『文体の舵を取れ』練習問題①文はうきうきと 問2

一段落くらいで、動きのある出来事をひとつ、もしくは強烈な感情(喜び・恐れ・悲しみなど)を抱いている人物をひとり描写してみよう。文章のリズムや流れで、自分が書いているもののリアリティを演出して体現させてみること。

 やたらめったらはちゃめちゃにボタンを押し、どうか何処かにとまらないかと見えないものに強く祈る。匣は心なしか加速している。掌の汗がとまらない。スタタスタタと赤や緑の階が映っては消え、時折強い光を放つ階がよぎる。時をかけるこの匣がどこに降りるのかは知らされない。気が遠くなる未来も太古の過去も望まない、そんな僕の意向などはるか脇へと追いやられ、縦に横にと光が流れ、ひたすらに振動は強くなる。どうか、どうか。僕をなす輪郭がとろけだし、胸の拍動だけになり、幾多のノイズに紛れ意識の在りかがわからなくなったころ、おおきな重力の反動を受け匣が停止した。

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こういうことでいいのかな?と首を傾げつつ、練習なのでまあいいか。

他の方のを拝読すると、一段落どころか一つの物語になっていてすごいです。