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シンバルカフェ at 大阪平野・小出製作所2019.03.02 イベント・レポート

行ってきました大阪!
集ってきました大阪!

2019年3月2日(土)大阪平野にある小出シンバル工場を会場にお借りして「シンバルカフェ大阪」を行いました。熱い想いを持った方々と、シンバルを軸に集うことができました。あの場の空気、あの時間の流れをそのままお伝えすることは難しいですが、レポートを残したいと思います。

そしてこのあと2019年3月21日(木)に、東京・新宿ロックイン・ドラムフロアでもシンバルカフェ新宿編を開催しますので、今回のレポートはサクッと!

シンバルカフェ at ロックイン新宿 2Fドラムフロア チケットはこちら!

参加される方は是非事前に、そして、これを読んで興味を持った方は、是非新宿編にご参加ください!

<シンバルカフェ大阪!>

午前9時過ぎに小出シンバル到着。
晴天!そして朝から暖かい!今日は良い日になること間違いなし!
まずは小出社長にご挨拶して、ポスター代わりの大きな紙とマジックをお借りして、まずは手書き看板作成!

今回のイベントに際して、告知、チケット販売、楽器手配など全面的に協力していただいた三木楽器さんの上原さんと中島さん、主催メンバーの山本学さん、横山和明さん、延命寺 a.k.a emjさん、そして10時からのハンマリング体験を申し込んだ参加者の方々が順々に到着します。

<午前:ハンマリング体験+カフェタイム>

午前10時。ハンマリング体験開始。6名定員を3名ずつに分けて、作業開始。説明の後、みなさんいろいろと試しながらハンマリング。トンカントンカンと工場に音が響きます。

午前中はハンマリングと並行して、午後からのカンファレンスの準備をしながらのカフェタイムと設定。早めに来た参加者の方々はハンマリングの様子や工場を見学したり、誰や彼やのシンバルを試したり、差し入れのお菓子とコーヒーやお茶を楽しんだり。

ハンマリングが終わると、今度はレイジング。小出シンバルの徳留さんの説明と実演の後、みなさんそれぞれ自分でレイジング。これがなかなか難しいのですが、みなさん意気揚々と取り組まれておりました。なんでしょうか、所謂DIYというものとはまた違った楽しみがシンバル作りにはあるように思います。音楽好きな人にとって、自分のイメージの実現みたいなものがあるのかもしれませんね。少なくともドラマーならば一度は体験して欲しいものです。もはや個人的には、ハンマリングしたこと無いというのは、ヘッドの張替えしたこと無いくらいに感じます(←それは無い)。

三木楽器さんが用意してくださった試奏用バスドラムとスネアドラム、そしてスピッツとVintageKの2枚などセッティング。横山君はいつもどんなドラムでも叩きこなしますが、ご機嫌な御様子でした。

開始から2時間、参加者のスプラッシュ・シンバルが完成し、準備もあらかたできてくると、みんな興味のあることをひたすらしまくり、山本学君はハンマリングしながら「できましたー」と声をあげ、手の空いた人達が横山君の演奏に集まっておりました。

そしてお昼ご飯は各自調達の自由時間。主催側は午後からのカンファレンスに備え打ち合わせ。

<午後:カンファレンス本編>

午後1時。シンバルカフェのカンファレンス本編に向けて参加者のみなさんが揃ってまいりました。

まずは全員で挨拶。そしてカンファレンス開始!

カンファレンス#01:山村牧人(ドラマー/ライター)
「ドラマー視点からの加工とサウンド探求 〜演奏に必要な機能と、ドラマーのスタイルに特化することの意味〜」

まずは、不肖私、山村牧人が口火を切らせていただきました。ドラマーにとって理想のシンバルとはなにか。サウンドの良し悪しとアンサンブルで求められる機能。演奏で感じる疑問や、それを解消する楽器を求めてどういうことをしてきたか。自作レイジングマシンによって広がったドラマー付き合いや、小出シンバルとの関わりの中で得られた、現状ひとつの到達点として組んでいるシンバル・セットと、そこの至った加工プロセスを紹介しました。

カンファレンス#02:延命寺 a.k.a emj
「リペア&リサイクルと実践的エフェクトサウンドの可能性 〜割れシンバルのリペア、再加工、Oゾーン、スタックシンバルなど〜」

そして次は大阪在住のドラマー、延命寺 a.k.s emjさんによるコーナーです。ご自身がシンバル加工に至った経緯、狙いどころ、工具や加工方法の説明を交えながら、作品を紹介。エッジやボウにヒビの入ったシンバルのリペア、ホールソーを使った穴空きシンバルといったところから始まって、その場にいた多くの方から新ジャンル確立と評されるほどの、アグレッシヴなオリジナルな加工まで、ドラマーならではのアーティスティックな領域を感じさせるものでした。

