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大学院で学ぶ

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小学校の専任教諭を辞めて大学院に。そのいきさつや、院での授業や研究、読んだ本など。実のところ、どれくらい忙しいの?とか。M2のときは学生+小学校で非常勤講師してました。
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「一緒に大学院生になろう」〜恩師が押した四十路の背中

46歳の冬のある日。 わたしは、大学院に行こうと思い立った。 計画的に考えていたわけではない。 大学院に行くと決めた日は、 前ぶれもなく、突然やってきたのだ。 なんというか、 運命に背中を押されてしまった、とでもいうのだろうか…。 背中を押されたできごと はじめは、転職をしようと考えていた。私立小学校で教諭として勤務していたのだが、いろいろと思うところがあり、公立小学校で仕事をする選択肢を探っていたのだ。 中学校時代の恩師に、進路について相談があると連絡をした。恩

書き手として

#note100本ノック Day 93 最近、 よく思い出すことばがある。 大学院で学術論文を書いていたころ、論文のデータ分析がうまくいかずに悩んでいたわたしへの、先生からの厳しいことばだ。 そう、わかっているつもりだった。 でも、わかっていなかったのだ。 書くことが「自分ごと」になっていなかった。 どこかで逃げていた。 先生たちは、たしかに親身になって 相談に乗ってくれる。 でも…書くのは先生じゃない。 そう、強く思ったことを 昨日のことのように思い出す。

今日、借りた本たち

#note100本ノック Day 65 今日は母校の大学院へ。 春と夏にいつも、お話ししたい先生方に会いに行く。 まずは、IB教育でお世話になった先生の研究室へ。こちらに伺う時に楽しみにしていることのひとつは、研究室の本棚をのぞかせていただくことだ。 先生の本を選ぶ視点は、わたしの興味と重なることが多い。 例えていうならば、「わたしの好みを知り尽くした本屋さんの店員が、わたしのためだけにセレクトした本のコーナーを作っている」くらいの形容があてはまるレベルだ。(もちろん

分析のはなし

#note100本ノック Day 63 「質的研究」を勉強中です。 来週末に勉強会があり、今回の課題はこちらの本の7-9章。 太田裕子(2019『はじめて「質的研究」を「書く」あなたへー研究計画から論文作成までー』.東京図書 この本については何度もnoteに取り上げているけれど、本当に素晴らしい。読み進めるほどにそう思う。修士課程に在学しているときに出会いたかった! 今回の勉強会の範囲は、「研究方法」「研究倫理など」「分析方法」。 研究方法、分析方法 と、書いて

インタビューでわかること

#note100本ノック Day 41 母校の大学院の質的外国語教育研究勉強会に参加しました。 こちらの本を読んでいます。 太田裕子(2019)『はじめて「質的研究」を「書く」あなたへー研究計画から論文作成までー』.東京書籍 今回は、5章「インタビューで何が分かるのか」と6章の観察することと「書く」ことでした。 この本は質的研究を「書く」あなたへ、と題されていますが、実践の場にいらっしゃる方々にも示唆に富んだ本だと感じています。 5章の「インタビューでわかること」

他者にとっても意義あるテーマ

#note100本ノック 本日は5本目です。 大学院の質的外国語教育勉強会に参加しました。月に1回くらいの頻度で、今はこちらが課題図書です。 太田裕子(2019)『はじめて「質的研究」を「書く」あなたへ』.東京書籍 今回は第3章、第4章について。第3章は研究の問いについて、第4章は先行研究についてでした。 他者にとっても意義あるテーマ そもそも「研究」とは何をすることなのか。第3章にいくつかの答えが提示されています。いちばん心に残ったのはこちら。 これは、当然とい

質的研究を学ぶ場

#note100本ノック 本日は4本目です。 大学院の勉強会に参加しています 修了した大学院で、在学中に始まった質的外国語教育の勉強会に今も参加させていただいています。もう2年くらいになるかな、今回で38回目になります。 始まったといいますか…当時M2だったわたしとM1の現職院生さんで、先生に「質的研究を学びたいから教えてください!」と熱望して始めていただいたというのが正確な経緯です。 課題図書 勉強会では課題図書や論文を先生から提示していただいたり、院生から提案し

