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(89)久方のパリ


ロミ・シュナイダー没後40年、エリザベス女王崩御、トピックを決めかねているうちに、あっという間に渡仏の日が近づいて、頭の中はパリのスケジュール調整で一杯になってしまいました。(笑)

渡航は実に2年8か月振り。
2020年1月、サロン・デュ・ショコラのショコラティエアテンド通訳のお仕事直前、出張と友人のご家族旅行のサポートでパリを訪れて以来です。

コロナ禍で、リア・スタンや他のクリエーターさんともオンラインで買付は続けていましたが、やはり直接会ってこそ可能性が広がっていく仕事です。
短い旅程ですが効率よく動いて実りあるものにしたいと思っています。

今回、仕事の隙間時間に訪れてみようと思っている場所がいくつかあります。
ずっと改装工事をしていたカルナヴァレ博物館sumau.com/2021-n/article/1327、久しぶりに19世紀初頭の絶世の美女レカミエ夫人www.salvastyle.com/menu_neo_classicism/gerard_recamier.htmlにご挨拶してこなくては。
フランス海洋省が使用していた建物が文化遺産として見学できるようになったオテル・ドゥ・ラ・マリン madamefigaro.jp/paris/210829-hotel-de-la-marine.htmlをはじめ、いくつかの美術館
そして、在住時あまり意識して歩いていなかった16区を散策してみようと思っています。
パリの高級住宅街として知られる16区の中で、(百貨店もあるパッシーあたりはよく行っていたのですが)友人Hさんお勧めのオトゥイユやジャスマンあたり、彼のパトロールゾーンにフォーカスしてみるつもりです。
そのHさんとはフランス関係の勉強会で最近知り合いました。彼は年齢こそ一回り以上年下ですが、興味の対象が近くお会いしていると次から次へと話が尽きません。

彼からのメールの抜粋です。
「Rue de la Fontaine、Rue Poussin、Avenue Mozartの交差する小さな広場があります。絵本の中のヨーロッパの風景そのままの可愛らしい一角です。ここにいらしたら、Bistorot●●でカフェかお食事を召し上がってみて下さい。駅前に並ぶカフェに比べてシックな雰囲気の店内に集うブルジョワ階級のおばあちゃん達がとにかくお洒落です。オーナーのDやIに私からよろしくお伝え下さい。」

「オーダーメイドのブーケと高級感のあるガーデン用品のお店Rは、蝋燭・食器・アクセサリーを扱うお店で、18世紀風の内装が印象的。ここの商品は全て本物のパリ製ですので、お土産にもお勧めです。」

私はいたってアナログ人間なので、いただいた情報をもとにMAPに印をつけていきます。ルートをペンと付箋紙で追っていくとだんだんと気分も盛り上がってきました。(笑)

(「憧れのパリ16区の日常」田中陽子著 文化出版局)
16区に特化した案内書はほとんどないのですが、こんな本を見つけました。
発行が2002年なので現存しないカフェやお店はあるでしょうが、シックな16区のエスプリ満載で参考になります。
「パリ16区 美しく生きる人の12か月」家名田馨子著も楽しく拝読しました。

パリの中も大量生産のチェーン店がどこの界隈にも同じように軒を連ね、昔ながらの各区の雰囲気が失われていくのは寂しい限りです。
商材の買付には直接結びつかなくても、趣のある店を覗いて、できたらオーナーとの会話も楽しみ、しっかりエネルギーチャージしてこようと思っています。
どうかまだ面影を残した街並みでありますように・・・

※ということで、10月はパリと神戸の出張が重なり、状況次第の更新になります。

本日のおまけ~ちょっとした幸せ (79)ロミ・シュナイダーのカタルシス

(「夕なぎ」より)

最近の若い人に話すと、カトリーヌ・ドヌーヴは知っていても、ロミ・シュナイダーは知らないという人が割といて、思春期の頃から彼女のファンだった私としては少し残念な気がしています。

ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC

10代の私は、ご多分に洩れずオードリー・ヘップバーンやグレース・ケリーをはじめとする高貴で時代のアイコン的な女優さんも好きでした。と同時に、ロミのナチュラルな容姿やキャラクター、そしてアラン・ドロンとの恋の顛末に、いたく「フランス」の香りを感じ興味をそそられたように記憶しています。

フランスの映画賞としては最高位のセザールを3回受賞。映画史に残る名優と称されているのに、初恋の人でありフィアンセであったアラン・ドロンから薔薇の花束と長い手紙で告げられた突然の別れ、その後の最初の夫の自殺、息子の事故死・・・彼女の人生はあまりに波乱に富んでいて、その心の軌跡を想像するだけで胸が痛くなります。
が、彼女の持つピュアなイメージのせいでしょうか、その悲劇の数々が彼女のイメージダウンには繋がっていないように感じます。

(「夕なぎ」より)
先月暑中見舞いを兼ね、友人からBunkamuraでロミ・シュナイダー没後40年のオマージュとして彼女の映画特集をしているとの情報をもらいました。是非大きなスクリーンで観たいとスケジュール調整していたのですが、出張が重なり行くことは叶いませんでした。

友人お勧めのCésar et Rosalie邦題「夕なぎ」)とLa Piscine(邦題「太陽が知っている」)のDVDを購入し、寝しなに観てみました。
この二つの映画の中で、彼女は、品良過ぎずセクシー過ぎず、健康的な体温や香りが伝わってくるくらい光り輝いていて魅力的です。

(「夕なぎ」より。隣はイヴ・モンタン)

特に「太陽が知っている」は元フィアンセのアラン・ドロンが「是非彼女に」と相手役のオファーをしただけあって、二人のシーンには明らかにケミストリーがあり、久しぶりにフランス映画良き時代の息吹を感じられて、渡仏に向けての心の準備やイメージトレーニングをさせてもらえました。

映画の中のロミの装いにも触発されました。
「大人の女性にはやはり直径13ミリはあるパールのイヤリングよね。可能な限り形の整った球形で」と、さっそく作家さんに相談。
せっかくのあつらえ品なので、落として失くしてしまったら悲しい・・・
遅まきながらピアスの穴をあけるか思案中です。(笑)

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