見出し画像

本当の自分③

大喜びで海岸に駆け出していった二人。
自分たちがしたい花火を見繕い、皆に混じるでもなく二人だけで海岸の端っこで大騒ぎしながら花火を楽しんでいた。

あれ、なんで?幹事よね。。

ふとブラックな感情が浮かんだが、とりあえず目の前のことに対処していくのに必死だ。

火を初めてみました!なんすかこの明るいやつ!みたいな好奇心満載の2歳児がロウソクに突撃していくのを抑えたり、

火の消えた花火を入れているバケツに腕を突っ込んで、職人みたいな顔しながら黒い水から何かを探してる幼児がいたり、

危ないから別に置いて隠してたのに、ロケット花火を出してきて手持ち花火と間違えて手元で爆発させる33歳児がいたり、






笑顔で幼児に対応したり、33歳児にガチで怒ったりしながら、ちらっと彼女たちを見ると、



手持ち花火を両手に持ち、火をつけて海岸の端から端までどっちが早く走れるか競っている。

楽しそう。
うん、とっても楽しそう。

いくら大量に買っていても、これだけの人数が一斉に花火をすればあっという間に花火はなくなる。

とても長い時間に思えたが、なんとか最後の打ち上げ花火をあげ、後片付けに入った。


子連れのメンバーはお礼を言いながら帰っていく。
後片付けできる人たちも皆で協力して作業した。


あーよかった。何とか終わった。

やれやれと思っていると、さっきまではしゃぎまわっていた2人が私の前に満面の笑みでやってきた。



そして一言。


「マコさん!今日は幹事ありがとう!」


言葉を失い、何も返せなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?