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占星術?惑星直列?

ムーミンパパ海へいく』でパパは
移住した島と海の謎を解き明かすべく
奮闘し、灯台守が残していたノートに
書きつけていく。

最初の何ページかは、灯台守が大きく間をあけて、小さな文字でぎっしりと書きつけてありました。まるで紙の上をクモがはいずっているみたいに。

新版『ムーミンパパ海へいく』5章

灯台守が書きつけていた文章が旧版では
「波はさびしく、月は七番目の家に宿る」
となっている。
―ううむ、どういう意味なんだ?

原文は
"Vågen är ensam, månen står i sjunde huset"
なので、直訳するとその通りなのだが、
「波はさびしく」はともかく、
「月は七番目の家に宿る」は何なのだ?

vågにはwaveやscaleの意味があるが
「波」ならばここは複数形のvågorとなるだろうし、
scaleだと意味不明になってしまう。

となると、ここのVågenはvågに
定冠詞が付いた形のVågenではなく
Libraの意味のVågenではないだろうか。
Libra  つまり天秤座。

では、sjunde huset(七番目の家)とは?
天秤座とくれば、占星術方面だろう。
調べてみたら、ホロスコープで
まさにSeventh Houseという表現があった。


https://www.healingstars.com/articles/houses-in-astrology/

sjunde huset=sevnth house はホロスコープの
第七ハウス(宮)のことだろう。
そして、更に!
第七ハウスのナチュラルハウス(定位置)は
天秤座♎なのだ。


https://astro-r.com/horoscope-house/seventh/1737/

そこで新版では
「孤独なてんびん座、月は第七宮に宿る」
という訳に改めた。

そしてこの後に続く
「土星が火星に会う」Saturnus möter Mars.
これは土星と火星が直列することなのか、

それとも「合」の意味なのか。

そういえば、灯台守の誕生日は10月3日。
占星術で言うと……天秤座!

今日は十月三日
そうさおれの誕生日
だれからも祝われずに
南西からの風しか来ずに
またもやどうも雨の一日

新版『ムーミンパパ海へいく』8章(灯室の壁に書いてあった詩)

孤独な天秤座、灯台守。
では、土星と火星の意味は……?!

ところで、ノートに書いてあった文字は
「大きく間をあけて、小さな文字でぎっしりと
書きつけてありました。まるで紙の上をクモが
はいずっているみたいに」

そして、灯室の壁に書いてあった文字は
「ぽつんぽつんと間をあけながら、
クモがはい回るように壁に書かれていました」

とある。

これって、どんな感じだろう?
どれが近いと思う?とThomas先生
訊いてみた。

うーん、これは難しいね、強いて言えば
①かなぁ……とコメントいただいたが、
(先生、しょーもない質問でごめんなさい)
Toveの手書きで見てみたかったなぁ。

4章でパパは灯室の壁に灯台守があれこれ書きつけていたものを見つける。
風力について、あるいは淋しさについて。そしてこんな詩も。
「東から吹く風も ばばあの悪態も どちらも最後は涙雨」

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