『Abodah Zarah』17a(バビロニアン・タルムード)

[ラッビ・アキヴァの発言]…[ラッビ・エゼキエルよ、ひょっとして[かの]異端(מינות…キリスト教を指す。[cf. 使徒 24:5])があなたの面前に来て]、あなたはそれに好感を持ったので、それが理由であなたは責任がある[と見なされ逮捕された]のではないか。[ラッビ・エゼキエル]は以下のように言った。…アキヴァよ、あなたは私に以下のことを思い起こさせた。かつて私がツィッポリの高い市場を歩いていたが、私はナザレ人イェシュー(ישו הנוצרי)の生徒たちの一人のある人物を見出した。彼の名はケファル・セカニヤ人ヤコブ(יעקב איש כפר סכניא)であった。彼は私に言った。「あなたの律法にはこう書かれている。『娼婦への支払いを[神殿に]持ち込んではならない。』[申命記 23:19]では大祭司の閑所をそれから造ることについてはどうなのだろうか。」私は彼に何も言わなかった。

彼は私に言った。「ナザレ人イェシューは私に以下のように教えた。『娼婦たちが集めた彼女への支払いから成るのだから、娼婦への支払いへと還ることになる。』[ミカ 1:7]不浄な場所から来たものは、不浄な場所へと行かせよう。」

そして私はこの言明に好感を持った。これによって、私は[かの]異端[に関する嫌疑]のために逮捕された。律法に書かれたことを侵犯したのである。[箴言 5:8]「あなたの道を彼女から遠ざけよ、」(これは異端のことを言っている)「そして彼女の家の入口に近づくな。」(これは統治する当局のことを言っている)

ここで「あなたの道を彼女から遠ざけよ」は[かの]異端と統治する当局のことを言っており、「そして彼女の家の入口に近づくな」は娼婦のことを言っていると[の解釈]を言う者たちもいる。そして[娼婦との間に維持すべき距離は]どれくらいか。ラヴ・ヒスダが言った。…四キュビトである。

賢者たちはこの「娼婦への支払い」からどんな[解釈]を引き出すか?これについて[賢者たちは]ラヴ・ヒスダと合致しており、ラヴ・ヒスダが以下のように言った如くである。…自身を雇ういかなる娼婦も最終的には、[自分と性交渉させるべく他者を金で]雇うようになる。こう述べられている如くである。「あなたが支払いを為して、あなたに支払いが為されないということにおいて、あなたは[他の娼婦たちと]逆なのである。」[エゼキエル 16:34]

そして[ラヴ・ヒスダは]ラッビ・ペダトの[意見]に同意しない。ラッビ・ペダトが以下のように言っている如くである。…律法は禁じられた性的諸関係に携わることに関連する親密のみを禁止した。以下のように述べられている如くである。「あなたがたの誰も、自分の近親のいかなる者に近づいて、彼らの裸を露わにしてはならない」[レビ 18:6]

ウッラ[Ulla]が学堂から来た際に、彼は自分の姉妹たちの手に口づけしようとした。そしてある者たちはこれが胸であったと言う。それで彼は自身の[言ったこと]と矛盾している。ウッラは言っている。…単なる親密だけでも、禁止されている。以下による。「行け、行け、我々はナジル人に言おう。行きまわれ、行きまわれ、しかしぶどう園には近づいて来るな。」

「大きな蛭には二人の娘たちがいる。与えよ、与えよ。」[箴言 30:15] 「与えよ、与えよ」とは何か。マル・ウクヴァは言っている。…ゲヘナから叫ぶ二人の娘たちの声である。この世において「与えよ、与えよ」と言っているのである。  そしてそれは誰のことか。[かの]異端と、統治の当局のことである。ある者たちによれば、ラヴ・ヒスダによれば、マル・ウクヴァはこう言っている。…ゲヘナが叫び言う声である。「この世において『与えよ、与えよ』と叫び言う二人の娘たちを与えよ。」

「彼女のもとに行ったものは誰も還らない。彼らは命の諸々の道に達することもない。」[箴言 2:19]還らないならば、[そもそも]どこから[命の諸々の道に]達するというのか。これは以下のようなことを言っている。[つまり]もし彼らが還ったとしても、命の諸々の道に達することがない。

