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十五代沈壽官の黒薩摩

沈壽官と言えば薩摩焼きの代表的な陶工で先先代の十三代沈壽官は名工と謳われた方でした。沈壽官窯の白薩摩は技巧を凝らした透かし彫りなどが有名で、これはもう美術品なので焼き物本来の用途は無いと言っても過言ではありません。もちろん買ってお香を焚いたり鈴虫入れて飼ったり出来なくはないですが、誰がそんな事・・・
当代の十五代沈壽官さんは子供の頃ガキ大将でかなりヤンチャで通った方だったそうですが、この方は黒薩摩の話をする時とても嬉しそうに話されます。
で、もちろん沈壽官さんの抹茶椀なんか買えるわけがないので、得意の飯椀です。

この淵の美しさ
黒釉を避けて印

黒薩摩は鉄分を多く含んだ釉薬でなんとも言えない味わいがあります。
真っ黒かと言うとそうではなく、淵のあたりの赤みがかった様はまさに正統の黒薩摩です。
ワイングラスにワインを注いでクルクル回して置いた時にワイン液体の上の縁がグラスに付いて透明からワインレッドに変化するグラデーションが美しいと感じるみたいに、黒薩摩の淵のグラデーションを愛でたいです。
地の色が本物でないと絶対出ない色だと思うのです。
うんちくが過ぎました。シロウトの横好きです。

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