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シンバル・カフェ at 新宿ロックイン 2019.03.21 イベント・レポート

 大阪本編を経て、集ってきました新宿!ロックイン新宿!

 3月2日大阪イベントに続いての、「3/21シンバルカフェ at ロックイン新宿」でした。関係者含め50人近くの方が集まり、カンファレンス前のカフェタイムから、終了後の歓談まで含めれば6時間近く。大阪小出工場とはまた違った熱量で、ものすごいスピードで時間が進んでいたように思います。

 以下、延命寺 a.k.a. emjさんによるダイジェスト動画です。アングラ濃密な会も、こうして動画で見ると何やらカッコヨク感じられるではありませんか!(笑)これはひとえに延命寺さんの動画センスのおかげでございましょう!

こちらを見ながら、以下レポートを是非ご一読ください!

<ロックイン新宿到着>

 晴天の朝、ロックイン新宿に到着するとすでに設営完了しており、エレベーターを上がって2階店内に向かうところがめっちゃ狭くなっておりました。普通にお客として来た方々、本当にお騒がせしました...。
 会場スペースには、前日から東京入りされていた延命寺 a.k.a emjさんが来られていて、お店スタッフの皆さんも準備を進める中、お早い到着の参加者の方々、そして主催側のメンバーも順次到着してまいりました。

<13時~カフェタイム>

 13時からはカフェタイムということで、お茶を飲みながら、主催メンバーと参加者がシンバルを見せあって話したり試したり、という設定。
 珈琲やお茶を用意していただきまして、ホットコーヒーは1杯ずつドリップするスタイル。最初は私が淹れておりましたが、準備や応対もあり、なんとコマキ通称のMYZKさんに淹れていただいたり...いや本当に申し訳ありませんでした...。そして色んな方々から差し入れを頂戴し、参加者の方々と一緒にいただきましたこと、御礼申し上げます。ごちそうさまでした!
 会場に入れば、誰もが「席の確保をしておいたほうが良いなこれは...」と感じる状況で、本来ならばシンバルスタンドを立てまくってみんなで叩き合うイメージだったのですが、着席しつつお茶を飲み、ホスピタリティ溢れる山本学氏がいろいろとシンバルを出して、みんなに聞かせるような形で場を作ってくれていました。

<14時~カンファレンス本編>

 さていよいよ本編スタート。ロックイン新宿ドラムフロアスタッフの黒澤君と木下さんによる開会の儀。挨拶に続いて、イベントの経緯、撮影やSNSアップに関するお願いなどなど。このお店はセミナー・イベントをよく実施されていて、その都度のスタッフの方々のご苦労もさぞかしと思われます。黒澤君は、実は私山村が講師をしている尚美ミュージックカレッジ専門学校の卒業生でもあります。今回、彼はまっさきにこの企画に興味を示してくれ、諸々の連絡調整などなかなかに踏ん張ってくれました。彼に限らず、演奏関係、スタジオ、楽器店、メーカーなど音楽&ドラム業界で働く卒業生達が、日々日本のドラム界を温めてくれています。有り難いことです。
 そしてロックイン新宿と言えば、木下さんは、なんと本来ライバルであろう豊橋シライミュージックという楽器店の模型を作ってコーナーを作った方。これはなかなかできることではありません。しかしそのベクトルには、敵味方無く「ドラム界を盛り上げる」者同士のリスペクトというものを感じます。たくさんの素晴らしいドラムショップがありますが、ロックイン新宿の独特の雰囲気というのは、こういうところに根があるのかなといつも感心させられます。


