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キューバな生活はじめてみました。

「キューバってところはね」と、ときに熱く語ってしまうことがある。
五感がさえわたり、心が揺り動かされ、そして、うーんと考えさせられる、またとない旅先だから。

社会のシステムが、だいぶ日本と異なるキューバ。この国のことを知りたいと、しつこく思い続け、たくさんの人と経験を分かち合ってきた。

それでも、なかなか解けないナゾがある。

なぜキューバを訪ねているときの自分はとてもリアルなのか。
日本に帰ってくると、「生きている現実味」がうすれてしまうのか。

首都、ハバナにある海沿いの通りは週末の夜、地元の人たちが多く集まる。友人に頼んで、連れていってもらった。真っ暗な海が運んでくる空気で涼み、初めて会った人たちの冗談に腹を抱えて笑い、流しのミュージシャンの風にかき消される歌声を味わい、野外のホームパーティみたいな気ままな空間に身をゆだねていたら、「これまでの日本での日々は夢だったのだ」と思えるような、濃ゆい「今」を味わうことができた。

高級レストランでも、高級ホテルでもない。野外でただ、流れゆくときを過ごしているだけ。なのに、満ち足りている。心が躍ってる。なぜこんなに、ぜいたくな心持ちなんだろう。

コロナの状況でキューバに行けなくなり、ふと考えてみた。これはキューバだから可能なことなのだろうか。ハバナの海岸通りで、私が弾んだ「今」を、日本で再現できないものか。

というわけで、キューバの生活をはじめてみました。

続く

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