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おさんぽマジック

#note100本ノック
Day 32


フルタイムの仕事を辞めて、手に入れたもののひとつは犬との時間かと思う。

我が家には10歳のトイプードルがいるが、この犬が大の散歩好き。そういうわけで、今は朝夕30分ずつ、犬と一緒に街を歩く。


言葉を交わす

今朝も歩いてきた。

不思議なもので、ひとりで歩いているときには起こらないことが犬と一緒に歩くと起こる。それは道ゆくひとたちと言葉を交わすことだ。

今朝も、いくつかのそんなひとときがあった。

ある高齢の女性

とある道端で。
杖をつきながらゆっくり歩く女性が足を止めて微笑んでいる。

面識はない。

女性:おとなしいわねえ 
   お耳の白がかわいいこと!(メッシュみたいになってる)
MAKI:ありがとうございます
女性 :この子、吠えないわね
MAKI:吠えることもあるんですけれど

ある女性との会話より

うちの犬は比較的穏やかな性格だと思うが、それでも吠えることもある。でもこんな風に微笑んで足をとめてくれる人にはたいてい尻尾を振って寄っていく。

しばし、その方とお話する。

女性:わたし、よく犬に吠えられるのよ。杖をついているからなのかしら。
   吠えられるたびに、この子、
   おうちで(杖みたいなもので)たたかれているんじゃないかと心配で

ある女性との会話より

いや、そんなことはない気もするけど…。よそのわんちゃんが、この方に吠えないようになるといいなあ

女性:あなたは大事にされてるのね(と、愛犬をなでてくれた)

ある女性との会話より

大事にされてるのね、って言ってもらえてなんだかほっこりうれしい気持ち。


ある男の子とママ

保育園に向かう3歳くらいの男の子とママに出会う。

男の子:かわいいー!
MAKI :ありがとう。犬、すきなの?
男の子:うん(近寄りつつ、眺めている)
MAKI :さわってみる?
男の子:うん
ママ :わんちゃんは下からそうっとさわるのよ
    (お手本をみせてくれる)
男の子:(おそるおそるさわりながら)    ふわふわだ

男の子とママとの会話より

子どもたちはよく声をかけてくれる。

ついうれしくて、いろいろお話してしまうMAKI。

かわいいと言われたことがうれしいのかもしれないが、「道端でお話」する機会が生まれたことがうれしいのかもしれない。


オーストラリアに滞在していたとき

小学生のホームステイの引率でオーストラリアのクーラムという街に10日ほど滞在していたことがある。

その街では、日本人には出会わなかった。(いや、ホストファミリーと散歩している我が校の児童には何度か会った。)

わたしは海のそばのコンドミニアムに滞在していて、よく目の前のビーチや街を歩いていた。

とにかく出会うひと、出会う人、Hi!  Hello!  と声をかけてくれる。
しかもかならず目を合わせて、挨拶する。

なんだかうれしくて、わたしもそれにならった。ひとりで街を歩いているのに、なんだか淋しくなかった。心地よい街だなあ、と毎日うれしかった。


そして日本に戻ったとき。

見知らぬ人と挨拶などしない。なんだか急に殺伐とした空間に放り込まれた気がして心地よくなかった。

とはいえ、それが当たり前の光景だし、またすぐにそれに慣れてしまったのだが。



おさんぽマジック

ふと気づいたのだが、犬を連れて散歩すると、その殺伐とした空気が一変してしまう。

犬を連れた人どうしはわりと「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」と挨拶をするし、今朝のできごとのようにお話すらしてしまう。

これは、マジックだ。

散歩中にそんなことに気づき、心地よかったクーラムの空気をちょっと思い出しながらnoteに書こうと決めた朝だった。



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