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curious ladyは今日も行く 第2話

改めまして、CLです。
この度はわたしの自叙伝をお読みいただき
ありがとうございます。
ありのまま、お伝えしていきます。
しばしお付き合いくださいませ。


好きな映画があります。
「あのキスの時、少しは愛はあったかな?」
そう問いかけるヒロインが切なくて儚くて
泣きながら何度も観ていたのをありありと思い出すのです。


かくいうわたしは、
初めて恋人ができた中学生のころ、
友だちにも家族にも内緒の付き合いは
ままごとのような、でも真剣なものだと
信じてやまないものでした。


言葉をしたためて、
可愛すぎない、でも特別感のあるレターセットを
文具店で見繕っては彼に宛てて書いた恋文を
互いに交換し合うだけで胸が高鳴るような
そんなピュアな時代もあったなと懐かしく思うものです。


それから、
ほとんどの女の子たちと同じかそれ以上に
仕事に恋に、
数々の出逢いを愉しみながら
気づけばアラサーと呼ばれる歳になりました。


それは
あたたかく、
やさしく、
柔らかく、
押し当てるのではなく
包み込むような
高揚と体温と愛情を
ゆったりとじんわりと、
唇から感じるキスがあることを教えてくれる彼と
ひと夏の恋に落ちました。


愛おしい、と思う気持ちを
キスで伝える文化のある彼の育った国を
愛おしく思いました。


ひと夏で祖国へと帰って行った彼は
それから、
友人として、いつも見守ってくれています。
日本のことを、そして、わたしのことを思いやり
いまはキスではないけれど
優しく包み込んでくれる友人のひとりです。


そしてわたしは、
日本では味わえない文化の恋愛へと
こころを奪われていくのです。

BGM
Kiss/Crystal Kay

つづく

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