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背水の陣で挑む同級生の選挙戦を支援し感じたこと。政治には人の数だけ想いがある

42歳になると高校野球の監督が出てくるくらい責任も経験も知識もある年代になる

さて、今日の記事もVoicyでもお話ししています。
記事とは少し改変して話しているところもありますので、是非こちらもお試しください。

さて、42歳になると、会社でも社会でも責任を伴う世代になってきます。

あー自分ってある程度の歳だなぁと思うのが、高校野球の監督が自分と同世代、下手したら自分よりも若い世代も結構出てきているってことなんですよね。子供の頃はお兄さんたちが甲子園に出ていて、すごいなぁ、すごく練習したんだろうなぁって見ていたんですよ。

それが気づいたら高校野球に同世代が出るようになり、プロ野球で同世代が活躍するようになり、戦力外になり、メジャーリーグに行き、ほぼほぼ引退し、そして今のステップが指導者が増えているというフェーズなんですね。

これ、野球の話だけじゃなくて、自分の世代が知識と経験が伴ってきて、様々なところで勝負ができるようになってきたという意味ですごくポジティブなことだと思うんですよ。

小学校・中学校時代の同級生が選挙に出る

ちょっと枕が大きくなってしまいましたが、ああ、自分ってもうそういう世代なんだと思う出来事があったんですよ。

というのも、小学校と中学校の頃の同級生が、4月9日に行われる神奈川県議会議員選挙に出馬するっていうんです。

政治家っていうと、横分けのおじさんが選挙前だけ街頭に立って、あー選挙前だからなんかいいこと言ってんだなぁくらいに思う存在で、あともう一つ付け加えると少年野球の開幕と閉幕の時に優勝旗を渡してくれる人ってくらいのイメージだったんですね。

つまり、なんかうちの地元で権力を持っている、すごそうなおじさん。何考えているのかあんまり見えない謎の人っていうくらいのイメージだったんです。その謎の人に同世代の人間がなるかもしれないっていうことに驚いたんですね。

子供の頃はそれほどでもなかったが、30超えてから親しくなった関係性

この友人とは同じクラスにはなったことは一度もなかったし、近所ではあるけどお互いの家に遊びに行くような関係性でもなかったんですけど、どこか気になる存在で、挨拶はするしどんな部活に入っているかも知っているし、お互いどんな人かもまぁまぁ知っている。そんな感じだったんです。

それが30後半くらいにSNSでつながって、私が本を出すタイミングで自衛隊の機関誌で無料で書評してくれて。この歳になって距離が近くなり、しかもそれが結構気持ちの良い間柄だったということもあったんですよね。

こちらとしても手助けしてもらったこともありましたし、何よりそういう彼が選挙に出るっていうことで、彼が所属する政党は別にアレなんですけど、彼が自分の信念の元に活動するのであれば応援したいなぁとは思っていました。

ただ、彼が出るのは川崎市麻生区というところで、私が住んでいるのは千葉ですから、直接的な応援は出来ないし、する気もありませんでした。

「超有名政治家の方が応援演説に来るから警備を手伝ってほしい」

で。
今回選挙に出る小林武史さんから3月の終わりくらいに電話がかかってきまして。4月の最初の週末に新百合ヶ丘で街頭演説をするんだけど、警備を手伝ってほしいって言うんです。

話を聞いてみると、今回のことって小林さんだけならなんですけど、どうやら某大物政治家の方が応援演説に来るらしいんです。去年あんなことがありましたので、SPとか居るみたいなんですが、人を整理したりとか、政治家の方と観客の間に距離を取りたいっていうこともあって私にも連絡してきたみたいなんです。

これについてはちょっと考えたんですけど、別に私が警備することによって川崎市麻生区の方の投票行動が変わる訳でもないし、私自身が彼に対して投票を呼び掛けるっていう趣旨のものでもないし、その範囲で彼を助けることが出来るのであればいいかなと思って足を運びました。

候補者に余裕など一つも無い

丁度週末にVoicyパーソナリティの方とのお花見が東京近郊であったのでそちらに出てから私は新百合ヶ丘に向かいました。

結局地元の同級生ってその場に呼ばれたのは私だけで、あとは地域の方や所属政党で彼を応援する方達ばかりだったんで、地元人脈をフルに活用してその中の一人が私だったという訳じゃなかったのが逆に驚いたんです。

直ぐにどこに友人が居るかは分かったんですけど、明らかに忙しく動いているんですよ。支援者の方に挨拶したり、街頭で通行人と喋りながらチラシを渡して気さくに信条を訴えたりとか、少なくとも警備を手伝う私に話せる余裕なんて一つも見えなかったんです。

だから、とりあえず小林から呼ばれて警備を手伝いに来たということで党員を思しき方に話を聞いたらすぐに今日の手伝いをする人が集まっている場所に案内してもらえました。

党員の方の選挙活動の緊張感が凄かった

まぁ党員の方達と接するのも初めてだったし、明らかに私の知り合いは誰も居なかったので、その中でお手伝いするためにも軽い冗談でも言いつつ少し打ち解けてみようかと思って仕掛けたんですけど、スルーされちゃったんですよ。

あ。
これは周囲も余裕がない、って。

もう今日の演説会のことにみんな集中しているんですよ。目が本気で、ピリピリしていて、一つ一つの警備の段取り、少しでも票を獲得したいから良いものにしようっていう雰囲気を全員から感じて、あ、選挙ってこんな感じなんだっていうのを感じました。

