が選ばれるのです。

そうなると、モテる男性が何人も妻をめとれ、モテない男性はあぶれてしまい一生独り身。家庭を持つことができず、村全体のサポートをするほかありません。
なので、原住民の男性は「強い男」しか女性から求められず、先進国よりもはるかに婚活事情が厳しいのです。

一方、原住民の女性の婚活は日本よりハードルが低く、「強い男」「獲物を多くとれる男」「イケメン」など、結婚相手を比較的自由に選ぶことができるそう。
でも、彼らの結婚生活を覗いてみると……原住民の女性は結婚してからの方が大変だということがわかりました。

一夫多妻制の結婚生活のリアル


夫と結婚して、子供が生まれ、家族で楽しく生活していたら、ある日、夫が新しい妻を連れてきて、子供を産んで、一緒に暮らす……。

それってどんな感覚なんでしょう?
夫一人に対して、妻が多数って、やっぱりバランスが悪いような気がしてなりません。

ここダニ族の男性は、毎日交代で妻と一緒に寝るらしく、仮に7人妻がいる男性と結婚したら、自分の夫を独り占めできるのは週に1度。他の日は夫が別の妻と一緒に寝る……こう考えると日本で生まれ育った私には理解に苦しみます。

このダニ族の村長は、6人の妻を持つ大ファミリー。その4番目の妻に話を聞いてみると、
一夫多妻制の場合は、結婚してからの方が大変だと話してくれました。

嫉妬や焼モチも暗黙の了解


はじめは妻の中でも自分が一番若くて夫からの寵愛を受けていたけれど、しばらくすると夫が若い妻を連れて帰ってきたそう。当然嫉妬も焼モチもある。でも、それは暗黙の了解。
小さいころから結婚とはそういうものだと思って生きているから、あまんじて受け入れるほかにありません。だた蒔拾いや水くみなどの重労働な家事は新入りの妻が担当らしく、少し楽になった仕事にはホッとするようでした。

日本では結婚したとたん、夫婦は油断してお互いに何でも見せ合ってしまうけど、ジャングルでは結婚後の方が「愛され続ける努力」が必要になります。
なぜなら夫から離婚されてしまったら、獲物も捕れず、子供と路頭に迷ってしまう。先進国のように働いてお金を得るというシステムではないので、夫の愛情をつなぎ留めておくことは生きる上での死活問題。
「釣った魚にエサはやらない」なんて言う言葉がありますが、ジャングルではシャレになりません。安心した生活を維持するためには、夫に愛され続ける努力が必要なのです。

自由とは生きる選択肢が多いこと


私は独身時代が長く、44歳で結婚。
30代のころは出会いとか婚活がもう面倒になってしまい、一夫多妻制の2番目ぐらいの妻でもいいかもね、なんて友達と話していたことがありましたが、どうやら現実はとんでもないみたいです。

きっと風呂上がりに裸で歩くこともできないし、休日もヘアアイロンで髪をセットして、メイクをしなくてはいけないのかもしれない。満ちたりた生活を維持するために、飽きられない努力を絶えず続けなくてはいけないなんて、私にはジャングルでの結婚生活は務まりそうになりません(笑)。それに妻同士の女の戦いとかも怖そうだし。

そう思うと、結婚をしながらも夫だけの収入に頼らず、働いてお金を得ることで経済的にも精神的にも自由が得られる先進国の女性は、生きる選択肢が多いと言えます。

まして今の私は、“好きなことを仕事にしたい”と思いキャリアチェンジの真っ最中。大変だなぁなんて思うこともあるけど、原住民の生活を思えば、自分で生き方や働き方を選べることはなんて自由なんだ!

生まれる場所が違ったら、私も水くみや薪を拾いながら、一人の夫を囲むように大家族で暮らしていたのかもしれません。日本に生まれて、『自分で人生を選べる』ということがいかに幸せなのかを改めて思い知らされました。

では、また次回お会いしましょう。
西村真紀


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