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大人の男の人を信じてはいけないんだ、、、後編 その1

高校生の私を一言で表すと
「無気力」。

部活も勉強もほとんどやらず、
午後は授業をサボって
映画館で過ごす事が多くなりました。

映画を観ている時だけ
心をときめかすことができました。

「フラッシュダンス」
「愛と青春の旅立ち」
「アマデウス」

映画を作りたいな、
と若者らしく夢見るようになりましたが
日大芸術学部を受けるも不合格。

勉強していないのだから
当たり前の結果です。

浪人して何とか、
四流女子大に引っかかりました。


その当時は正にバブル全盛期で
日本中が浮き足だっていました。

女子大生ブームで
『オールナイトフジ』という
テレビ番組が大流行り。

右を向いても左を向いても
ハマトラファッションとDCブランド
に身を包んだ女子が目に付きます。

雌として、
何とか強い雄を捕まえることに
生存を賭ける!

と言ってしまっては
身も蓋もないけれど、
それが
キャンパスで大っぴらに
まかり通っていました。

それはそれでありだな、
面白いな、何でもありだな、と、
何者でもなく
ただただ時間と夢だけはたっぷりある
大学生の生活が始まりました。

何はともあれ、
4年間は“貴族の時間”を楽しもう、
要するに何の責任もなく、
大人の真似事をしながら
これから何をしていくか
じっくり考えよう、

と、
こじんまりとした
刹那的な充足を感じていました。

1年生の時は演劇部で裏方をやりましたが、
映画を作りたいと思っていたので
映画研究部を立ち上げました。

熱心に勧誘したので20名弱入部してくれました。

オールナイトフジや女子アナのような学生ではなく、
見た目も考えも地味目な子、アバンギャルドもどきの子、
そんな感じの学生が集まりました。

女子だけというのは、それはそれで居心地良く、
狭い世界ならではの刺激もありました。

漫画の中でしか知らなかった同性愛を目の当たりにしたのも
この頃です。

女の子同士があちこちでイチャイチャしていました。
バスの中でも学食でも、
講堂でも中庭でも。

同級の子から
アパートの隣に住むMちゃんが
毎晩フィリピン人の彼女と
大声をあげて励んでいるから眠れない、と聞いて、
(好奇心を満たすために)
わざわざ泊まりに行ったこともありました。

本当でした。
あまりにも大きな声で怖くなるほどでした。
やめれば良いのに、正義漢ぶって
Mちゃんの部屋のドアのノックして、
汗だくで出てきたMちゃんに
「大丈夫?救急車を呼ぼうか?」
と、不躾なことをしました。

そんな傍若無人なことをしながらも
自分のセクシャリティはどうなのか?
自問して見ましたが分かりませんでした。

もしかして私は同性を好む人なのかな?
恋愛対象が女の子なのかな?
(つづく)





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