カンファレンス#03:山本学(ARTCYMBAL)
「100年前の失われた音に挑む、個人製作シンバル 〜ビンテージシンバルの沼の底、個人製作の役割と未来〜」

休憩を挟んで、次は、ARTCYMBALブランドを立ち上げシンバル製作を行っている山本学さんのコーナーです。クラシックからポピュラー、インドのタブラまで演奏し、今や自らハンマーを振ってシンバル製作に励む山本さんの、楽器&シンバルにまつわる重要人物、目指しているシンバルの方向性や特徴を解説。古くからのトルコ・シンバル職人や製法の歴史などの知識と、所有するヴィンテージ・シンバルのラインアップも圧倒的で、そうした古い製法とそのサウンドを絶やさぬようにと奮闘する山本さんの熱弁が参加者を揺さぶるようでした。

カンファレンス#04:小出俊雄(Koide Cymbal)
「工場見学と製法解説・シンバルに関する質疑応答」
〜基本的な扱いから注意点、素材や製法など、シンバルに関するQ&A〜

そして次は、小出社長の登場です。参加者の方々が欲することをしたい、という意向により、工場の設備を巡りながらシンバル作りを解説。金属としての特性、製造過程のポイント、作業工程の実演など、工場での開催だからこそできた内容でした。その後は「シンバルに関する質疑応答」として質問に答えられ、B23Ti、最新作のFeZrなど、銅と錫の合金組成比率の変化、チタンやジルコニウムなどのを混入させることによるサウンドの変化など、小出シンバルが取り組んできた原材料研究についても解説されていました。

カンファレンス#05:横山和明(ジャズドラマー)
「ドラマーによる試奏と現場での音楽的視点」

この時点ですでにカンファレンス開始から3時間以上経過し、濃度MAXな様相を呈しておりましたが、最後のコーナーは、ジャズドラマーの横山和明さんによる試奏です。三木楽器さんに用意していただいたセットに、カンファレンスで紹介した山村のセット、延命寺氏のエフェクト群、山本学氏の所有するヴィンテージセットと製作されたARTCYMBALのセット、小出シンバルの703を中心としたセット、三木楽器さんのヴィンテージなどを使って演奏していただきました。横山氏は主としてジャズドラマーとして演奏されていますが、ジャンルを問わず、そして楽器を問わず、大袈裟に言えば叩く前から叩き方を知っているとさえ思うほどの、卓越した楽器の奏で方を実演できる人です。ある意味ではどの楽器でも素晴らしい演奏にはなるのですが、その上で楽器の違いがどう影響するのかというところを、参加者の方には感じていただけたのではないかと思っています。

いよいよ最後となりました。全員揃って挨拶。今回のイベントの主旨、経緯、各自のコメントを以て閉会。

そして、今回のこの会にあたって、小出シンバルの販売代理店であるコマキ通商さんから、参加者の方々へグッズのプレゼント!コマキ通商のMYZKさんありがとうございました!さらに、全員で集合写真を撮って、片付けながらの歓談タイム。

参加者の方々のご協力もあって、片付けも進み、希望者も含めての打ち上げ!午前10時から20時過ぎまで、最長で10時間に及ぶイベントとなりました!ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました!

以上、レポートは終わりです。
以下、今回のイベント開催までの経緯などです。是非お目通しを!

<シンバルカフェ大阪開催にあたって>

音楽を演奏するものにとっての楽器はどんなものであるか。ドラマーにとっての太鼓やシンバルというものは、道具であり相棒であり、時として師のような存在にもなり得るものだと思います。ドラマー同士で集まると「あの楽器を使っている」「あの音はどうやって出るのか」「あんなの使ってみたい~」なんていう会話は珍しくありません。弘法筆を選ばず、楽器に頼るな、というのはもちろんですが、素晴らしい演奏を楽しみ、慈しみ、反芻するにあたって、誰が演奏したのか、誰と演奏したのか、どんな場所で演奏したのか、どんな時代だったのか、どんな意図だったのか、演奏者の人生との関係、社会情勢との関係など...、これまで音楽を愛する人達はあらゆる方面から、歴史の金字塔とも言える楽曲や演奏、ステージの数々を分析し、評してきました。そこから考えれば、素晴らしいドラマー、素晴らしい演奏を見た時に楽器にも想いが及ぶことは、そこに至る順番を間違えず、そこで終わってしまわなければ、それほど不自然で不節操なことではないとは思います。