カンファレンス#01:山村牧人
「ドラマー視点からの加工とサウンド探求」
~演奏に必要な機能と、ドラマーのスタイルに特化することの意味~

 大阪同様、私、山村から。まずはシンバル加工の前の安全についての注意を。私の加工はレイジングとオーバー・ハンマリング、そして最近は塗装などがメインですが、そこに至るシンバル遍歴、小出社長との出会い、シンバル好きドラマー繋がり、今回のきっかけとなった小田原ボニー・ドラム工房での「禁断のシンバル改造研究会」からの流れなど。小田原、大阪、新宿と3つのイベントすべて参加された方もいらっしゃったので、多少省略しながらのつもりでしたが、やはり話したくなることは膨大で、駆け足&順不同でプリントをさらっていく形に。
 私として一番言いたかったことは、手で音を聞くということです。特にシンバルは、スティックでヒットしたときの反動が瞬間的に手に返って来ます。これを「手で聞き」ながら演奏するということであり、自分はその手応えがシンバルを選ぶ条件のかなりのウェイトを占めています。
 一番大切なこととして音楽が中心にあって、シンバルというものの位置づけ、そして関連するものなどの話から始まって、シンバルサウンドの分類や機能、ジャンルとの関わり、揃えていく時の考え方など。そして、今回はCYMBAL CAFE受験問題としてテスト問題を用意。ところがそろそろ時間だと勘違いして、ほとんど答え合わせをせずに終わってしまいました(実はあと10分残っていたようですw)。知りたい方がいらっしゃれば、SNSなどでご質問ください。


カンファレンス#02:延命寺 a.k.a emj
「リペア&リサイクルと実践的エフェクトサウンドの可能性」
~割れシンバルのリペア、再加工、Oゾーン、スタックシンバルなど~

 次は、このイベントのために大阪から来ていただいた延命寺 a.k.a. emjさんです。自己紹介とともに、最初に加工したチャイナシンバルを紹介。始めた当時は少ない工具で、かなりの時間と労力をかけて取り掛かっていたということで、基本的にはクラックの入ったジャンク・シンバルの再利用を主として、エッジのカット、ホール、スリット加工、塗装などから、ボウ部分だけのシンバルや、音階表現のできるスリット入りシンバル、スネアのアドオンにも使えるクラッシャーなど様々なエフェクト系のサウンドを披露していました。中でも、大阪イベントの後に作ったという最新作もまた意欲的で、実にオリジナルなアイデアに満ちていました。テリー・ボジオ氏あたりに是非使って欲しいと思う、アグレッシヴな作品だと思います。
 参加者の方から、加工に関する具体的な方法などの質問がありましたが、ここでは小出社長も参加されて、怪我のリスクを減らす、より安全な加工方法や工具の選択などに触れておりました。今回はお店スペースでの実施ということもあり、実際の加工の場面はできませんでしたが、やはり最初は経験者と一緒に作業することが安全面においてもとても大事なことなので、そうした場を設けられたらと感じます。


カンファレンス#03:山本学(ARTCYMBAL)
「100年前の失われた音に挑む、個人製作シンバル」
~ ビンテージシンバルの沼の底、個人製作の役割と未来 ~

 休憩を挟んで、ARTCYMBALの山本学さんのコーナーです。彼はなにがスゴイって、声が大きくて滑舌が良いのです。話し始めた瞬間、つっちーさんが「張るねぇ~」と一言。大阪同様、そんな彼の話っぷりに参加者のみなさん引っ張り込まれていました。ARTとは何か、彼がシンバル製作に向かう上での価値観、彼の中にある良い楽器とは何か、彼の師である佐藤マレットの佐藤英彦さんや関わってきた重鎮ドラマー、村上ポンタ秀一さん、森山威男さんなどの話、そしてシンバル創世記から錬金術師の話に掘り下げて、彼がどんなシンバルを目指してやろうとしているか。貴重なヴィンテージ・シンバルや自身で製作したシンバルを試奏しながら解説していました。初めて一緒にシンバルを削ってから2年ほどの間で、彼はブラスシンバル製作からハンマリング、レイジングの実践を続けてきました。ARTCYMBALという名前を使うようになってからは、彼が最終的に目指すサウンドの方向に舵を切ったように思えます。そもそも楽器製作であるとか、ヴィンテージ楽器を多数所有していたというアドバンテージはあるものの、やはり並々ならぬ熱意を感じます。製作の裏側にある身体的ダメージも相当なものでしょうから、彼には長生きしてもらって、ゆっくりとしたスパンで、良いものを作って欲しいなと思っていますが、まぁ余計なおせっかいではありましょう。
 また、トライアングル作家の北山靖議(きたやま やすのり)さんも友情出演され、音の飛び方の解説の実例として、彼のトライアングルを実際に披露。このおふたりは一緒にトルコに旅行してシンバル職人や工場を訪ねており、根っからの凄まじいシンバル&楽器好きです。このふたりのコンビは、類は友を呼ぶどころか、なんだかすごい運命なのだろうなと感じています。



