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はじこい~人が動く動機~

 私の好きなシーンの一つ。
雅志がカフェで勉強しているゆりゆりを、
東大近くの喫茶店に連れていくシーン。

『なんであんなところで勉強してたんだ?
受験辞めたんじゃなかったのか?
親への反発とか、順子のためとかいろいろあるけど
自分のためにやりたいんじゃないのか?
それで欲が出た。自分の位置がわかったから
今怖くて不安なんじゃないのか?』

そうやって気にかけてくれる雅志に、ゆりゆりは
どうしてそこまで優しくしてくれるのかと問う。

人が動く動機は究極的には2つだ。
自分の幸せのためか、好きな人の幸せのため。

俺は好きな人を悲しませたくない。
自分の幸せが好きな人のためでもあるなんて
そんなラッキーなプレッシャーないだろ。』

 雅志は本当に心の綺麗な人だなと思った。
人が動く動機が究極的にこの2つであるなら、
きっと前者の動機で動く人が多いはずなのに、
まっすぐ過ぎる程、順子のことを想って行動をしている。
そう言ってはいるけど、目の前にいるゆりゆりのことも
大事に思っていることが伝わってくる言葉。

(私自身、誰かのために動いたことがどれだけあるかと
自分に問いかけてみて”これだ!”というものが見つからない。
あ、でも
家族や友人に喜んでほしくて選んだプレゼントとか行動も
きっと後者だから、みんなそれぞれが実践しているんだと思う。)


このシーンの中でこのセリフを聴いて、涙が浮かんできた。
いろんなものを背負っているゆりゆりに対して、
”今は辛いかもしれないけど、一人じゃない”
”みんながあなたのことを想っている”
という意味を感じることができたからなのかもしれない。



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