旅に出る:韓国の場合⑩

昨日のアレはもうなかったことにしよう。


韓国には楽しみにきたのだ。また2日目が始まったばかり。
ここからはきっと楽しいことばかりだ。

我らは決意も新たに出かけた。


まずは免税店!お買い物天国だー!!!!

とホテルを飛び出たが、移動手段はタクシーだ。

どうしたって、アレがよぎる。


全員がタクシーの会社名、色、記載内容に
極めて神経質になり、タクシーに近づくまでに、厳選に厳選をする。

そうして、これなら!と選び抜いたタクシーにも、まず私がタクシー運転手に英語で声をかけつつ、
メーターがみえるようになっているか抜け目なく確認し、
更に「ここから●●に行きたいんだけど、いくらくらいかかるの?」と必ず先に聞いて、更なる厳選を重ねてやっと乗車していた。


明らかにアレにやられている。


しかもそれを35度は超えている真夏のソウル市内で太陽にさらされながらやっている苦行。
しかも睡眠時間は3時間弱。

あっという間にHPを奪われヘロヘロになったが、免税店に着くとお買い物ヤッハーの友人達は意気揚々とブランド品とコスメの山にのまれていった。そうヤッハーではない私以外の3人は。

私はといえば、欲しかった財布を2分で購入したあとは、頭痛に襲われながら免税店の中にあるカフェで時間を潰した。

今思えば明らかに熱中症。
かわいそう、私。


その日の午前中は免税店でたっぷりとショッピングし、昼からもカロスキルという韓国の原宿と呼ばれる街に行きそこでもまたショッピング。



つい半日前に人生最大の危機にさらされた人たちがこなすスケジュールじゃなくないか?

と、言葉にできるわけでもなく、疲れ切った体を引きずり後ろからノロノロついてく私の気持ちは早くも夜のエステに飛んでいた。

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