カンファレンス#04:小出俊雄(Koide Cymbal)
「シンバル製作解説と独自合金を使った製品紹介」
~シンバルの基本から素材、製法についての紹介~
~Fezr紹介とドラムテックつっちーさんによる試奏~

 ぎゅうぎゅう詰めの会場が、山本学氏というふいごに煽られた炭火のようにさらに温度が上がったところで、小出社長の登場です。シンバル製作、加工について解説。昔と今の、合金を伸ばす方法の違い、熱した合金を急冷することの意味、ハンマリングによってどういう理屈で、シンバルがあの形状になり保っているのか。そして、当初は仕入れていた原材料を、合金の配合も独自に実験を重ねながら国内調達に持っていった流れ、そうして出来上がったB23Ti、さらに最新モデルであるFezrを紹介。銅と錫によるシンバル合金に、鉄とジルコニウムを混ぜた時に、シンバルが鳴らなくなるという現象を捉え、ディケイの短いモデルとして発表されています。
 ここで、今回新宿編に来ていただいたドラムテックの土田嘉範(つっちー)さんに、このFezrを試奏していただきました。長きに渡り、日本のトップミュージシャンに限らず海外アーティストのツアーも経験されてきたつっちーさんは、昨年末の宇多田ヒカルさんのツアーの時に、タムの余韻を小数点以下のオーダーで調整してくれと言われたそうです。そうしたシビアな現場で要求される楽器のポイント、Fezrの活躍どころについて小出社長とトーク。Fezrは現時点でライドとハイハットがあり、クラッシュは製作中とのことですが、主催メンバーも参加者の方々も、ハイハットのキレの良さに注目していました。
 小出社長は、加工についての説明をとても丁寧にされていましたが、シンバルの製作や加工に興味を持っている人がいることに対して、扉を開いて、本当にやるならば、役に立つ大事なことを伝えておきたいという気持ちがを示されているようでした。他の3人が、自分の考えややり方を紹介することがメインなのに対し、小出社長は参加者の方々の要求に対して応えようという姿勢なのだと思います。



カンファレンス#05:横山和明
「4者のシンバル試奏」


 そして解説が続いた後は、実際の音を聴いていただくという意味で、4者のシンバルをジャズドラマー横山和明さんに叩いていただきました。違うシンバルセットを、一人のドラマーが叩くとどうなるのか。山村→延命寺→山本学→小出(敬称略)の順で叩いていただきました。
 演奏において、ドラマーの技量、奏法やフレーズ、楽器の特性というものはどう関わるのか。弘法筆を選ばずか、馬子にも衣装か、楽器によって演奏はどう変わり得るのか、演奏者は楽器によって何をどう変えているのか...。こうしたことを、言葉ではなく、音を聴いて感じてもらうには、横山さんは適任中の適任と言えます。もちろん、それぞれ造り手が叩くことにも意味はありますが、横山君の試奏は超越していて、どの視点から見ても、答えが潜んでいるように思います。
 動画もありますが、こればかりは、やはり目の前、その場の空気で感じていただくのが一番です。大阪工場でもそうでしたが、やはりこの試奏によって数々の解説もまた腑に落ちる、そんな風になれたのではないかと、主催側としては自画自賛になりますがそのように思っています。



カンファレンス#06:土田”つっちー”嘉範 + 山の会[山本拓矢、横山和明、山村牧人]

 そして今回、さらにもうひとり登場していただいたのが山本拓矢さん。彼もまた並々ならぬ熱意で楽器に精通し、演奏活動の中で実践を繰り返しています。音楽や演奏の感性という面と、楽器の構造やマテリアルに関しての考察も鋭い人ですね。我々は彼のことを「博士」と呼んでいますが、楽器考察に関しても本当に信頼できるひとであり、しかしただスペックにこだわるというものではなく、一般の人にも通じる音の心地良さ、綺麗さといった要素と、演奏や現場に関わる人達も納得できるバックボーンや考察が滲み出る人です。
 ちょうど、所属するバンド「bohemianvoodoo」の新譜が出たタイミングということで、アルバムの宣伝をしていただいた後、この日の頭から試奏までを見ていただいた中で思ったことを、というような丸投げな質問をしました。「自分がこれを使いたい」と思うことも音楽の中ではエゴになることもある、という深い言葉をいただきまして、もうある意味終了でございます(笑)


