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大井川水系の現状をトータルに視る  ーリニア中央新幹線建設に伴う南アルプス直下トンネルの影響についてー

大井川では田代ダムから富士川水系へ毎秒5トンの湧水が、約百年の間続けられています。この水利権は東京電力が保有しています。
更に大井川水系の電源ダム建設により、ダム上流部への土砂堆積が進んでいます。
 
大井川には現在32のダム・堰堤が存在し,一部のダムは上流側で土砂堆積・河床上昇・バックウォー ターの末端における洪水,下流側で土砂供給不足による河床低下を起こしており,海岸では河川からの土砂供給不足等による海岸線の後退が続いている。(発電ダム建設に伴う大井川の流況の変遷 - J-Stage)
 
中部電力発電所間の導水管使用による、大井川の表流水の減少も生じてきました。
 
中部電力も住民との対立は企業イメージへの深刻な打撃を与えることを危惧し、4月に塩郷ダムより毎秒3トン、大井川ダムより毎秒1トン、寸又川のダム群より毎秒0.6 - 0.7トンの河川維持放流を行うことを表明、大井川に25年ぶりの流水が復活した ...
 
平均流量: 30.9 m³/s, (神座観測所1991年 - 2003年)水系: 一級水系 大井川
延長: 168 km種別: 一級河川大井川 - Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/大井川
 
 大井川開発の矛盾を解消しようと、国は長島ダムを建設しました。長島ダムからの利水も、さらに広域、多様になりました。
ダムからの放流の際、シルト(砂と粘土との中間の粒径(りゅうけい)をもつ砕屑(さいせつ)物。)といわれる濁りの水が放流されます。 このシルト質は河原を流れる中でも、浄化されることがないようです。 太陽の光を遮断し、川の中に苔が育たず、鮎など川魚への影響も出ます。
 
リニア中央新幹線工事に伴う土木工事の増加。
河川管理における堆積土砂の排除など、さまざまな土木工事のトラック輸送が増加しています。
このような、地域社会になっていくことを流域住民は望んでいません。本来の自然の姿を維持する中で、地域社会が無理なく維持されることを望んでいます。静かな本来の自然景観が、残されることこそ地域観光の重要な要素と考えます。土木国家・日本にならないよう望みます。

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