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欲望、快楽には3種類ある。知識(真理)を学ぶことと、勝利(名誉)を得ることと、富(利益)を得ることである。

このうち、名誉と利益は苦痛を解決し、ニュートラルの状態に戻すだけで、真の快楽ではない。純粋な快楽と言えるのは不変の真理を学ぶことである。

多くの者は偽の快楽に操られ、踊らされているだけである。真に安定しているのは愛知者(哲学者)だけだ。

偽の快楽に操られる独裁者は国民を不幸にする。偽の快楽は自らを利することしかないからである。国民を虐げることによって、自らの利が最大化するのだ。

純粋な快楽であるところの、不変の真理を学ぶことを好む者は、よりよき事を正しく追及する。したがって、その安定したリーダーに従う国民には安心、幸福がある。

1巻冒頭で登場した、不正が有利であるという話は、現代でも有効なものとして私は述べたが、プラトンはここに立ち戻り、不正は一見自らを利するように見えるが、その独裁者は国民から憎まれ嫌われ、しまいには自分が不幸になるのである。それは一国のリーダーについてだけの話ではなく、不正が有利という概念の元に行動する全ての者に当てはまるのだ。

プラトンはこれを理想国家として論じており、いまだこの国家を実現した国はない。

私の感想。

まだ10巻を残しているけれども、大体話が見えて来たところで気の早い総括をすると、結局、霊性進化の哲学につながる部分はあっても、霊性進化の哲学そのものは出て来なかった。

それとは関係なくして、理想主義としては一つの立場を確立しているのだな、という感じを受けた。しかし、現代社会への有効性として考えた場合に、それほどガッツリのめり込む意味はないものであろう。だから、あまりこの古代哲学の分野を掘り下げようという気にならない。

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