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MINAMATAと水俣

映画MINAMATAを先々週見てきました。ジョニー・デップの特別ファンではないし韓国映画はしょっちゅう観るのですが、洋画(といっても洋画ぽくはないけどね。)は滅多に映画館で観る事ないのですが、テーマが水俣なので行ったわけです。

いろんな方が観たあとの感想をあげているのをあちこちで見かけます。大絶賛の人。違和感があった、事実とだいぶ違うという人、とりあえずミナマタを知ってもらうきっかけに観てほしいという方、いろいろなのです。

現実にあったこと実在した人物のものの映画は、いろいろ難しい面があります。特にミナマタのようなテーマは、それぞれの知っているミナマタやその思い入れ、観る人の生きてきた背景によって違うだろうなぁと映画を観終えて思ったしいろんな人の書いている感想などを読んでさらにそう感じています。

水俣病というものをどれくらいの人が認識しているだろうか?私の年齢くらいだと教科書の中で出てきた日本の公害の中のひとつ。例えば自分が生まれ育った場所が近くなら教科書だけの認識ではないだろう、また生まれた年代にもよるよなぁ。とも思うのです。

私が水俣病を扱ったドキュメンタリーを観たのは、台湾在住時であり8年前くらいに台湾のnpoを手伝っていた時にそこで毎週やっているドキュメンタリー映画を観る日に、何本かの水俣がテーマのドキュメンタリーを観たのが初めてだったと思います。映像としてがっつり、40代まで観る機会はなかった。台湾で日本では観る機会がなかった映像を観るとは思いもしなかったのが正直なところです。

ユージンスミスの写真集は自由の森学園の図書室にあったので知っていました。原発が爆発したあと、その写真集をまゆこさんが借りてきた記憶があります。共通する10の手口を知りその写真集を借りてきたのだったようなきがします。

さて、肝心のジョニー・デップ主演の映画MINAMATAですが、もちろんドキュメンタリーではないので、こまかいところが事実と違う、などは当然あることでしょう。そんなことは気にはならないのだけど、とてもわかりやすくストレートな感じの映画でした。ユージンスミスの映画なので当然、言語的にも英語の感情表現ですし、ハリウッド映画とついつい韓国映画を比べて考えても仕方ないのですが、韓国映画は感情面の表現するのが叙情的であることが多く実際にあった社会問題をテーマにした映画などはかなり感情が揺さぶられます。そんなことをちょっと思いながら観終えたあと帰路につきました。

それにしても、日本ではいつまでたっても権力を握るもののやり方は変わりません。弱者がいつまでも救われることのない国です。それと同時に解決していないものを見えなくすることに黙って協力するように口をふさぎ目をふさいできている多くの凡庸なる人々も変わらないのだなとあらためて実感してしまいました。

この映画をきっかけに、この国のいろんな負の部分を考える知る若い世代が増えてほしいと願う秋の夜です。

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