『教会史』第3巻 第4章 使徒たちの第一の継承者たち

第4章 使徒たちの第一の継承者たち

1節

パウロが異邦人たちへと宣教し、エルサレムからイリュリクムに至るまでも巡って諸教会の基礎を据えたということは、彼の言葉[ローマ 15:19]とルカが[使徒]行伝において為した報告の両方から明らかである。

2節

そしてどれだけ多くの地域でペテロがキリストを宣べ伝え、割礼している者たちに新しい契約の教義を教えたかは、既に異論なきものとして言及された彼の書簡における彼自身の諸々の言葉から明らかである。そこで彼はポントス、ガラテヤ、カパドキア、アジア、ビティニア[1ペテロ 1:1]におけるヘブライ人の離散者たちへと書き送っている。

3節

しかし彼らの間にいる者たちのうち、使徒たちの真実で熱心な追随者となり、彼らによって設立された諸教会に貢献するに相応しいと判断された者たちの数や諸々の名は、パウロの諸々の著作において言及されている者たち以外には、述べることは容易でない。

4節

というのも、[パウロ]は、数えきれないほどの共に働いた者たちと共に戦った者たちがいた。[パウロ]は彼らをそのように呼んだのである。彼らの大半は[パウロ]によって不滅の記憶を以って名誉を帰されている。というのも[パウロ]は彼自身の諸々の書簡において彼らについて永続する証言を為したのである。

5節

ルカもまた[使徒]行伝において彼の友たちについて話し、名をあげて彼らに言及している。

6節

テモテは、そのように記録されているのであるが、エフェソスの管区の監督職を受けた第一の者であった。テトスがクレタにおける諸教会の[第一の監督]であった。

7節

しかしアンティオケアの家柄の出であり、職業では医者であるルカは、特にパウロと親密であり、他の使徒たちとよく知り合っていたが、彼は我々に二つの霊感された書を残した。それは彼が[使徒たち]から学んだ霊的な癒しのわざの諸々の証拠であった。これらの書のひとつは福音書であり、それについて[ルカ]は最初からの目撃証言者たちと[御]言葉の奉仕者たちが彼に伝えたように書いたと証言している。[ルカ]が言うように、彼ら全てについて、[ルカ]は最初から正確に追った。[ルカ 1:2-3] 他方の書は使徒行伝であり、彼はそれを他の者たちの諸々の報告からは著さず、彼自身で見てきたものをから[著した]。

8節

そしてパウロは、彼があたかも彼自身の何らかの福音書について語るかのおように「私の福音書に従えば」という言葉を使う場合はいずれも、ルカの福音書への言及を意味していたと言われている。

9節

残りの[パウロ]の追随者たちについては、パウロはクレスケンスがガリアに遣わされたと証言している。しかしテモテへの第二の書簡において彼がローマへの彼の同行者として言及しているリヌス[2テモテ 4:21]は、既に示されたように、そこの教会の監督職においてペテロの後継者となった。

10節

クレメンスは、ローマにおける教会の第三の司教として任命されたが、[彼]もまたパウロが証言するように、彼と共同の労働者であり戦士仲間でった。

11節

これら以外に、ディオニシオスと名付けられたアレパゴス[議]員は、パウロのアレオパゴスにおけるアテネ人への演説の後に信じた第一の者であったが(これはルカによって[使徒]行伝において記録されている)、[彼]はもう一人の古代の著述家でありコリントにおける管区のの牧者であったディオニシオスによって、アテネにおける教会の第一の司教として言及されている。

12節

しかし使徒継承に関連する諸々の出来事は、適切な時に語ることになる。しばらくの間は我々の歴史の進行を続けよう。


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