 さて、山本拓矢さんと横山さん私の3人は、山の会という名前を付けてネット上に記事を出したり、このロックインでもセミナーをやらせていただいておりました。その活動を見ていたつっちーさんが、以前から「山の会と何かやりたい」と仰っていたので、ここで大変短い時間ながらそのような場面となりました。いくつか私から質問を投げさせていただき、お三方にお答えを頂戴いたしましたが、そもそも主催側の全員が、ひとりでも3時間は軽く話せるであろうメンバーばかりなので、時間が絶望的に足りないことだけを反省する次第です。横山さんも山本博士も自前のシンバルも持ってきていただいていたのに、時間的に追われて試奏できなかったことも悔やみつつ猛省しております。

<閉会!そして熱狂の歓談タイム>

 そして最後に全員並んで、ロックイン新宿スタッフの木下さんによる閉会の儀と、全員集合で写真撮影。この時点でカンファレンス開始から4時間。参加者の方々もこれで解放!という場面でしたが、いやしかしそこからがまた濃かったんです。会場に残って、それぞれ思い思いに主催メンバーに話しかけ、シンバルを見せ合ったり、質問&解説、そして試奏...。実は、大阪の時に比べて東京はカンファレンス中の反応がクールだなと思うところもありましたが、終了後の質問しまくりを見ると、熱意の現われ方の違いかなと思いました。シンバル加工というのは、大きなリスクと、そしてメーカーへのリスペクト、音楽への還元を忘れてはならない行為だと思いますが、これからもシンバルを核に様々な人達が想いをぶつけ、混じり合い、影響され合うことが起きていくと素晴らしいなと感じます。


<振り返って>

 さて、新宿編のレポートもこれにて終了であり、前回に続きまたまた私の駄文を晒す場面であります。しかしその前に、以下ご紹介します。まず、イベント後に延命寺さんから頂いたメールの一節です。

「ほんとに、あの場は最高だったんですよ、同じようで全然違う人達が集まって、会って話さなければ批判し合うだけの関係だったかもしれない、それがあんな風に融合してまた新しい物が生まれようとしてる、そう感じます。(延命寺)」

 これに尽きるなと思っています。正直、私は他の人のシンバルがどうであろうとも、そして自分が多少加工をするとは言え、誰かのものまでどうこうしようとは思いません。気に入ったシンバルになってくれれば、あとはとっとと演奏して楽しみたいのです。しかし、なぜかいつしかみんなで集まったりするようになって、自分も他の人の試みからインスピレーションをもらったり、逆に自分の方向を確信したり、みんな思ってることバラバラだな〜でも根っこはなんか同じだよな〜と思うこともあり、こうして集まれて、そして大阪の後に、山本学さんも延命寺さんも新作に着手して新宿でお披露目しようとする心意気。有り難いことと思います。

 さらに、その後、私がこのレポートがうまく書けずにノロノロしていたところ、つっちーさんが文章を書いてくれました。是非クリックしてお読みください。

 〜僕がシンバルカフェに参加して感じたこと〜 ドラムテック 土田”つっちー”嘉範

 つっちーさんには、以前から、サンフランシスコにある「CITY LIGHTS Booksellers & Publishers」という書店で行われたワークショップの話を聞いていました。学びの本質とは何か。何が人を学びに導くのか。TEDのような著名なものに限らず、ワークショップというものが持つ意義というものは、自分も昔から感じることがあります。シンバルカフェをそうしようと思って今回企画したわけではありませんが、いずれ、ゆくゆくは、ドラマーが集まり、ゆっくり時間をかけて音楽やドラムについて話をしたり何かを紹介し合うようなことが出来たら最高だなとは思います。