ドラムセットが誕生し、打楽器を寄せ集めて一人で演奏する分野が生まれてから、先人達によって様々な試みがなされてきました。もっといえばクラシックの時代から音楽や楽器は様々に試行錯誤されてきたわけですが、ドラムセットという楽器はルーツを異とする楽器達の集まりであるが故に、様々なものが組み合わさる面白さ、同調するものや異種なものが協調相反する奥行きの深さを持っており、そして楽曲の中でどのように演奏するか/されるべきかということについても、より良い演奏、新しい楽曲、円熟や革新という様々なベクトルの音楽家のパッションを反映させるために、伝統に限らず自在に試行錯誤する余地を大きく持つことができる、またそれを期待もされてしまうパートであると思います。それが故に、誕生後100年経った現在、いろいろな形であらゆる音楽の中に入り込んで、まったく異なるスタイルを演奏しながらも「ドラムセット」と呼ばれ、そして一人のドラマーが、ひとりの人間の中で、そうした広範かつ異種なものが混ざり、また新しいものが生まれることを体験体感実証できる楽器だと思っています。

そんなドラムセットという集合体において、シンバルという楽器によってセット全体、アンサンブル全体、楽曲のアレンジ、レコーディングの成果というものに着目し始めると、名演奏やヒーロー・ドラマーへの憧れも手伝って、それはとても大きく深い世界であり、試してみたくなることは山程あります。メーカー、モデル、年代...。身近な年代、好きな音楽の周辺から始まって、最新のもの、古いものなど、いろいろと探して試しての繰り返し。そして本来あまり興味の無かった範疇や、特殊感の薄いものの中に答えの片鱗を見たり...。今回のシンバルカフェ主催側のドラマーは、それぞれ方法や深度は違えど、こうした思索を重ねた人達、まぁ言い換えればシンバル沼というものを泳ぎ喘いでいる人達ではありましょう。

こうした人達というのは、誰かに頼まれたわけでもなく、なにか投機的にコレクションするようなメリットがあるわけでもなく、沼という言い方で揶揄してジョークにはしていますが、そもそも良い演奏を望み、演奏上での楽しみや感動とともに、痛みや苦しみというジレンマも体験しているからこその、想いが強い人達ですから、そう簡単に他者に迎合もしない人達だとも感じています。しかしそういう人達こそが、方向性の違いを明らかにしながらも同じ空間を共有することで、またさらに磨かれたエネルギーが生まれるのではないか、というのが私が思うシンバルカフェの意義です。

また、カフェという言い方には、ドラマー、パーカッショニストという演奏する側、加工したり作ったりする側、ドラムやシンバルのサウンド、ドラマーが奏でるシンバルの音が好きなリスナーの側など、広くシンバル好きな人達=シンバル・ミュージシャンズという括りで集まっていただきたいという気持ちがありました。

<経緯>

日本において、シンバルは長らく限られたラインアップの既成品の中からチョイスするしかありませんでした。個人のドラマーが、世に出たシンバルを知り尽くし、合金の調合や製法について熟知し、シンバルメーカーにオーダーして望みの音を作らせる...今でこそそういうこともできるかもしれませんが、ドラムセット誕生を1900年、スイング隆盛後ビバップ誕生が1940年、ロックドラム創世記を1950~60年と大雑把に見た時、1945年に敗戦という形で終戦し混乱の中で復興を目指し、1966年にビートルズ初来日という日本において、ドラムセットという楽器や音楽のために潤沢にお金を使える人がどれほどいたかは疑問です。そもそも私が子供の頃は音楽や楽器など、一喝されるようなことも珍しくありませんでしたし、私が大学を卒業する80年代に至っても、就職をしないで音楽をやっていくなどとなれば親族会議で猛反対なんてことも聞く話でした。そして、前述したような、弘法筆を選ばずの精神も含めて、楽器選びよりも音楽の基本を学び、奏法を磨け!ということももちろんですから、なんだかんだ1990年代くらいになって、段々と日本のドラマーも海外の情報が行き渡り、自分なりの取捨選択や、奏法と音楽性を更に活かすための楽器選びというものに対して自由さが広がったのではないかと思うところがあります。無論、そんな時代でも虎視眈々と想いを貫いた方々はいらっしゃいますが。

さて、そうしてシンバルについて、あーでもないこーでもないとやっている頃に、1999年にシンバルを作り始め、2003年に販売を開始した国産シンバルメーカーが登場します。それが大阪平野にある小出シンバルです。それまでも日本にはシンバルを製造するところはありましたが、スピニング加工を行ってきた金属加工専門の下地と設備を持ちながら、「B20合金」を使ったシンバルを本格的に作り始めたことは注目すべきことでした。小出シンバルの小出俊雄社長は、当時浅草コマキ楽器のドラム店、JPCドラムシティの西尾さんとやりとりを多くされていたことで、お店にプロトタイプがこっそり置かれていたように思いますが、月日を追う度に、そのサウンドがドラマーにとってのシンバル王道サウンドの主軸に近づき、そしてさらに改良を重ねられていくことが感じられました。

小出シンバルは、メーカー製品として出荷できるラインアップを従えて販売を進め、注目する日本のミュージシャン達が使用し始めていきますが、その活動を広めようとしたのが、豊橋シライミュージックの白井君です。2010年3月に「小出の日」と称して、小出社長とパーカッショニストの玉木正昭さんによるシンバルセミナーとカスタムオーダーのイベントを行ないました。その3ヶ月後、私は小出社長のご厚意でシンバルのハンマリングを体験させていただきました。「ハンマリングしてこんなに楽しそうにするなんておかしな人やな」と思われたようですが、その後、小出シンバルではドラムイベントなどでも、ハンマリング体験をするたびに希望者はおられるとのことですので、やはりみんな楽しいのだと思います。えっ?楽しいですよね!?

