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借金生活

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現在も続く借金との奮闘記。真面目な青年が落ちぶれていく物語です。
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記事一覧

消費者金融からお金を借りた話 10

つづきです。

渡辺と一緒に働き始めて二ヶ月がたった。

新しい職場にも慣れ、せっせと働く日々を送っていた。

もちろん給料でお金は返済した。

そして4年目の大学がスタートした。

残りの単位はかなりあるが、留年が決まっていた私は残り2年あるのでマイペースで通っていた。

相変わらずパチスロには行っていたが+と-を繰り返し、借金をするほどではなかった。

真面目に大学に通っているうちにいつも隣に

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消費者金融からお金を借りた話 9

つづきです。

私は絶望の淵に立っていた。

春休みに入った大学から成績の通知がきた。

「来年度は卒業できません。」

それはそうだろうと思った。

残りの学期すべてをフル単でしのがなければ卒業できないという崖っぷちの状況下でビジネス活動などという行為に没頭していては単位などとれるわけがない。

心のどこかで卒業はできないと思っていた私は絶望を感じる反面逆にすがすがしかった。

もう一年頑張って

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消費者金融からお金を借りた話 8

つづきです。

朝から準備をする。

前日にしとけばよいものをいつも直前になってからしてしまう私の悪い癖だ。

なんとかなるだろう。

この言葉はいい意味で捉えるならば
前向き、即時状況対応に優れる

しかし悪い意味で捉えるならば
無計画、現実逃避思考となる。

私が現在のような状況におちいったのもこういった私の人間的な部分が原因なのであろう。

私のノートを読んでくださっている方に言いたい。

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消費者金融からお金を借りた話 7

つづきです。

迎えたテストの日。
早くに起き準備をして家をでた。

7月の暑い気候は服に染みを作った。

額に汗を浮かべ私は電車に乗り込んだ。

テストを無事に終え、手応えを感じていた私は肩の力が抜けた。

これだけ頑張ったのは久しぶりだ。

その足でアルバイト先にむかいシフトの確認をしに行った。

私の勤務時間は17時から24時まで。

その日はシフトには入っていなかったので18時頃に店に寄る

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消費者金融からお金を借りた話 6

つづきです。

私はうろたえていた。

渡辺からお金を借りてから3ヶ月がたち
月々3万づつ返していたので残りは11万である。

今日は15日。
私の給料日は20日なので手元にお金はまったくない。

とりあえず何があったのか聞いてみることにした。

「いやー、ちょっと負けこんで。俺も支払いとか色々あるからさ。少しおおめに返してくれればいいから。全部返せとは言わないよ。」

そうだ。忘れていた。
渡辺

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消費者金融からお金を借りた話 5

つづきです。

3年生になった私は毎日気分がよくなかった。

それはそうである。
友人などから借金をしているのだから。

まったく学校へと行っていなかった私は
そろそろ本気で行き始めなければと
心を入れ換えて通うことにした。

学校へと通いはじめてから
自然とパチスロをうちにいく機会が減った。

休みの日には足しげく通ってはいたが。

給料日になるとまず友人へと返済した。

はじめの頃は。

次第

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消費者金融からお金を借りた話 4

まず話に入る前にお詫びを申し上げます。

更新が遅れてしまい申し訳ございません。

少し予期せぬ出来事が起こってしまい更新が遅れてしまいました。

というのも現在もまだ残っている借金のことなのですが、返済がうまく処理されていなくてその対応に追われていました。

たいしたことはないのですが、これまで期限厳守を心がけていた私にとって今回の出来事はあらためて債務者という立場をはっきりとさせてくれました。

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消費者金融からお金借りた話 3

つづきです。

目を覚まし枕元にある時計に目をやると7時だった。私がこんなにもはやく起きるなんてある特定の日だけだ。

パチスロを打ちにいく日。

抑えきれない高揚感のまま朝食をとったりシャワーを浴びたりしていると友人から電話。

友人はこれからも登場するのでより現実味を出すために渡辺(仮名)とする。

渡辺が家まで迎えにきたそうだ。
今日は平日で両親ともに仕事へとでているので部屋へ招き入れた。

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消費者金融からお金を借りた 2

つづきです。

-8月
テストがおわって夏休みだ。大学の友人は一人残らず地方に帰ってしまった。なぜ私にはこっちの友人ができなかったのであろうか。大学の夏休みは長い。4月から8月まで読み進めてきた方ならお分かりであろうが私はサークルに属していない。やりたいこともなければ興味を引くサークルもなかったからである。今、思えば私の大学生活はこれに見えるようにここまでのものだったのかもしれない。

やることが

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消費者金融からお金を借りた

22歳の10月にお金を借りた。消費者金融から。

当時、財布に入っていたのは免許証と預金のない銀行のキャッシュカードと150円。

コンビニでアルバイトをしていた私は勤務明け、タバコのお供にコーヒーを買い全財産を使い果たした。

タバコを吸っているとき頭をめぐっていたのは

(お金返せないな。返事どうしよう。)

このことを語るには少し話を遡る必要がある。
本題に入る前にお付き合い頂

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