見出し画像

旅に出る:韓国の場合⑦

私たち4人はほぼ同年代だったが、その中で1人だけすこし歳の離れたお姉さん的存在の人がいた。
彼女だけ職歴も長ければ、職階もすこし上だった。
ただとんでもないアニメ声なので、全く威厳がなく、私たちからは完全ないじられキャラとして愛でられていた。
本人は自覚ないだろうけど。



そんな彼女はこの時、
「マコが助手席で頑張ってくれたのだから、次は私がしっかりしないと!年上だし!」と
謎の責任感を発動していたらしい。



道の反対側に向かうには、一度地下鉄の地下道に降りて反対側に向かう必要がある。

皆先を急いで小走りだ。
特にその先輩の彼女は猛ダッシュで走っていた。

なんであんなに急ぐんだろう?と私は不思議に思ったが、
責任感が彼女を突き動かしていたんだそうだ。


彼女はその勢いのまま、階段を駆け上がり、
POLICEとかかれたその建物の扉を勢いよく開けた。






「ヘルプミーーーー!!!」


轟いたアニメ声に韓国ポリスの方々は
一斉にざわついたらしい。



彼女は続けてこう言った。






「キャンユー スピーク ジャパニーズ?」







ポリス曰く、
「ノー!」




彼女のターンは10秒で終了した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?