小林君からも聞いていましたが、この地区からこの政党は30年当選者が出ていない。でも彼を擁立して、地域の有名政治家を軒並み応援に来させることによって本気で勝ちに来ている。もうこれは、物見遊山というよりはこの会を速やかに終わらようって思いました。

街頭演説は物凄い数の観客

私は最前列でロープを張って、人が中に入ってこないようにする役割でした。

やっぱりこの政治家の方の効果が絶大で、最前列に小学生や中学生が集団で来ているくらいなんですよ。有名人が来るからっていう感じでライトな層が居る一方で熱心なこの政党の支援者と思しき方も観客として来ている。通路に人が通れなくなるほどパンパンなんですよ。

私、新百合ヶ丘にこんなに人が来ているところを見たことがありません。
だって、向かいの百貨店のビル越しに演説見ている人が結構居たくらいなんですから。

勿論この友人の力だけじゃないんですけど、だけどこれだけの人に足を運ばせたのは総合的に考えてこの友人に依るんですよね。私が知っている中学生のころまでの彼はリーダーってタイプじゃなくて、どこかマイペースな、温和なタイプの彼がどういう経緯を辿ったらこの厳しい世界に飛び込むことになったんだろうって気になったくらい、そこにギャップがありました。

演説はその人のキャラクターに合っていれば良い

市会議員や近隣の県議会議員、国会議員の応援演説の後で、同級生の演説が始まりました。

軽妙なタイプの演説ではありません。緩急を付けて笑わせたり、聴衆のリアクションを見ながら状況に応じて話を切り替えたり、楽しくて盛り上がる話術を持っているっていうタイプではありませんでした。

ただ、人の心に訴えて、味方に付けられる演説っていうのは必ずしも上手さって必要ないんですよ。

声質とか、たどたどしかったりとか、そういう喋りの基本的なNGがあると心が離れることっていうのがあるので、その辺のNGを踏まなければあとはその人のキャラクターに合わせて話せさえすればいいんです。

小林君は誠実に、その主張を堂々と行いました。
30年前からは想像できない姿だったので、率直に感動しました。

有名政治家が出てくると、横綱が登場した時のような盛り上がり

小林君の演説が終わると、今日のメインの有名政治家の方の話が始まりました。

もうこれはスターですよね。みんなスマホを構えるんですよ。写真撮って、SNSに載せて、友達にLINEして。国技館で横綱が出てきた時みたいな感じなんですよ。

政治家の中で、近所に来たら立ち止まって、写真撮って、家族やSNSで伝えたいって思う人ってどれだけ居ますか?友人の演説にもありましたが、混戦だからこそこのような力のある政治家が来てくれたという面はありますが、にしてもビッグネーム過ぎですよ。

ガンバローコールした後でこの政治家の方が列を成す観衆にグータッチするんですけど、もうずーっとやってるんですよ。みんなこの政治家の方が好きなのと、単に有名人に接したいっていうのもあって。

政治っていうのはこんなに人の心を動かすのかと初めて気づかされました。

落選したら本当に後が無い闘い

結局この演説会は大きな混乱もなく終わりました。
かなりの観客も集まり、はた目には大成功だったように見受けられました。

前もnoteに書きましたが、この候補者の小林君は立候補に先立ち前職を辞めて、選挙に臨んでいるんですね。私に置き換えると、42歳での退職ですからね。文字通りの背水の陣です。彼のキャリアでは仮に落選したとしても引く手はあるかもしれません。

でも、キャリアがこれで終わるかもしれないんですよ。実際この地区で敗れた候補者はその後リベンジの機会を同じ地区で与えられていないからです。これは、一生に一度の闘いの可能性もあるんです。

まぁ彼は負けた時のことなんて一つも考えていない、勝つだけだと話していますけど、考えるに決まってるじゃないですか。そんなにネジの外れたタイプじゃないですよ。

選挙の手伝いに見返りは何も要らないと思えた

今回は、人生最大の闘いを身近な友人が、有名政治家や多くの方を巻き込んでしている現場に入ってみて思うところがありました。

何度も言いますけど、別に私は彼への投票を呼び掛けたいとも思わないし、投票なんていうものはそれぞれの人の尺度に合わせて行うべきものだと考えています。付け加えると私は彼の選挙区と全く異なるところに住んでいます。

ただ、そういう状況で、覚悟があって、日々活動しているのを知っているからこそ、自分に出来る範囲で、彼に邪魔にならない範囲で、そして私の周囲に迷惑が及ばない範囲でできることをしたいと思えたんですよ。

別に何も要らないんですよ。感謝の言葉でさえ要らないと思っています。これからの活動で多くの方に還元してもらえたらいいんですよ。私には本当に何も要らないと心から思っています。あ、ただ、当選したらVoicyにはゲストで出てくれるとは話しています。そこだけですね。

今日のまとめ:人の数だけ考え方はあるけど、信念があれば気持ちを動かすことも出来る

今回一番興味深かったのは、選挙を取り巻く人たちがそれぞれの想いを込めて必死に活動しているということでした。

何かと政治って悪い話ばかりが出てきますが、本当に草の根の末端のところでは人の数だけ理想があって、それを成し遂げてほしくて、理想に近いところの政党を支持し、その地区の候補者のために具体的に動いている。

支援者の方であればそこまでちゃんと動きますけど、でもそこまでに至らない人でも政治に対して思うところがあって、消極的かもしれないけど投票に行くこともあるし、実際に動くには至らない人も居る。ふざけて投票する人も居る。

政治ってだから、人の数だけ考え方があって、行動に移すことについても濃淡がある。でも、信念をもって行動すれば大きな山を動かして、その山がさらに多くの人の気持ちと行動を動かすこともあるということを学びました。

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