見出し画像

タイムベースコレクター①VTRって

2024年4月27日
一昨日、若いカメラマンが古い資料VTRからデータを引き出す方法が解らないと言うので話していたら、そもそもVTRの原理が解っていない事に気づきました。
そう、Z世代の彼らは生まれた時にはスマホがあって映像はSDメモリか最悪でもDVDのようなディスクに記録されていて、任意のポイントに瞬時にアクセスできるのは前提だったのです。
ワタクシはフィルムから黎明期のVTRの時代に映像を仕事としはじめ、やがてデジタルVTRへ、日本最初のノンリニアVTRオペレーターへ、Macと一緒に動画CGの世界へ、とたどって来ました。しかしそれはこれから続いていく長い映像の歴史の中では一瞬の過渡期の混乱の時代として捉えられる事でしょう。
NHKの20世紀映像のナンタラという番組が好きでよく見るのですが(タイトルくらい憶えておけよ)あれに出て来るフィルム映像のクリアで美しい事と対象的にアナログVTRの品質の残念さって言ったら、未来人に「この時代は文明も技術も過去に劣る負の期間」なんて言われかねません。
これを読んで下さる方の中にも古いアナログ映像の残念さを技術力の劣化という捉え方をなさる方もいらっしゃるに違いない。
なので、開発に人生と誇りをかけた技術者たちの魂を・・・
いや、そこまで振りかぶっては墓穴を掘るのでせいぜい思い出を紡ぐ事にいたします。
上の絵はAIに編集機のイメージを描いてもらった物ですが、ここにたどり着くまでに何回もプロットを書き換えました。
この絵は「暗くて狭い部屋に設置された映像コピー式の編集機」です。
AIにはVTRや動画再生デッキやSONYやビデオテープや編集機や放送機器は通用しませんでした。誤解される程に「自分は過去の狭い世界で生きていた」事に気付かされました。
なら、記述しておこう。何の役に立たなくても自分の脳みそが劣化しきる前に、と思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?