ドラマーは、スネア・ドラムで言えば、チューニングを変える → ミュートをする → ヘッドを変える → スナッピーを変える → スティックを変える → 奏法を変える  → 違うスネアを試す(頭に戻る)のようなことを繰り返しますが、シンバルの場合は、セッティング、ネジの締め具合、シズル、テープなどでのミュートなど、それほど本体を「チューニング」できる要素は多くありません。ある意味やはりチョイスする時点でかなり決まってしまいます。が、そこにある風穴と思えるのが、割れてしまったシンバルやの活用法というものがあったように思います。海外の有名ドラマーは割れたシンバルでも使っとったぞ!ハイハットの上下でサイズが違うねん!重ねてるのがなんや不思議にええ音なんよ!みたいなことから始まって、綺麗な音&新品=正解とは限らないところでの模索です。そうして、割れたシンバルだからと比較的手軽に加工し始めると、今度は、まっとうなものにも手を加えたくなるのも、ある意味時間の問題です(笑)

シンバルのスペックで一番最初に来るのは、サイズとウェイトではないでしょうか。もちろんその他の要素もたくさんありますし、どの部分のサイズか、どの部分のウェイトかというのもありますが。あるサイズのシンバルがあったときに、ウェイトの違いを試していると、AとBの中間に答えがあるのではないか!という気持ちがムラムラと湧いてきます。そうして小出シンバル工場でハンマリングしてレイジングしたあの体験が忘れられず連日悶々としていたとき、大槻カルタさんというジャズドラマーの方がツイッターに「私も削る夢を見ます」を投稿しているのを見て、これはもうやってみないとアカン!行動起こさな!と、見よう見まねで自作回転台を作ってシンバルを削り始めると、その匂いを嗅ぎつけたドラマーがワラワラと寄ってきます。今回のシンバルカフェで声をかけた人達もそういう繋がりばかりです。あと何グラム落としたい...これを薄くすればきっと狙ったサウンドに...ドラマー達は思い思いに願望をぶつけ合います。怖いですね←

そのレイジングはとても完璧なものとは呼べませんが、しかしウェイトを落とすことで解決したり、生き返ったり、狙った方向に持っていける領域が存在することもわかりました。そして多少のオーバー・ハンマリングをすることで、欲しいサウンドに近いシンバルを、あるベクトルに限れば調整可能であるということも。しかしそれとは裏腹に、シンバルをまったくダメにしてしまうケースもあります。こうした作業は金属の破片での怪我や、古くなったシンバルの表面を削ったときの粉塵などで体調を崩すリスクもあります。そしてなにより、そもそもシンバルメーカーも大変な時間と労力で楽器を作っているわけで、第一目的である演奏から外れて、今までやってる人がいない特殊分野だからと、シンバルへのリサイクルやエディット加工自体が目的になるのも意図と反するところです。

そうしたことを考え、昨年2018.11.23に小田原ボニー・ドラムにて「禁断のシンバル改造研究会」というものを実施し、「シンバルを弄るリスク」についても取り上げました。かなりしょっぱいことも話したつもりでしたが、参加者のみなさんは当然の如く、とっくに理解されているくらいでした。その報告を小出社長に伝えたところ「そういう催しがあるなら呼んでください。なんだったらうちの工場でできないものだろうか」とおっしゃっていただいたことで、今回のシンバルカフェへと繋がったわけです。

そして、この企画進行中に興味を持っていただいたことで、大阪を経て、2019年3月21日(木)春分の日に、東京・新宿ロックインでもイベントを行うことになりました。大阪でのメンバーに加え、尋常でない楽器への探求度と「山の会」と称して共同でネット上に記事をアップしていた山本拓矢氏、世界的なツアーに参加する日本屈指のドラムテック土田嘉範氏にも加わっていただき、大阪報告会+αという形で考えております。みなさま是非お越しくださいませ!

[文:山村牧人、撮影:主催メンバー一同、小出製作所徳留さん、なおはらひろしさん、動画編集:延命寺 a.k.a emj /企画:@BPM128 copyright 2019 All rights Reserved.]
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