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curious ladyは今日も行く 第4話

声に恋した話を残そうと思います。


やさしい人が好き。
これは
総人口の8割がきっと口にしたことがある
好みのタイプの表現。


やさしくて、どこか自信なさげで、
でもここぞというときに
大勝負に出ることができるのが
日本人男性のいいところだと、
異国文化に触れてみて気付かされました。


わたしたちの出逢いは、オンライン。
同じアイドルを推すファンとして
彼女のライブ配信ではお馴染みの
いつもリアルタイムでコメント欄を賑わす
そんなアカウントのひとりでした。


それから月日は流れ、いつの日からか
ふたりで連絡を取るようになるのだけれど


彼はいつも声だけのひとでした。


その障壁はいっそう、彼を魅力的にし
わたしの想像力は瞬く間に熱を帯び
高ければ高いほど燃え上がる
これぞ好奇心の賜物だなと
かつてのわたしを振り返るのです。


その声はやさしく穏やかであたたかく、
彼の人柄を伝えるには十分すぎる魅力的なそれでした。


毎日電話をするようになり
数時間聴いていても飽きることのないその声に
わたしのなかのオンナの部分は
満たされ染められていたのだと思います。


こうして、
初対面まで彼の顔を見ない、という
ドラマのような
ロマンスに似たなにかを楽しんだ
わたしたちでしたが
こころのなかにある結婚願望との葛藤もあり
前に進むため、
彼との関係に終止符を打つこととなるのでした。



耳からはじまる恋の甘い、甘い想い出の話。


日本人をまた好きになれたと思ったけれど
ふたたび異国の香りのするほうへ
扉を開くこととしたのです。


そして、
ついに、
出逢ってしまうのです。
運命と信じ、
自らつかみに行ったそのひとと。



CLはそう言うと
恥ずかしがるではなく嬉しそうに
彼とのエピソードを語り始めたのです。


BGM
電話をするよ/UA


つづく

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