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マジックアワー

朝日の美しい朝。
折り畳み自転車を走らせてファミリーレストランのジョイフルへ向かった。
290円のフリードリンク付きモーニング。

ぼくの折りたたみ自転車はサドルを低くしてあって、進みがとてもスロー。ゆっくりゆっくり走る。
最近は食べるのも遅くなった。
できるだけ動きをスローにして、
マインドがオートマチックにならないように、むやみに刺激に反応しないように、真上から見るものと見られるものとの混同錯覚が行われないように、世の中を観察しながら暮らしている。サットヴァに尊さを感じながら、プルシャを見抜きたい。

折り畳み自転車を走らせていると学生たちに後ろから順に何人にも抜かれていく。少年、少年、少女、少女、少年。

今の高校生、中学生は垢抜けているなあと思う。なかなかにアイドルのような顔をした少年が髪の毛を、前髪を気にしている。ぼくの視線が気になったのか彼は後ろを振り向く。

あなたの幸せを祈っています、と心で少年を観る。少年の心が視えてくる。

少年よ幸せであれと願い祈る。信号が青になると少年は走り出す。
良いパートナーと出会い、良き友と共に歩み、たくさんの経験をしてほしいと祈る。

人生の中で、これからはもう、祈ることはやめたつもりだったけれど、他者の幸せはこれからも願い祈る。

女子学生が凛とした姿でペダルを漕ぎ朝日の下を駆けてゆく。

幸せであれと祈る。
良い恋愛をして、良い人に出会って、たくさんの幸せを経験してほしいと願い祈る。

今朝の光溢れるような道路と空の色はまるでマジックアワーのようだった。
人生では何回となくぼくたちはマジックアワーと言えるような季節を体験する。今朝の光は新学期特有の希望を空気に含ませていた。

まるで何か壮大な何かに導かれているような、美しい季節。

人はそれを青春と呼び、やるせないほどにもてあましてしまうような心に溢れる想いを愛と呼ぶ。

若者よ幸あれ。
良き思い出と良き体験を。人を愛し、人を信頼し、世界を広くして、限界を外してほしい。

ときには苦しく、耐え難い日々もまた、いつか花咲く幸福の種にして、少年少女たちの人生に輝きあれ。子供達よ豊かに。

世界中の生命に幸せあれ。
闇のような時代をまやかしと見て、泡沫と見て、苦しみの中に喜びを、迷いの果てに幸福を。人生の温かさを何度も何回も味わって生きて。

マジックアワー。
人生の恵み、何度でも。
そう、あなたにも、彼にも、彼女にも、生きとし生けるものが幸せでありますように。世界よ、平和でありますように。
時代よ、大切な宝物を見失うことなくぼくらが生きることのできる世界を。
さあ、歩もう。
それぞれの道を。
信じている道を。

あとじまこと

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