【絵本✖️ものの見方】『マドレーヌといぬ』

わたしは「絵本」を用いて学習者の「ものの見方」を育成することを目指しています。 絵本の原作と翻訳を比較することを通して、ものの見方を培う授業デザインをして、実際に授業をして学習者にどんな学びが起こったのかを調べることを主な研究のテーマにしています。それを「英語教育」として行えるかを考えています。 MMADELINE's RESCUE Ludwig Bemelmans原作で、初版は1953年。Madelineシリーズの第2作で1954年にはコルデコット賞を受賞した絵本です

【絵本✖️ものの見方】『げんきなマドレーヌ』

わたしは「絵本」を用いて学習者の「ものの見方」を育成することを目指しています。 絵本の原作と翻訳を比較することを通して、ものの見方を培う授業デザインをして、実際に授業をして学習者にどんな学びが起こったのかを調べることを主な研究のテーマにしています。それを「英語教育」として行えるかを考えています。 Madeline Ludwig Bemelmans原作で1939年に出版されたMadelineという絵本です。 Ludwig Bemelmans (1939) MADELI

【絵本✖️ものの見方】『にじいろのさかな、しましまをたすける』

わたしは「絵本」を用いて学習者の「ものの見方」を育成することを目指しています。 絵本の原作と翻訳を比較することを通して、ものの見方を培う授業デザインをして、実際に授業をして学習者にどんな学びが起こったのかを調べることを主な研究のテーマにしています。それを「英語教育」として行えるかを考えています。 RAINBOW FISH to the rescue! 今回は原作がドイツ語であるため、英語翻訳版と日本語翻訳版を題材にしています。英語翻訳版であるRAINBOW FISH t

【絵本✖️ものの見方】『スイミー』

わたしは「絵本」を用いて学習者の「ものの見方」を育成することを目指しています。 絵本の原作と翻訳を比較することを通して、ものの見方を培う授業デザインをして、実際に授業をして学習者にどんな学びが起こったのかを調べることを主な研究のテーマにしています。それを「英語教育」として行えるかを考えています。 Swimmy Leo Lionni 原作のSwimmy という絵本です。 Leo Lionni (1963) Swimmy. Alfred A. Knop f 『スイミー』

【絵本で英語を練習する】『Shark in the Park』

大学院の英語教育サブプログラムの院生だった頃、特に初等教育を学ぶ学生が中心になった「絵本で英語を練習する会」という自主ゼミがあった。 ある先生の研究室で週に一度、絵本を音読するために集まるのだが、先生もそこにいてくださってより英語らしい音で読めるように鍛えてくださるという贅沢な勉強会だ。 先生の研究室にはたくさん絵本があって、それらの絵本は「英語らしいリズムで、韻を踏んでいるもの」に限られていた。なので学生は、思い思いに絵本を手にとっておもむろに声に出して読む、そんな場所

【絵本で英語を練習する】『Not Just a Book』

大学院の英語教育サブプログラムの院生だった頃、特に初等教育を学ぶ学生が中心になった「絵本で英語を練習する会」という自主ゼミがあった。 ある先生の研究室で週に一度、絵本を音読するために集まるのだが、先生もそこにいてくださってより英語らしい音で読めるように鍛えてくださるという贅沢な勉強会だ。 先生の研究室にはたくさん絵本があって、それらの絵本は「英語らしいリズムで、韻を踏んでいるもの」に限られていた。なので学生は、思い思いに絵本を手にとっておもむろに声に出して読む、そんな場所

【絵本で英語を練習する】『Susan Laughs』

大学院の英語教育サブプログラムの院生だった頃、特に初等教育を学ぶ学生が中心になった「絵本で英語を練習する会」という自主ゼミがあった。 ある先生の研究室で週に一度、絵本を音読するために集まるのだが、先生もそこにいてくださってより英語らしい音で読めるように鍛えてくださるという贅沢な勉強会だ。 先生の研究室にはたくさん絵本があって、それらの絵本は「英語らしいリズムで、韻を踏んでいるもの」に限られていた。なので学生は、思い思いに絵本を手にとっておもむろに声に出して読む、そんな場所