好奇心を持ち合わせた性格とは
よく聞くところと思うけれど
好奇心が靴を履いて歩いているようなひとと出会うのは稀で、わたしは一瞬で目を奪われた、
否、心を掴まれたのです。

　
事実は小説よりも奇なり。
バイロンが説いたこの言葉がそのすべて。
この出会いで、わたしのなかに渦巻いていた叶わなかった願いたちが色づき始めたのは、言うまでもないことでした。

これは、
わたしの出会ったある女の子の物語。
curious lady＝CLと呼ぶことにしようと思います。

CLは言いました。
「例えば、背の高い人が好き、とか
　短髪の人が好き、とか
　それぞれタイプってあると思うんだけど
　たまたまわたしは、
　それが外国人っていうこと、それだけ！」

カラッと爽やかにそう宣言されて、
文字通りぎゃふんと言いそうになる口をどうにか塞いで、
彼女の言葉たちに魅了されていきました。

何を隠そう、
わたしは、外国人との経験を持ち合わせておらず
ハーフの子くらいが関の山で
妄想の世界では、
目力の強いイタリア人がさぞやさしくエスコートしてくださる情事を思い浮かべては
現実に横たわる日本人男性のその様に
安堵というか溜め息というか
それを日常だと捉えて生きてきたけれど

CLに言わせると
タイプだと認識すると、自ずと目が行くのは
異国情緒感じる彼らだそうで。

CLには劣るものの、わたしのなかに迸る
ほんのわずかな好奇心を胸に、
彼女の遍歴を聞いてみることとしたのです。

そう、
これは、
好奇心のままに生きる
ワールドワイドな彼女の、
等身大の物語。

BGM
Stand by me, Stand by you.／平井大

つづく

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