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(92)久方のパリ その4 少しずつの変化


忘れないうちに、少しずつパリ滞在中のことも書いておきますね。

訪れたかったところの一つ、チュイルイー公園やコンコルド広場手前「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」へパリの友人と行ってきました。

200年の間フランス海軍や海洋省の建物だったのですが近年改修され、文化遺産として見学できるようになりました。
ルイ15世の時代からの王室調度品保管所の家具調度品も素晴らしくキューレートされています。

革命前後の歴史の立役者達が断頭台の露と消えたコンコルド広場を臨む「オテル・ドゥ・ラ・マリーヌ」二階のテラスで、激動の時代にしばし思いを馳せました。

もう一つ、その友人お勧めのチェックポイント「ラ・サンマリテーヌ」。
私がパリに住んでいる時から改修していて、なんと16年の月日かけてリニューアルオープンした百貨店です。




オフィスや住宅・ホテル・保育園などもある複合施設で、
ホテルは、部屋からセーヌ川が一望できるようになっているそう。
ルーヴル美術館からも近く最寄り駅はシャトレで利便性もよく、有名ブランドが数多くはいっているので
今流行しているものをざっとチェックできる話題の観光スポットにもなっています。

つい先日、京都在住の友人を訪ねて奈良と京都の紅葉を楽しんできました。
その友人はご家族の都合で東京の自宅と京都の住まいを行き来しているのですが、
彼女曰く、
「夫も私も、東京にいたら(郊外からの通勤なので)、仕事に行って帰ってくるだけで一日が終わってしまう。
京都にいる時は、通勤時間も短いこともあり、ウオーキングをしてから仕事をし、美しい景色や建造物・美術品を愛で、夕陽を楽しみながら買い物もこなし、と一日にできることが多い」、と。


パリと似ているかも」、と私。
仕事と「生きることを楽しむ場所」がうまく共存している街とでも言うのでしょうか。
もちろん東京もそうなのですが、きっと規模のせいでしょうね。
パリは世田谷区とほぼ同じ広さで、地下鉄の駅数駅分は楽しく歩けてしまいます。
来年は、春か夏の花盛りの季節に、是非パリ闊歩したいものです。

今年も残すところ一か月余り。
少しずつ自分の心地よい形に仕事のスタイルを変えていきたいと思っていて、
そんなことを頭の隅に置きながら12月を過ごしてみたいと思っています。
ブログも11月同様、第2週4週にまた更新いたしますね。

本日のおまけ~ちょっとした幸せ (89)二人の友人、ウージェニーとマハの変化

仕事を通じて親しくなった50代中盤のキャリアウーマン、ウージェニーとマハ。
コロナ禍で渡仏が叶わなかった3年の間に、二人の仕事の方向性も少しずつ変化していました。
「作り手」である彼らは、感受性も強く、自分のあるべき姿に常に真摯に向き合っています。

著名な日本人服飾デザイナーのアクセサリーも請け負っていたウージェニーは、ちょっと前衛的なオブジェ作家に方向転換していました。
顧客はアジアや中東のコレクターだそう。
彼女は所謂ブランド品とリーズナブルなものをミックスしたセンスのいい装いをする女性で、いつも賢いショッピング情報をくれています。
今回も彼女が教えてくれた試作品を格安で売っているお店で、100ユーロちょっとで素敵なハーフコートを入手してきました。
流石にホテルのレセプションにインテリアとして飾る彼女の作品を買い付けるのは難しいけど、気の合う大好きな友人としてのお付き合いはこれからも続けていきたいと思っています。

グランゼコール卒業後ユネスコなどで着実にキャリアを積んでいたのに、数年前から、物書きになりたいと道筋を大きく変えていたマハは
コツコツと創作活動を続けていたシナリオが認められてハリウッド映画のプロジェクトに関わって、多忙を極めていました。

二人の優先順位はいつも自分の本当にありたい姿は何か、どう作品を形にしていきたいか。
彼らの言葉に沢山のエネルギーをもらえ、ともに時間を過ごせただけでも、今回渡仏した甲斐があったというものです。

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