[これは]誰でも[かの]異端から[悔悛して]離れる者は死ぬということを言うのか。しかしラヴ・ヒスダの面前に来た彼女が彼に行った。「[自分の犯した]軽い[罪]の最も軽いものは、自分は自分の最年少の息子を自分の最年長の息子によって身籠ったことである。」そしてラヴ・ヒスダは彼女に行った。「[すぐ死ぬのだから]自分の葬儀の白布を用意せよ。」しかし彼女は死ななかった。

彼女は身籠ったことを[自分の]軽い[罪]の最も軽いものと言ったことから、彼女は[かの]異端にも関わっていたことが推論される。それは適切に悔悛しなかった事例であり、それにより彼女は死ななかった。

以下のようなことを言う者たちもいる。…[悔悛すると死ぬというのは]異端についてはそうだが、[姦通の]罪についてはそうではないのか。しかしラヴ・ヒスダの面前に来たその者にラヴ・ヒスダは、彼女のための葬儀の白布を用意するように言って、彼女は死んだだろうか。 彼女は[自分の]軽い[罪]の最も軽いものと言ったことから、彼女は[かの]異端にも関わっていたことが推論される。

それで[その]罪については[死な]ないのか。しかし以下のように教えられているではないか。…彼らはラッビ・エラザル・ベン・デュルダッヤについて以下のように言った。彼はこの世の一人の娼婦をも性交渉せずに残しておくことはなかった。一度、外国の諸都市の内に、自らへの支払いとしてディナール[硬貨]で[満ちた]財布を取る一人の娼婦がいることを聞いて、彼はディナール[硬貨]で[満ちた]財布を取って、七つの川を渡って彼女のところへ行った。慣れ親しんだ行為の際、彼女は放屁して言った。…この放たれた屁がその場所に還ってくることが無いように、エラザル・ベン・デュルダッヤも悔悛において受け入れられることはない。

彼は二つの諸々の山と諸々の丘の間に行き、座って、言った。…諸々の山と諸々の丘よ。私のことについて、憐れみを祈りたまえ。 それらは彼に言った。…我々はあなたのことについて憐れみを祈る前に、自分たち自身のことについて憐れみを祈らなければならない。 こう述べられている如くである。…というのも、諸々の山は去り、諸々の丘は除かれるであろう。[イザヤ 54:10] 彼は言った。…天と地よ、私のことについて、憐れみを祈りたまえ。 それらは言った。…我々はあなたのことについて憐れみを祈る前に、自分たち自身のことについて憐れみを祈らなければならない。 こう述べられている如くである。…というのも、天は煙のように消え去り、地は衣服のように古びることになる。[イザヤ 51:6]

彼は言った。…太陽と月よ。私のことについて、憐れみを祈りたまえ。 それらは彼に言った。…我々はあなたのことについて憐れみを祈る前に、自分たち自身のことについて憐れみを祈らなければならない。 こう述べられている如くである。…それで月は狼狽させられ、太陽は恥じ入らされることになる。[イザヤ 24:23] 彼は言った。…諸々の星と諸々の星座よ。私のことについて、憐れみを祈りたまえ。 それらは彼に言った。…我々はあなたのことについて憐れみを祈る前に、自分たち自身のことについて憐れみを祈らなければならない。 こう述べられている如くである。 …そして全ての天の軍勢は朽ち去る。[イザヤ 34:4]

[彼は]言った。…この問題は他の何ものでもなく私自身にかかっている。 彼は自分の両膝の間に自分の頭を置き、自分の魂が発つまで大声で泣き叫んだ。神的な声が現れて言った。…ラッビ・エラザル・ベン・デュルダッヤは来たるべき世において生命に運命づけられた。 ここではその[姦通の]罪があって、死んだ[ではないか]。そこでも、彼は非常に強く[その罪に]結び付けられていたため、異端[に属すること]と類似している。

ラッビ[イェフダ・ハ・ナスィ]は涙を流して言った。…自分のことについて長年の後に獲得する者たちがおり、そして自分のことについてある瞬間に獲得する者たちがいる。 そしてラッビ[イェフダ・ハ・ナスィ]は言っている。…諸々の懺悔が受け入れられているだけでなく、彼らは[神的な声によって]こうまで呼ばれている。「ラッビ」と。

ラッビ・ハニナとラッビ・ヨナタンがかの道にそって歩いていたが、彼らはとある二つの小道のところに来た。一つは偶像崇拝の入口の方へと枝分かれしており、一つは売春宿の入口の方へと枝分かれしていた。一方が他方に行った。…偶像崇拝の入口の[側の道]を行こう。



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