 余談ですが、私は以前、リズム教育研究所、通称リズケンのホームページの中に「ボカ〜ン」という遊びページを作りました。私にとって、リズム教育研究所はワークショップの塊みたいな場所ではありました。それを見て「俺にも書かせてよ」と言ってくれたのが、つっちーさんとも繋がりの深い浅草JPCの西尾さんで、「楽器オモテウラ話」という記事を連載してくれました。ギャラは焼肉1回。その他、パーカッショニストの萱谷亮一さんも同様に、俺も書いてみたいっすといって「ここ試験に出ます」という記事を寄せてくれました。こうした連鎖的なものというのは、おそらく誰もが常日頃感じていることを、場所があればアウトプットしてみようとする呼び水になるのだと思います。今回のつっちーさんの寄稿もとても嬉しく、参加して頂いただけでなく、文字にしていただけるということが、本当に有り難く思います。

 世界的アーティストとのテック経験を持つつっちーさんが、なぜ私と関わってくれるのかよくわからないのではありますが、昨年はレッスン室に来て頂いて学生達に話をしてもくれました。音楽の現場で行われてきたことの変遷や、SNSなどで垣間見えることとの乖離を気にされている部分もあるかもしれません。そうしたこともまた、今回のシンバルカフェの呼び水になったことは確かです。チョロチョロと流れ出た湧き水が、少しずつ寄り集まって、いつしか川の流れになって、海に辿り着く、なんてカッコイイことを言ってみたいところではありますが、沼になって終わりでしょ、というオチがミエミエであります。

 そしてさらに、当日はリズム&ドラムマガジン編集長にもお越しいただき、2019.06号のパブリシティページで、イベントのレポートを紹介していただきました。感謝あるばかりです。

<イベントの裏側>

 今回、主催側の方々全員には手弁当で参加していただき、全員が趣旨への賛同のみで行ってくれました。協力していただいた三木楽器、ロックイン新宿の両楽器店も利益など上がっておらず、これはまったくもってプロのイベンターの仕事ではありません。ある意味やってはいけないパターンかもしれません。しかしだからこそ、全員が言いたいことを言い、営業絡みで言えないこともなく、言わなくてはならないこともなく、ただ剥き出しにシンバルへの気持ちというものを出せる場であったと思うのです。そして、それを無理にまとめようとか、誰かに合わせようということもなく。

 そして参加者の方々も大変遠くから集まっていただいたり、シンバルへの熱意と共に、差し入れなどもたくさんいただきました。本当に素晴らしいメンバーと参加者の皆さんに集まっていただけたと感謝しております。

 この日、イベント後に打ち上げを行いましたが、そこで出てきた会話の濃さと熱さと切れ味の良さ。ああいうものをもっともっと初心者や一般の人にも知ってほしいくらいで、ああいうのを体験したら、大概の疑問や小さな躓きはどこかに飛んでいってしまうのではないでしょうか。なかなか公の場面では話しにくいものではありますが、いつかそうした現場に関わる人達の「途方もない経験量」「飽くなき勉強量」「素の熱さ」みたいなものがより一層ダイレクトに感じられる場が作れたらなと思うところではあります。

 シンバルカフェが行えたのはある意味偶然の流れなのですが、多少の風向きの観察や、船漕ぎはしています。演奏をする側と聴く側。シンバルを作る人と買う人。加工をしてしまう人としない人。自分もそうでしたが、あちら側とこちら側、という構図というものの中で、どうやったら自分もできるようになるんだろうというのは、ジャンルを問わず良く聞かれる質問の本質にありがちなのかなと思います。行動しなくちゃ始まらない、そしてそれはまず1人で行って、自分の力で達成させていかないと意味が無い。しかしその行動が次に繋がるには何が必要なのか。そんな視点から、シンバルカフェを題材に書いてみたいと思います。

 ただ、ここから先は、私個人の意見であり、今回のシンバルカフェのメンバーの総意ではありませんので、リンクで飛ぶ別記事としたいと思います。ご一読いただければ幸いです。

シンバルを削っていて起きたこと(山村牧人)>

 長々と読んでいただきありがとうございました。僭越ながら、手作りの楽器、手作りの音楽、手作りのイベントの楽しさが伝わってほしいと願うばかりです。

[文:山村牧人、撮影:主催メンバー一同、高橋洋一さん、ロックイン新宿スタッフ、動画編集:延命寺 a.k.a emj /企画:@BPM128 copyright 2019 All rights Reserved.]

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